心に響いたザウルスの広告
今でも鮮明に頭に残っている広告があります。ザウルスの最初の広告です。
コピーは今回のタイトルのまんまです。
「いそがしいのは誰のせいだ。あっ、僕のせいだ」
辰巳拓郎がビジネスバッグや書類などを手に、小脇に、背中いっぱいに抱えて立っているだけのシンプルな絵です。
これに気がついたときから、私の時間管理の意識が芽生えました。
こう書くとかっこいいですが、動機は不純でした。
「自分が何とかしないと忙しいままだ。これはまずいぞ。あれもしたいし、これも遊びたい(内容はナイショ(笑))。なんとかしなくっちゃ」
「私はこう見る」で、読者の方々とメールを楽しくやり取りしていると、時々、聞かれることがあります。
「肩書を見るとお忙しい方のはずですが、どうやって『FF8』のような大作ゲームをプレイする時間があるのですか」
というご心配の言葉や質問です。
そこで、せっかくですから、今回は時間管理をテーマとします。
今まで、そういった疑問を持たれた方が何人もいらっしゃる、ということはそれだけ「知りたいニーズ」があるのだろう。だから、記事にすると人気が出るぞ。
これも不純な動機です。
お忙しい読者の方はこの記事をご参考に自分の自由時間を持つヒントになれば嬉しいです。またそうでない読者の方は「へぇ。森さんってこんな感じで動き回っているんだ」という好奇心を満たしていただければ、この記事の役割は果たしたことになります。
コンサルタントの労働時間
まず、私の労働時間をご紹介しましょう。
現在で、月間320時間くらい。忙しいときで400時間です。
普通のビジネスマンでいえば「残業200時間」というところでしょうか。
残業ゼロの場合で月間160時間の労働時間ですから「文字どおり、人の2倍働いている」ことになります。
これでも年齢を考えて短くした方です。また、独立して労働時間は減りました。ビジネスマンだった頃の経営会議や連絡会議などの余計な仕事がなくなったのが原因です。
以前、在籍していたコンサルタントの会社で、最高450時間が3ケ月間続き、さすがに、その後ぶっ倒れて2日寝込んだことがあります(笑)。
「やってもやっても仕事が減らない。変だな」と感じたので、やらなければいけない仕事をリストアップし、それぞれどれくらい時間がかかるかを計算したところ、今後1ケ月間で780時間が必要という結果でした。
さすがに笑ってしまう仕事量です。
でも、次の瞬間真っ青。だって、1ケ月は720時間しかない。
必死になって仕事量を減らしたのですが、時、すでに遅し。
冒頭の悲劇を迎えたのでした。
当時、周囲の同僚コンサルタントも似たような状態でしたので、こんな会話も交わされます。
「うんうん。でもさぁ、理想は300時間以下なんだけど」
「おーい。この新聞にプログラマが過労死して、会社が訴えられてるって出てるゾ」
「へぇ。ぼくらもシャレになんないようしなきゃね(笑)」
「だよなぁ(笑)。で、何時間その人働いたの?」
「えっと…『270時間』」
「うそぉ…」
「…」
実話です(笑)
メーカー時代も似たような状態でした。当時は普通のビジネスマン。ただし、残業は月間100時間を切ったことがないという忙しさです。
今回はいかに私が働き者なのかをご披露するのが趣旨ではありませんので、この辺で止めておきます。
忙しい人は本当に忙しい。
コンサルティング業界だけではなくSEなどのソフト業界、雑誌編集者、テレビ製作プロダクション等、月間400時間の労働時間が当たり前(?)というところはまだまだあちこちで見かけます。
以前、とらばーゆに募集広告を掲載したことがあります。
というコピーにしたら来るわ来るわ。看護婦さん、編集者、プログラマ、工事現場のガテン、運転手、テレビのプロダクションAD、彫金デザイナー。総勢120人がみんな「体力には自信があります」と面接で言うのです。
「もうわかった。あんなコピーにした私が悪かったんです」と思わず謝りたくなった程でした。
忙しさの功罪
忙しいというのは良いことではありますが、問題も多く出てきます。
●やりたいことができない |
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趣味やデート等に影響が出てきます。私もこのせいで恋人に振られたこともありました。
「大蔵離婚、通産自殺」というぶっそうなフレーズがあります。これは、中央官庁の職員たちの間で使われる言葉です。
大蔵省など中央官庁の人たちは一般のイメージとは裏腹に、大変働き者です。その中でも、大蔵省と通産省は忙しさではトップクラス。だから、大蔵省の職員は奥さんに三行半をつきつけられ、通産省は奥さんに逝かれてしまう、という意味です。
●バカになる |
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知り合いの社長さんたちに「森さん、そんなに働いていると、頭が悪くなりますよ」と以前から言われていました。「あははは。まさか」と笑い飛ばしていたのですが、いや、本当でした。頭の回転が徹底して鈍くなってくるのです。
単純に睡眠不足で集中できないということなのですが、それがどんどん生産性を悪くしている。目を充血させて、しゃかりきになって頑張っているのに仕事が進まない。掘っても掘っても底が見えない。一番ストレスが溜ります。ストレスは仕事で発散させるのが私の方針ですが、これには参りました。
●人生のはかなさを実感する |
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幸いにことに私はこの経験はありません。良く言えば前向き、悪く言えば脳天気な私ですので、そんなことを考える前に身体が動いてしまいます。
この症状は同僚に良く見かけました。
以上、嫌なことばかり並べましたので、ちょっとだけ忙しいことの良い点をあげましょう。このままでは、どうも、目覚めが悪いです。
●人生が充実する |
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私などは仕事を楽しんでしまうタイプなので、忙しいということは自分を実感することにつながります。
要するに、他の人間に頼られている、信頼されているからこそ仕事が増えるわけですから、「自分は世の中に必要な人間だ」と素直に喜べます。
●遊びが楽しくなる |
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「良く遊び、よく学べ」ということわざがあります。
おもしろいもので、忙しい時ほど、遊びが楽しくなります。いつも暇だと、遊んでいてもどこが「だら~」としてしまう。
というのも、忙しいと「この貴重な時間に遊ばないと、いつ遊べるんだ」とばかり、密度の濃い遊び方ができるからです。
たかが、キラキラ光るきれいなだけの石ころも、貴重だからこそ「ダイヤモンド」と呼ばれ、人生を楽しくも殺伐にもしてしまう力を持つわけです。
忙しい時は遊び時間はエメラルドにも匹敵する存在です。
●神経が研ぎ澄まされる |
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正直な話、これは私を含めた一部の人だけのメリットです。仕事が忙しいときというのは神経が張り詰めています。それだけ、観察力も判断力も鋭くなります。勘が働くのです。
色々、メリットも上げましたがちょっと苦し紛れですね。
忙しさを正当化しているのは潔く認めます。
しなければいけない仕事をいかに早く終わらせられるか。
結局、時間管理をきっちりとして、自由な時間を作り出すのが一番です。
忙しさの原因を突き止めてみる
ではどう時間管理をするか。
私のバイブルがあります。「Aタイム」という時間管理手法です (TBSブリタニカ刊 ジェームズ・ヌーン著)。
この方法を自分でアレンジして応用しています。
最初に使った時には30%も時間が節約できました。月間100時間も自分の自由にできる時間が増えたのです。毎月12日間有給休暇を取っても同じ分量の仕事ができる。これは魅力的でした。
この手法を10年以上も応用している今でも、定期的に自分の時間を見直すことで10%~15%の改善ができます。時間にして40時間くらい、5日間です。
これを「私はこう見る」で延々と解説しても仕方がありません。
15年くらいの超ロングセラーですから1冊買ってみることをおすすめします。
【「Aタイム」の肝だけを見たい方はこちら】
ここでは「森流Aタイム」をご紹介しましょう。
やるべきことは単純です。
●自分が本当に忙しいのはイヤなんだ、と真剣に思うこと
(そして、忙しさは自分でコントロールできるんだと気づくこと)
●集中時間できる時間をできるだけ多く取る
●同じような性質の仕事はまとめてやる
●人をうまく使う
●わがままになる
●自分の力を見極める
まず、忙しいのはイヤだと自分を説得し、忙しさはコントロール可能だと思いこむことから始めます。
忙しいのにはいくつかの理由や原因があります。
●引き受けた仕事が思った以上に時間がかかった
●無駄(だと自分が思っている)ことに時間を取られる
●締め切りまでの時間が元々少なくて無理があるのに、やらざるを得ない
●細かい仕事が多すぎて、時間ばかり取られる
●トラブル続きで、一向に仕事が前に進まない
●途中まで進んでいるのに修正を余儀なくされる
●他の人間が言うことを聞いてくれない。非協力的
挙げ出せばきりがありません。
さて、これらは確かに【 】に書かれている項目が原因です。つまり、自分のせいで引き起こされる忙しさはほんの一部で、「自分以外の誰か、何か」が元凶のように見えます。だから、「忙しいのを何とか改善したいけど、なかなか改善できない。使われる身だから仕方がない」とガード下の居酒屋でグチをこぼすはめになります。
これでは、いつまでたっても忙しさは変わりません。正に、私が陥っていた月間780時間地獄です。でも、それが原因で身体を壊したところで、誰も助けてくれません。会社なんてそんなものです。表面上は「大変だったね」とは言ってくれても、所詮「自分の健康も管理できない『アホ』」であり、「そんなヤツには大事な仕事はまかせられない」のです。
そう。正直者がバカを見る。厳しいけど、現実のビジネス社会です。
こんな被害者を私はたくさん見てきました。机にうっつぷしたまま息を引き取った先輩。蜘蛛膜下出血でいきなり会議前に倒れ、私がタクシーで無理矢理病院に連れていかなければ「後、10分遅かったら危なかった」同僚。忙しさと100人の部下のいじめにあって、新婚3ケ月なのに飛び降り自殺した同僚。
なんとしてでも、自分の身は自分で守らなければなりません。
「ばかばかしいから、やーめた」も選択肢です。趣味に生きる。仕事は適当にこなす。でも、忙しい人はそれが好きだから忙しいという部分があります。私のような人間に適度な忙しさがないと人生つまらないというタイプです。始末に負えません。
では、どうするか。
「自分のせいでないと思っていた忙しさの原因のほとんどすべてが、実は自分のせいだった」
と思うのが一番手っ取り早いのです。
自分のせいでないと「自分ではコントロールできない」と思い込んでしまう。
でも、「全部、自分がまいた種だ。自分さえしっかりしていれば、忙しさの元凶はコントロールできるはずなのだ」と思うことで、話はがらりと変わります。
このメルマガで精神論を展開するのは好きではありません。
しかし、時間管理の第一歩はこの「気持ちの持ちよう」なのです。
という名言があります。自分が本当に「この事態をなんとかしたい」と本当に思わなければ、時間管理はできません。後述するように時間管理の基本コンセプトは「わがまま」「自分中心に世界は回るべきだ」という「美しき思い込み」だからです。
そのことを踏まえた上で、忙しさの元凶を見直すと次のように翻訳できます。
●引き受けた仕事が思った以上に時間がかかった
→自分が1日にできる仕事量を自分で分かっていなかった
→自分はもっと仕事のできる人間のはずだという、おごりがあった
●無駄(だと自分が思っている)ことに時間を取られる
●締め切りまでの時間が元々少なくて無理があるのに、やらざるを得ない
→無駄ならやらなければいい。時間がないのなら、時間を伸ばす説得をすれば良い。それができないのは、自分の交渉力や信用が足りないからだ。
→その時間でできないと分かっているなら、短縮する工夫をすれば良い。今までと同じやり方しかしていないで、「やっぱりできませんでした」というのは、社会人として恥ずかしい。第一、できないのなら始めから約束するな。成果を期待して計画している相手が迷惑だ。
長々と解説するのはここで止めておきましょう。
自分に対してどれだけ「意地悪になれるか」が最初のポイントです。
集中時間できる時間をできるだけ多く取る
実践編のポイントを私の経験をベースに説明します。
時間管理で一貫して大切なのは、どれだけ集中できる時間がとれるかです。
これができれば、時間管理の50%は終了したようなものだといって良いでしょう。
良く言われるのは「人間の集中力は2時間しか持続しない」ということです。
でも、人間が集中するまでにどれくらいかかるかを解説している書籍はあまり見かけません。それは、個人差が大きいからだと思います。
でも、このことはものすごく大事なのです。
私の場合、集中するまでに30分くらいかかります。
そして、持続時間は一人きりなら4~5時間、他人と一緒なら2時間程度です。
つまり、理想的には1日で4~5時間のまとまった時間があれば、集中のための助走時間の無駄が少なくなる訳です。
ところが、サラリーマン時代、特にメーカーのマーケティング部門にいた時は悲惨でした。とにかく集中できる時間がありません。
仕事分析すると、1つの仕事を続けてできた最長時間はたったの15分。集中への助走にもなりません。
というのも、机にいるとセールス部門から商品の問い合わせ、流通部門から海外工場からの船便の遅れ、倉庫部門からはアイテムの品不足に関する電話等が1日に30件もあるからです。電話が終わり「さぁ、続きをやろうか」と思った瞬間に次の電話が鳴るという始末です。神経集中どころか、イライラしてきます。
後述しますが、私が電話嫌いなのはそのせいです。
集中時間を確保できない原因は電話だけではありません。
こちらの都合も聞かないで雑談に来る人。アポに早く来れば良いと思い込んでいて約束時間の15分も前に来る人。自分で調べれば良いのに「森さんの方が早いから」と何でもかんでも聞きに来る人。
2番目の人は別にすれば、それはそれで、こちらの気持ちの持ちようで、良いコミュニケーションが取れるきっかけになります。
とはいうものの、最大持続時間が15分では考える仕事は一切できません。
たまに、比較的幸運な日があっても1時間が限度です。そんな助走時間ばかりの1日で仕事が進むわけはありません。
そこで、まず私が手を付けたのは、昼間はすべて、そういった細かい仕事に当てることでした。
時間がまとまって取れそうで、今までなら机に座って「さぁ、じっくり企画書を書こうか」としていたタイミングでも、あえて細かい仕事をやってしまう。
その時間を使って、こちらから最もつき合いの多いセールス部門に電話をかけて「何か問題はないですか?」と御用聞きに回ります。
これが、大正解。
先へ先へと先回りをしたので、
●問い合わせをしたくても、自分が忙しくて忘れていたのを思い出させてあげたので、感謝される
●「森は気が利くやつだ」という評価が出始め、ちょっとした無理でも聞いてくれようになる
メリットが数多く出てきてしまいました。
まとまった仕事はいつやるか。夕方以降と土日です。
それまでも夕方以降や土日は仕事をしていました。精神が集中できる唯一の時間帯だからです。でも、昼間の中途半端な集中力がたたったり、細かい仕事をやったりと、効率は良くありませんでした。
これが、改善後はおもしろいくらいに仕事が進みます。
細かい仕事をまとめ、仕事に集中する時間は人のいない夜間や休日にするだけで、1日に2~3時間平均の時間節約ができるようになったのです。月にして50~60時間。1日8時間労働の人なら6日分です。
余った時間はFAQ、つまり良く聞かれる質問への回答集を作ることに当てました。本来はセールス管理部門の仕事ですが、ちゃんとできていない。今までは「セールスの仕事だから」と放っておいたのをやっつけるわけです。
これで、似たような質問が激減しました。本当は私自身のためにやったことなのですが、セールス部門からも感謝される。
同じような性質の仕事はまとめてやる
さて、その後も基本姿勢は同じです。
集中するために、同じ種類の仕事をまとめる小技です。
人間、似たような作業をまとめたほうが生産性があがります。
例えば、シストラットを設立してから、以前はクライアントを訪問する時に、ちょっと早めに出て近くのマックに行き、時間調整代わりに1件数分でできる仕事を10件分アタッシュケースにつめて、そこで細かい仕事をこなしていました。
中途半端な時間に到着し、無駄な時間を費やすことを避けるためです。
いまでは、30分くらい前に目的地に着き、モバイルギアでできる仕事をまとめてこなします。人を待つのも苦になりません。
人をうまく使う
さて、次は細かい仕事のうち、自分でなくてもできる仕事をどうするかです。
その1つはすでに解決していました。
というのも、セールスを初めとする他部署の人たちは本来私でなくても良い仕事を押しつける傾向があったのが、それまでの改善で私に好意的になり、ごちゃごちゃ言わなくなったからです。
「森は忙しいから、うちらでやっておいてやろう」という訳です。
実はこれにはもう一つの意味がありました。
責任回避のために、自分たちで判断できることでもいちいちマーケティング部門を巻き込んでおこうという悪習慣が私に限ってなくなったのです。
これだけで、1日1時間の無駄がなくなります。
さて2番目は私の代わりを作ることです。
この会社ではブランドマネジャーは課長職でしたが部下がいません。担当の広告代理店の営業がアシスタント代わりに動いてくれますが、日々の細かい作業までは頼めません。そこで目をつけたのが事務職の女性です。
彼女たちは一般事務は退屈で、もうちょっと責任のある仕事がしたいと思っていることは、普段一緒に食事をする時に漏らしていたので良く知っていました。
そこで、本格的に彼女たちの1人に動いてもらうことにしました。
もちろん、上司に「ちょっと手伝ってもらいます」と断ります。
その時、彼女に頼む仕事はバラバラの雑用ばかりではいけません。
細々とした仕事をテーマごとに分解し、その中で最も雑用が多いテーマを彼女に任せます。
テーマが決まっていれば「任されている」という感覚が芽生えるだけでなく、裏に流れる仕事の流れがわかるので、ちょっとした判断なら任せることができるからです。
彼女は実に良くやってくれました。
私の仕事のかなり複雑なものまで次々とこなす始末。
これで、さらに1日2時間が節約できたのです。
シストラットの社員およびバイトはすべて女性ですが、その原形がこの経験でした。
「ハーレムでうらやましい」と言われることが多いのですが、とんでもありません。女性は3人以上が集まると怖いです。特に、以前ウェブマスターを勤めてくれた中野は創業以来一緒なので頭が上がりません。
今のウェブマスターの河瀬も…あっ、いえ、かわいいです。
10代の頃にナベプロでアイドルやってましたから(売れませんでしたけど…)、美形、美人、賢いです。ふぅ(笑)。シストラットで一番のコギャルです。
経営者、責任者だけができる時間短縮法もあります。
例えば、私は、バイトを含めて報告書等の大事な仕事以外はチェックしません。学生バイトにも数十万円の小口現金を渡しておきます。
在宅のマッキントッシュのオペーレータも、時給制ですが自己申告です。
そういったことをいちいちチェックするのは時間がもったいないからです。
虚偽の申告をするような人は初めから雇いません。だから、面接はシビアです。面接で数時間他の会社より余計に時間を使ったほうが、数年間に渡ってチェックに時間をかけるより、最終的な時間節約効率が高いからです。
副次効果もあります。
任されているという実感があるので、仕事に張りが出ます。また、完全に任されていると、返って虚偽の申告がしずらくなります。採用されて最初の頃は、むしろ、「遠慮してしまって少なく申告する」方を気をつけなければならないくらいです。
わがままになる
次は、「余計なことを考えない」「わがままになる」ということです。
例えば、私が人に会うのは原則として、13:30と15:00、そして、18:30に決めています。
アポは、このいずれかの時間にするわけです。そうすると、身体が自然に覚えていますので、仕事に夢中になって時間を忘れることはありません。
「次のアポは何時だったっけ」とスケジュール表を探すのは時間の無駄。というより集中力を疎外し、それがひいては時間の無駄につながるからです。
ちなみに、13:30としているのは、昼食後軽く一仕事する時間があったほうがクライアントにとっても楽だろうという配慮と、自分が昼食をとる時間が欲しいというニーズの合致したところだからです。
PHSや携帯の呼び出しには無闇に出ません。
電車内、打ち合わせ中、歩行中などは電話が鳴っても無視します。
特に、打ち合わせ中の電話は完全無視です。だって、自分は椅子に座って短縮ボタンを押すだけの作業しかしない人を、せっかく出向いて時間を作ってくれた相手より優先するなんて、相手に失礼ではないですか。
でも、一番の理由は打合せ途中に電話に出てしまうと、ふと、打合せに戻ろうとしたとき「それで、さっきの話はなんだったっけ」と集中力がとぎれてしまうのが嫌なのです。
だから、PHSや携帯電話は緊急連絡用としてしかクライアントに教えません。さすがに、クライアントの電話を無視するとなると、売上に響きますので(笑)
従って、私の場合はPHSよりオフィスのほうが圧倒的に連絡が早く着きます。
「だったら、携帯を持っている意味がない」と良く言われますが、「私にとっての」携帯の意味は他の方たちと違ってもいいではないですか。そして、だからこそ、PHSの番号は滅多な人には教えません。「森の常識」を理解してくれる人だけです。
わがままといえば、以前の会社で780時間の悲劇を経験した後は、自分のスケジュール表に架空の仕事を入れることにしました。1週間に3日ほど、1回で2時間くらいのスケジュールを全部で6回くらい入れておきます。
次のミーティングに遅れるのでイライラするようなこともなくなりました。
自分の力を見極める
最後に最も大事なのは、自分の仕事のスピードと自分の生産性の正確な把握です。
自分の若い時やいろんなビジネスパーソンを見ていると、無駄な動きをして結局1つの仕事に時間がかかる人は「だって、そんなことが起こると思わなかったんだもん」「できると思ったんです」という台詞が実に多いことに気がつきます。
自分の能力に夢を持つことは多いに結構ですが、それでは周囲に迷惑をかけるだけです。
私がファンである「電脳市場」のSurfriderさんは普通のビジネスマンですが、私のアサヒビールの記事に触発されて、メルマガの記事を1本仕上げた時に1~2時間しか使っていませんでした。
仕事がとてつもなく早いのです。超人とも鬼神とも呼んでいます(笑)
文章を書くのは苦手な私ですが、本業の報告書だと1時間で20ページ程度のスピードです。報告書の構成やストーリー展開等には時間がかかりますが、これは、電車等でうんうんうなることで、机に向かっている時間を費やすことはありません。
150ページ程度の報告書なら7~8時間で原稿が完成します。
このスピードがわかっていると、「不測の事態」は避けられます。動きに無駄がないので、うろうろしたり、考え直したりという時間を節約できます。これがかなり大きいのです。
また、可能性のあるトラブルも5種類くらい考えておきます。そして、それぞれの対処方法を事前に設定しておきます。そうすることで、問題が起きてもすぐに対処できます。
「それこそ時間の無駄になりませんか」
と良く聞かれますが、トラブルが1回起きると、最悪の場合プロジェクトにかかる総時間と同じくらい時間が必要になることもあります。その数十分の一程度の時間をかけることで回避できるなら、保険のようなものです。たかが知れています。
時間はお金で買えない、のウソ
時間はお金で買えないと良く言われます。でも、私はそれはウソだと思っています。ザウルスの初期投資の5万円で、私は1,000時間以上もの時間が買えました。また、ちょっとした工夫で無料で時間が買えてしまうのです。それは、ひいては、自分の健康を買っていることにもなりますし、もっと言えば、人生を買っているとも言えます。
ただ、その買った人生で何をするかはあなた次第ですが。
【参考】森の「Aタイム後」の1日