いままでのメルマガでは大人の事情から、意図的に携帯電話をテーマにした記事を避けてきました。
ようやく解禁です。
いま一番元気があるスマートフォン。でも一番国産メーカーが元気がないスマートフォン。
エールを送るつもりで記事を書きました。お楽しみください。
■NEC携帯電話事業撤退 沈みゆくガラケー
今年3月29日、とんでもないニュースが飛び込んできました。
「NEC携帯電話事業撤退 沈みゆくガラケー (朝日新聞デジタル)」と題された、450文字の短い記事です。
開発部門もパソコン大手の中国レノボへの売却を目指しており、携帯電話事業から事実上撤退する。
国内の携帯メーカーは米アップルなど海外勢に押されて採算が悪化しており、「N」シリーズが人気だったNECも黒字化が見通せないと判断した」
かつてNECの携帯電話ファンだった私にとって、衝撃的なニュースです。
その2週間前にもこんな報道がありました。
「パナソニック、携帯事業も売却検討 台湾端末メーカーなど候補(SankeiBiz)」
こちらは約1000文字の中規模記事。
このときも、パナソニック製携帯電話を買ったことがある私にとってショックでしたが、
折り合いが付かなければ、売却しない可能性もある」
と記事にあるように、パナソニックの場合は売却しない可能性もあったので悠長に構えていました。そこに、NECの撤退報道で冷や水を浴びせかけられたような衝撃。
従来の携帯電話(本記事ではガラケーと呼びます)で、トップ3だったシャープ、パナソニック、NECがことごとく撃沈。
いったい、どうしてしまったのでしょうか。
だから、こんなニュースは不思議でもありませんよ」
と友人。
いえいえ、そんな話ではありません。
だって、
と聞かれたら、私は迷わずスマートフォンと答えますもの。
2012年度のスマートフォン出荷台数は2,898万台で前年比19.9%増。
スマートフォンの普及率は、2010年2月では3.5%だったのが約2年半で急速な伸びをみせ、2012年では39.1%と約4割に迫っています。
これを「元気」と言わずして、何を元気というのか。
従来なら、
のが当然だったではありませんか。
以前、メルマガで紹介したように、日立が巨額の赤字を出したとき、役員はこう言っていました。
ミニ大企業、日立の悲劇【日立製作所】
スマートフォンはまさにその「時代ごとに伸びる分野」ですよね。
だから、下手な手さえ打たなければ参入企業の売り上げが上がり、潤うことがあっても、ダメージを受けることはないのが従来の常識です。
従来の常識が通用しない時代なんです、今は」
とまた友人。
なんでもかんでも、考えなしに
だけの結論では何の意味もありません。
第一、従来の常識が通用しないといっても、「1+1は2でなくなった」訳ではないし、「お金を支払って、コンビニで商品を買う『常識』がなくなった」訳ではありません。
「変わった常識」と「変わっていない常識」があります。
コンサルタントは評論家ではなく実務家です。
「時代がどう変わったのか。
今までと何が変わって、何が変わらないのか。
そして、何故変わったのか」
が分からなければ、戦略の立てようがありません。
今回の記事では、それらをひも解きながらスマートフォンについて考えてみたいと思います。
スマートフォンとスマートフォンを巡る市場はまだまだ変化します。
だから、今回の記事は「スマートフォン・シリーズ第1弾」という感じでとらえてください。
数年後、いやもしかしたら数ヶ月後に第2弾、第3弾の記事を書くネタ(変化)が現れるかも知れません。
■スマートフォン元祖iPhone
いつものとおり、スマートフォンの現状を整理してみます。
冒頭に書いたように、日本でのスマートフォンの歴史はたった2年半しかありません。
正確にはiPhoneがスマートフォン元祖ですから、もうちょっと歴史は長いですが。
初代iPhoneのアメリカでの発売は2007年6月ですが、日本では2008年7月にiPhone 3Gとして初めて登場しました。
実は登場初期のiPhoneの評判は散々でした。
確かに、発売当日にソフトバンク表参道に 1,500 人超える行列が並び、iPhone 人気が沸騰したように報道されました。
しかし、行列が並んだのは最初だけ。
発売2週目には1/8にまで販売台数が下がったのですから当然です。
アップル信者の購入が一巡した後、行列はどこへやら。
発売から2ヶ月もたたずしてソフトバンクの店頭で、
の手書き看板が店頭に掲げられた店があちこちに見られたものです。
「冷やし中華はじめました」のようにむなしく見える。
もっとも、こういった「行列」にはなんらマーケティング情報としての価値はありません。長蛇の列ができたにも関わらず失速した商品はたくさんあるので、「行列=売れている」とは限らないからです。
ソニーPS3は発売日に長蛇の列ができたものの、そのあとは販売がすぐに伸び悩みました。
iPadも大行列でしたが、すぐに潤沢に買えるようになりました。
ビックカメラ有楽町店では朝5時から人が並び、10時開始の時点で108人の列ができた」
などと騒がれました。
ところが、裏話をすれば、iPadは新宿や渋谷では申込み客が少なく、すぐに購入できたとの記事が週刊アスキーで紹介されていました。
ましてや、マクドナルドのクォーターパウンダーのように、行列なんて幾らでも作れます。バイトに時給を払えばいいのですから。新聞やテレビで流してくれれば、1,000人分のバイト代なんて安いモノです。
当時のiPhone 3Gは文章のコピー&貼り付けすらできない有様でしたから、敬遠されるのも当然でしょう。
オペラ歌手の森公美子が「iPhoneは使いにくい」とブログで発言して、アップル信者たちから反感コメントが殺到、炎上し、謝罪に追い込まれたものです。
実は、携帯電話として使いにくかったのは信者たちが一番よく知っていたことでした。このことはiPhoneユーザーがガラケーとの2台持ちが多かったことから見ても分かります。
巷に出回っている調査のうち、おそらく最も正確であろうドコモの研究レポートで見ると、2010年2月の2台持ちユーザーは全体の7.3%。
それに対して、iPhoneユーザーの30.7%が2台持ち。
iPhoneだけでは携帯電話の役に立たなかったのは歴然としています。
私の周囲を見ても、当時、iPhoneを購入した友人の半分以上は2台持ちでしたし、iPhone購入したのでガラケーを解約してしまった(iPhoneだけにしてしまった)友人はかなり四苦八苦していたものです。
iPhoneがようやく日本で人気が出始めたのは2009年iPhone 3GSの登場からです。
ソフトバンクが「iPhone for everybodyキャンペーン」と銘打って実質ゼロ円にしてからでした。
その頃には、iPhone用アプリ数もかなり多くなり、iPhoneも安定してまともに使えるようになりました。コピー&貼り付けもできるようになりました。
その上、価格が下がることでハードルも下がる。
とはいえ、当時のiPhoneは日本での販売台数も累計約200万台。シェアにして2%足らず。97%がガラケーのままです。
この頃のメーカーシェアはシャープ23%、パナソニック17%、NECが13%。
海外メーカーといえば、せいぜいが、ソニーエリクソンが多少頑張っていた程度で、国産メーカーの独占状態でした(ソニエリはスウェーデンの会社です)。
シェア2%のiPhoneもその「その他大勢」の一つに過ぎませんでした。
一方、その頃のアンドロイドはまだまだどころか品質がお話にならない状態です。
アンドロイドはiPhone登場の1年後の2009年7月にドコモが初めて市場に投入したものの、まったく売れず。
それもそのハズ。フリーズは多発するわ、今以上に電池が持たないわ、文字のコピー&貼り付けもまともにできないわ。
極めつけは、ガラケーなら当たり前の「フタを閉じたら通話が自動的に切れる」機能がないため、ふと気がつくと通話しっぱなし状態。電話料金がとんでもない高額になっていたなんて笑えない話も出てくる始末。
とてもとても、商品として売れる状態ではありませんでした。
アンドロイドはマニア以外、手を出さなかったのが当時の状況です。
ちなみに、文字のコピー&貼り付けができなかったのは、アンドロイドOSの仕様であってハードの問題ではありません。
ようやく、商品としてカタチになったのがiPhoneでは2009年のiPhone3GS、アンドロイドでは2011年春モデルからだったのです。
このころから2台持ちのユーザーが少なくなり、1台でなんとか携帯電話の役目をこなすことが出来るようになります。
■普及率-実感と数値の差
さて、スマートフォンが日本でブレイクしたのは2011年春にドコモが一気にラインナップを拡大した年です。
ドコモは2011年度中に20機種のスマートフォンを投入すると宣言。
結果、春モデルとして4機種、夏モデル・秋モデルとして10機種、秋・冬モデルとして2012年3月までに25機種、合計39機種も投入したのでした。
まさに怒濤の新機種ラッシュ。
普及率はみるみる膨れあがり、
▼2010年末には9.7%
▼2011年末で29.3%
にまで上昇します。そして、そのまた半年後には
にまで到達してしまいました。
多くの人たちはスマートフォンの普及率の数字を言うとびっくりします。
彼らの感覚はその倍くらいだったからです。
なぜか。
彼らは電車や街でスマートフォンをいじっている人たちをたくさん見ています。
そして、ほとんどのケースで半分以上がスマートフォン持ちです。
友人が次々にスマートフォンに変え、学生では友人全員がスマートフォンなんてことも珍しくありません。
だから、普及率が3割に満たない時ですら、普通の人たちの感覚は「えっ、7割くらいじゃなかったの?」だったのです。
そこに落とし穴があります。
3つの事実を忘れているからです。
ひとつ目は、スマートフォンの1日当たりの使用時間の差です。
ガラケーが1日45分使用するのに対して、スマートフォンでは約90分。そもそもスマートフォンは使用時間が多い。
電車の中でガラケーユーザーはカバンにしまっているので端から見たらわからないけれど、スマートフォンユーザーは電車内で長い間いじっているので目立つというからくりです。
二つ目。
主婦はスマートフォンに移行するのが遅れます。
そもそもスマートフォンは自宅以外でネットにつないで見るのがメリットです。
外出時間や移動時間が長ければ長いほどスマートフォンのメリットがある。
逆にいえば、外出時間が短い、移動時間が生活圏範囲内に収まる主婦はスマートフォンを必要とする度合いが低い。
結果、主婦のような外出頻度が低い人たちを電車で見かけることが少ないのです。
三つ目。
視野の狭さです。
人間は同じ種類の人間に囲まれることが多くなります。
学生は学生と過ごすことが多い。
ビジネスマンはビジネスマンと過ごす。いや、下手をすると自社内でしか会話をしない。
そうなると、学生さんで自分の回り、会社員でも自分の会社社員がスマートフォンを持っていれば、「わ、たくさんいるんだ」と勘違いしてしまう。
逆に言えば、こういう「身近でみかける」連鎖で普及する商品は強いものがあります。
デジカメしかり、デジタルオーディオプレーヤーしかり。
操作がわからなくても相談相手にも事欠かない。
なにより「持っていないと時代遅れかも」と一般大衆までが参入してきます。
メーカーにとっては無料のセールスマンとして頼もしいグループです。
■急激な成長曲線がアダになる
さて、こうやってみるとスマートフォンは異常なスピードで普及したことがわかります。
大切なので何回も言いますが、たった2年半で10倍以上の40%にまで到達したのがスマートフォンです。
私はこんなに普及スピードが速い商品を見たことがありません。
巷では「スマートフォンの普及がすごい」とは言いますが「どれだけすごいのか」をきちんと説明したニュースもネット記事もありません。
そこで、実際の数字をご紹介します。
▼携帯電話で4年(3%程度から40%)。
▼VTRで8年(3%程度から40%)。
▼デジカメで8年(3%程度から40%)。
▼薄型テレビで6年(3%程度から40%)。
【注】正確に言えば、パソコンは長らく10%台が続いたので、3%程度から40%程度になるのに20年近くかかったことになります。
しかも、これらの数字にはちょっとしたマジックがあります。
VTRやデジカメは「家庭内普及率」です。つまり、1家庭に3人いて1台でも買えば「普及」と数えます。
しかし、スマートフォンは「個人普及率」です。3人の家庭で1人しか持っていない場合は、残りの2人は「普及」と数えません。
1家庭の平均人口は2.5人ですから、同じ40%の普及率でもスマートフォンはVTRやデジカメの2.5倍もの販売数があることになります。
スマートフォンの短期間の普及率がどれだけすごい数字か想像がつくと思います。
なぜスマートフォンだけこんなに普及が早かったのでしょうか。
原因はいくつかあります。
ひとつはドコモが一気に機種を揃えたからです。
先ほどもお話ししたように、2011年に20機種、30機種を揃えてから普及が一気に広まりました。ガラケーの新機種発売がなかったシーズンもあったほどです。
2番目の理由。
2年縛り契約形態です。
この時期を逃すとまた2年間機種変更ができない、違約金が余計にかかるとなると、スマートフォンに乗り換えようとする動きが早まります。
通常の電化製品の「いつ買ってもいいや」とは様子が異なるのです。
3番目の理由。
ドコモなどの通信事業者が月々サポート(2年縛りを受け入れると、スマートフォン代金の一部が割引になる)をはじめとした割引キャンペーンを集中的に行ったからです。
とはいえ、市場シェア半数を占める企業がこれだけ押せば、ユーザーは動く訳でもありません。
ニーズがなければ例えドコモといえど普及は遅れます。
そのニーズを掘り起こしたドコモの王者のマーケティングは立派と言えば立派です。
■国産メーカーを締め付けた原因
ここからが本題です。
急激な普及スピードは国産スマートフォンメーカーに開発をする時間的余裕を与えなかったのです。
これが後々、国産メーカーの首を絞める元凶となりました。
ドコモが意識したのかしなかったのかは分かりませんが、「結果的に」急速なスマートフォン普及策が、ドコモグループともいえる国産通信機器メーカーを窮地に追いやったのでした。
国産メーカーはガラケーしか作っておらず、スマートフォンを作るにははじめから研究しなくてはなりません。
その時間的余裕がないまま、なんとか製品を作ろうとする。
いくら優秀な日本の技術者が集まっていても限界があります。
勢い、未完成の製品しか作れません。
十分なテストや修正・改善の余裕もなく市場に投入される国産スマートフォン。
製品不良がわかったので発売日に全品回収した国産モデルがかつてありました。
最近では、スペックを最先端にしたのはいいけれど、設計が甘く、熱暴走で充電もできず、再起動を1日何回も繰り返す。スマート「フォン」なのに電話ができない国産モデルもありました。
防水や薄さを極限まで追求したものの、熱対策に慣れていないので、同じように熱暴走をしてしまう国産モデルも。
「阿鼻叫喚」という言葉が頭によぎるほど、とんでもない国産モデルが量産されていったのです。
仕事ではなく個人で見に行った新機種発表会で、その会社にとって最初のスマートフォンを出したメーカーの説明員が私に、こう説明したのが印象的でした。
ちなみに、このモデルはスペックは他機種と遜色ないのに、動きが緩慢でチューニングができていないのがアリアリと分かるものでした。
次からはちゃんとしたものを作りますよ」
「いや、ちゃんとしたものを作ってから市場に出してくださいな。
そんな未完成な商品を買う方はたまったもんじゃないですよ」
と思わずツッコミを入れそうになったものです。
その結果、販売現場でも海外製を強く推薦することになります。
国産スマートフォンに興味があるのに、しきりと「ギャラクシーが売れていますよ」「オススメはギャラクシーですね」とギャラクシーづくめのセールストークを浴びせられた方も多かったと思います。
「そんなに言うなら」と韓国製ギャラクシーを買う人もよく見かけました。
販売現場でこれだけ押されたら売れるのは当然です。
そして国産がその分売れなくなるのはマーケティングの基本中の基本です。
現場スタッフがこんなことを言っていたのが印象的でした。
ギャラクシーを推薦するのは私たちの防衛策みたいなもんです」
だから、友人たちには私はいつもこうアドバイスしています。
それだけではありません。
2011年参入当初の国産スマートフォンはスペックも明らかに低いものでした。
そういう意味で2011年の機種選びは楽でした。
国産機種の公表スペックが海外製のスマートフォンより下なので、スペックどおりの優先順位で機種選択をすれば失敗がなかったからです。
スペックを読める人や国産機種ファン以外は自動的に選択肢が決まりました。
韓国機種がAndroid OS 2.1を採用した時に、国産機種は一世代前のOS 1.6でした。
デュアルコアが先進的なスペックだった2011年夏モデルでは多くの国産機がシングルコア。電池容量も少なく、内部メモリも少ない。
そんな中、2011年に大ヒットしたのが韓国サムスンのギャラクシーS2です。
2011年夏モデルでずば抜けてスペックが高かったからです。
そういえば、あるコンサルタントが「韓流のヒットが韓国サムスンのスマートフォンヒットの理由」とお門違いなことを言っていた時期もありました。
韓流押しの人たちとギャラクシーS2のイノベーターではまったく異なる人たちなのに。
S2は当時としては圧倒的にハイスペックで、ようやくまともに使える機種でした。
(国産機種はシングルコア800MHz、S2はデュアルコア1.2GHz)
●S2の作業メモリ(RAM。パソコンならメモリに当たります)は国産機種の2倍の容量
(国産機種は512MB、S2は1GB)
●S2の内部メモリは(ROM。パソコンならHDDに当たります)は国産機種の16倍の容量
(国産機種は1GB、シャープは2GB。S2は16GB)
●バッテリー容量は国産機種の1.5倍の容量
(国産機種は800~1200mAh、S2は1600mAh)
【注】デュアルコアがシングルコアの2倍のスピードなのか、すべてのアプリが2コアを使うのかといった細かいことは抜きにしています。
これを見ただけでもS2がダントツのスペックであることがわかります。
しかも、当時はスマートフォン普及率がまだ10%程度。
買うのはイノベーターと呼ばれる「スペックをきちんと理解できて、そのメリット・デメリットもわかる人たち」です。
作業メモリが足りなくなると、パソコンと同様にシステムが不安定になり、再起動が頻繁に起きますし、動きも遅くなります。
営業マンが取引先と電話をしている最中にいきなり再起動なんて事態になったら、シャレになりません、
内部メモリ1GBだと収納アプリの数も制限されます。
だから、使ってみたいアプリも我慢する。容量が大きいアプリはどんな便利な機能があっても、泣く泣く削除する。
新しいアプリをダウンロードしたら、その都度、古いアプリからいらないものを探して削除しないといけない。
ちなみに、私はS2に148本のアプリを入れていますが、外部SDカードと併用して半分もメモリを使っていません。
バッテリー容量はスマートフォンにとって命綱です。
電池がなくなれば文鎮にしか使えないからです。
しかも、スマートフォンは液晶が大きいため電池食いの機械です。多くの機種で電池の半分は液晶が使っています。
加えて、大人気のLINEなどのような「電池食いで有名な」アプリをインストールしているだけで、アプリを使っていなくてもみるみるうちに電池が浪費されます。
マイナスポイントは韓国製というイメージと、防水や赤外線などの「日本仕様」がないことだけです。
しかし、イノベーターはスペックさえ良ければ、イメージは気にしません。
日本仕様を使わない人たちも多くいます。
そんな彼らがまとまってS2に殺到すれば大ヒットになるのは自明の理です。
健康を気にしない人が多くなくても、集中して1つの商品を買えばメガマックのような大ヒットは生まれるものなのです。
さて、ここでのポイントは決してギャラクシーS2が「素晴らしい機種」だったことではありません。
「ようやくまともに使えるスマートフォンが出現した」
のでした。
国産機種があまりにもスペック不足なだけです。
この時期は
のでした。
■消費者を見誤った国産メーカー
もうひとつ、この時期で大切なことがあります。
国産スマートフォンが苦戦したのは、サムスンやLGは世界中で売れているので、CPUなどの部品を調達するのが容易だったのに対して、国産メーカーは不利だったという説があります。
確かに、ウソではないでしょう。
でも、マーケティングの観点から見ると、それだけが原因ではないと私はみています。
今まで話してきたとおり、時間的余裕が与えられなかったのが一因。
そして、もうひとつの原因は国産メーカーが「スマートフォンの新しい消費者を見誤っていたのからではないか」と思っています。
どういうことか。
ガラケー時代にはCPUやメモリなどのスペックを気にするユーザーはほとんどいませんでした。CPUの多くが日立製だったことを知る人は多くありません。多くのガラケーが日の丸OSであるトロンを採用していたことを知っている人もほとんどいません。
第一、メモリだって「住所録何人分」くらいは知っていても、何MBなのかを知る手だても多くありませんでした。
ガラケーはスペックで売り上げが左右されなかった時代が長く続きました。
それゆえに、国産メーカーはスマートフォンも大したスペックでなくても大丈夫だと誤解していた節があります。
という国産メーカーのおごりを感じたのは私だけではないはずです。
もともと国産スマートフォンメーカーは消費者のニーズをきちんとくみ上げるのが苦手なメーカーばかりです。ガラケーと同じような気分でスマートフォンを作ったとしても不思議ではありません。
ここまでをまとめると、
●国産メーカーが消費者ニーズを見誤った
これが、国産スマートフォンメーカーの問題だったと私は思っています。
【注】それ以外に指摘されていることは国産メーカーの研究開発費や設備投資費が海外メーカーより少なかったからだという点もありますが、マーケティング視点ではないので省きます。
■2012年夏は熱かった…スマホが
スペックが高いS2のヒットに気がついたのでしょう。国産メーカーも2012年モデルからは表面上のスペックは良い勝負になってきました。海外製の機種に大きな進化がなく、改良程度だったのに対して、国産機が大幅にスペックを上げてきたので差が縮まりました。
それまで韓国勢に押され気味の国産機種に一気に注目が注がれました。
ハイスペックの代表だったサムスンのギャラクシーS3は、海外でクアッドコアCPUだったので注目を浴びたものの、日本国内では通信の関係でデュアルコアCPUにスペックダウン。国産機種でクアッドコアを採用したモデルが登場したのですから形勢逆転です。
かたやLGは実にバランスが良い作りをしていて、サムスンほど機械に無理をさせない良機種を作ります。不具合らしい不具合もほとんど皆無で、完成度も高い。私が使っているOptimus Vuはお世辞にもヒットしたとはいえませんが、きちんとした仕事をしてくれます。往年のシャープのような堅実な作りで個人的には好感が持てます。
ただ、LGは地味な存在なので、イノベーターですら買い物リストに乗せてくれません。
ところが、1週間もしないうちに、最新国産機種に不具合個体が多発することが発覚。
クアッドコアや防水がアダになって、熱がこもる個体が続出しました。
普通のスマートフォンでは摂氏40度になることが少ないのに対して、65度にも上昇するケースが頻繁に発生します。
発熱がひどくなると、充電もできなくなるし、カメラも起動しません。最も困るのは通話ができないことです。通話中だろうがお構いなしに勝手に再起動される。
それが1日に何回も続くのですから、ユーザーは怒り心頭。
スリープ死と呼ばれる現象が発生する機種も出ています。電源キーを押してもスリープから復帰せず、再起動しないと使えない現象です。
それに輪をかけたのが、ドコモショップでの対応です。良心的な対応をしてくれるショップもあるにはありましたが、多くの店では
「スマートフォンなんて、そんなもんですよ」
「お客様のアプリが悪さをしているのでしょう」
とまったく相手にされない。
比較的マシな対応であっても
「修理扱いでお預かりします」(戻ってきても症状は直っていない)
と個体交換には応じてくれない。
泣く泣く
を我慢して持つしか手がありません。
私の友人もドコモショップが相手にしてくれず、8ヶ月も勝手に再起動が続くスマートフォンを使い続けなければならなかったほどです。
ドコモショップの気持ちは良く分かります。
難癖をつけて新しい機種に乗り換えようとする不心得者や、取扱説明書も読まずに(相談ではなく)文句をつけてくる連中が来店することも多々あります。少数であっても、そんな彼らに対応せざるを得ない現場はストレスがたまりまくりなのは容易に想像がつきます。
また、現在のスマートフォンは普通の商品だと思っていると判断を見誤ります。
普通の商品では不具合は次の2種類です。
●根本的に問題がある場合
●問題がない個体も多いけれど、問題がある個体も多い場合
前者はソフト面を含めた設計ミスや部品に問題があるケースです。自社開発が少ない汎用部品で作られるスマートフォンではそう頻繁に見かけるものではありません。
問題は後者です。
前述した熱問題もスリープ死も同機種なのに、普通に使えている人も多くいます。
いわゆる「当たりはずれがある」のです。
スマートフォンでは、その「問題個体が多い機種か」「少ない機種か」の違いだけです。
安定していると言われるS2だって、個体によっては強制再起動が頻繁に起きる個体もあります。でも、その比率が他機種より低いから「安心(できる確率が高い)」と言われる。熱暴走やスリープ死は問題個体の比率が他機種より高いから「問題児」と言われるといった具合です。
しかし、だからといって、まともな客からの不具合を不具合と認めない姿勢は褒められたものではありません。
通常の商品は「初期不良」の存在を認めています。購入後、短期間に問題が発生すれば取り替えてくれます。
しかし、スマートフォンは店頭で問題を再現して証明し、店員を納得させないと不具合を認めてくれません。
ある特定の条件でないと発生しない不具合は多いものです。
例えば、私のS2は冬に外気が下がると液晶に無数の線が入り、ブラックアウトします。しかし、DSに持って行き、暖房の中で1時間も待たされ、相談する頃には不具合が出ないので、あきらめています。
国産メーカーの不具合問題はライバル企業の工作だという説もあります。
つい先日、台湾でサムスンがライバル機を陥れるために、バイトを雇ってネットに書き込みをさせた事件が報道されました。
当のサムスンはそのことを認めています。
ソニーも昔からゲーム機やデジタルオーディオ・プレーヤーでヤラセの書き込みをしていた前科があります。
スマートフォンが高温であることを示す証拠写真をねつ造するのは簡単です。
ベンチマークテストやヘビーなゲームを実行すると大抵のスマートフォンは高温になります。それらのアプリを走らせて、直後に温度を測れば証拠写真のできあがり。
あとは「こんなに温度が上がった。使い物にならないよ。こんなことなら○○(推奨する機種名)にしておけばよかった」と書けば、ライバル機種の足を引っ張る文章やレビューが完成します。
しかし、きちんとしたブログでも国産機の発熱問題に遭遇した人が多数存在し、スペック的にもあり得る話であることから見ても、熱暴走の個体が多かったのは事実なのでしょう。
これらの混乱を見て
と、したり顔で発言する人もいますが、大きな間違いです。
30年来のアップルユーザーの私の信条は
からです。
iPhoneでもアンテナの位置が悪くて通信がまともできなかったり、新品なのに液晶に線が入ったりと不具合は数知れません。
また、アップル信者がiPhone5をみて
などと、ジョブズを神格化するのもどうかと思います。
過去のマッキントッシュでもiPodでも、デザインはコロコロ変わっています。
パソコンの常識を変えたと言われるボンダイブルーの初代iMacしかり、ノートパソコンのクラムシェル(ハマグリ型)マックだってデザインを変えた例です。iPod miniやnanoは毎回デザインが変わっています。
唯一、発売時から変わっていないのはiPhoneとiPod Classicだけと言っても過言ではありません。
また、iPodからの成功を目の当たりにして、アップルを連戦連勝の凄腕会社とするのも違和感があります。
アップルはニュートン、MacTV、Pippinなど失敗作も数知れず。
Mac G4 Cube(写真)などは「アップルの歴史上、なかったことに」されたことでわかるように、良いところしか見てないせいでしょう。
■キャッチフレーズクイズ
マーケティングの話に戻しましょう。
それでは、これからどうしたら良いのか。
2013年の春モデルではようやくまともな国産機種が増えてきました。
ELUGA X P-02E(パナソニック)、AQUOS PHONE ZETA SH-02E、同EX SH-04E(シャープ)がその筆頭です。
これらの国産機種は不具合らしい不具合が少なく「ようやく海外勢に肩を並べる品質のものが出るようになった」と各種クチコミサイトで言われるようになりました。
AQUOS PHONE ZETA SH-02E(シャープ)は電池の持ちがほぼ2倍になるIGZO液晶で大ヒットを飛ばし、長らくドコモの売り上げナンバーワンでした。
私の妻も先日買いましたが、びっくりするくらい電池の持ちがよいのです。
ここに来て、ようやくマーケティングの話ができるようになりました。
なにせ、いくらマーケティング戦略が効果的でも、「電話もできないスマートフォン」では戦略の立てようがないからです。
そんな時に、パナソニックやNECが撤退する可能性があるとは皮肉なものです。
ようやく、勝負のスタートラインに立てる製品が出た頃には企業体力がなくなっていたのですから。
最後の章として、「これからどうなるか」をちょっとだけお話しします。
さて、私が商品コンセプトを見るときによくやるのが、目隠しテストです。
商品名と商品コンセプトをバラバラにして、小学校のテストのように線を引っ張ってもらうやり方です。
例えば、こんな感じです。
1.ロッテ
2.カルカン
3.パナソニック
4.スニッカーズ
5.シャープ
(6.7.8.と続く)
1.お腹がすいたら
2.目のつけどころが
3.お口の恋人
4.選んで●、猫まっしぐら
(5.6.と続く)
それと同じ事を自社商品と対応するキャッチコピーを並べて、開発担当者に答えてもらうのです。
当然、自社商品ですから正答率100%…にはならないのです。
社員ですら区別できないのですから、生活者がわかるハズがない。
そういう視点でスマートフォンを見ていると面白いものがあります。
以下はドコモの新製品の型名とキャッチコピーです。
みなさんは、それぞれを線で引くことができますか?
●圧巻の1.7GHzクアッドコアと感動の使いやすさを備えた大画面ハイスペック
●手のひらにフルHDの臨場感。快速クアッドコアのハイスペック
●スマートフォンの可能性を広げる新スタイル。未体験の驚きと感動を!
●次世代タッチパネルディスプレイ×大容量バッテリー搭載スマートフォン
●水滴クリアタッチパネル搭載 国内最速「Xi」(クロッシィ)112.5Mbps対応スマートフォン
●Android4.1とクアッドコアCPU搭載。○○のプレミアムモデル誕生!
●世界初!省エネパワーと高画質を実現した新世代ディスプレイ○○搭載スマートフォン
●上質なデザインに心躍るパフォーマンス プレミアム
●美しさと使いやすさの両立を極めたプレミアムスマートフォン
●ハイスペックをこのSweetデザインに。美スマートフォン
●大画面を楽しもう。らくらくタッチ操作でスマートフォンデビュー
【NEXTシリーズ】
Xperia Z SO-02E(ソニー)
ARROWS X F-02E(富士通)
ELUGA X P-02E(パナソニック)
MEDIAS W N-05E(NEC)
Optimus G Pro L-04E(韓国LG)
Ascend D2 HW-03E(中国Huawai)
GALAXY S III α SC-03E(韓国サムスン)
AQUOS PHONE ZETA SH-02E(シャープ)
【WITHシリーズ】
AQUOS PHONE EX SH-04E(シャープ)
MEDIAS X N-04E(NEC)
ARROWS Kiss(富士通)
らくらくスマートフォン(富士通)
いくらイノベーターでもスマートフォンオタクでも、これらのキャッチコピーと機種名をつなげるのは容易ではありません。
せいぜいが、AQUOS PHONE ZETA SH-02E(シャープ)とらくらくスマートフォン(富士通)が分かるくらい。
【回答】キャッチコピーと機種名の並びは同じにしてあります。
■成長期にすべきことを考えれば次の一手が分かる
普通なら「ね?だから、コンセプトをきちんと考えましょう」という提案になるのですが、実は、これでいいのです。
ドコモが意識しているかどうかは別にして、どの機種がどのキャッチコピーなのかが分からなくてもいい。
成長期特有の成功戦略だからです。
成長期では下手に差別化をしてはいけません。
「早い」「安い」「うまい」が主流ニーズだとするなら、それをすべての参入メーカーが追いかけないと、いくら「元気でおいしい分野」でも脱落してしまいます。
日本で初めて家庭用デジカメを発売したカシオが、成長期に主流ニーズだった画素数競争に乗らなかったために、70%のシェアが2%にまで落ち込んだのはあまりにも有名な話です。
ちなみに、AQUOS PHONE ZETA SH-02E(シャープ)は省エネ液晶パネル搭載で一見差別化に見えますが、電池の持ちの良さは主流ニーズです。差別化ではありません。
それではこのままで良いのかというとまた違います。
成長期後期から成熟期、つまり70%の普及率に至る過程ではニーズのカタチが変化するからです。
専門用語で言えば規格からベネフィットへの変化です。
スペックでは国産も海外勢に並んだ。実質的な不具合も海外勢と同じくらい問題がなくなった。
そうなると、規格(スペック)で商品を選ぶイノベーターの役割は終わり、主役がアーリーアダプタに移ります。
アーリーアダプタは規格があまり読める人たちではありません。
かといって、イメージに踊らされるほど情弱でもない。
彼ら、彼女たちは「その商品で何が得するのか」つまりベネフィットで商品を選択する人たちです。
24時間空いているコンビニではなく「買いたいときに買いたいものを買いに行ける」で選ぶ。
車体の剛性が高いことやエアバッグ装備で選ぶのではなく「大切な家族を守る」からその車種を選ぶ。
スマートフォンで言えばクアッドコアCPUではなく「サクサク動いて、ストレスがない」から選ぶ。電池容量3000mAhではなく「2日間充電しなくてもいい」で選ぶ。
普及率40%の今日では、すでにそういう人たちが主役になっています。
加えて「●●に使いやすい」「友人といつでもどこでも気軽に連絡できる」「好きな芸能人の近況が本人の言葉で知ることができる」もベネフィットです。
例えば、スマートフォンの最大の利用方法は地図情報です。
レストランに行く、旅行する、ビジネスで相手先企業に行く。その時に地図を見ながら目的地に行くのがスマートフォンだと簡単にできる。
コミュニケーションもスマートフォンの大きな利用法です。
twitter、LINEはスマートフォンが普及しなければここまで広がりませんでした。
それならば、
●地図を使うのに最適なスマートフォン
●twitterやLINEを使うのに配慮した設計のスマートフォン
があってもいい。
そういうコンセプトのスマートフォンこそが次のヒット商品になる可能性を秘めているのです(ちなみに、Fcebook専用にしろと言っているのではありません)。
「スマートフォンはアプリ次第なのだから、今の機種でも十分じゃないか」と言ってはいけません。
かつて、パソコンが12%の普及率しかなかったとき、イノベーターは「パソコンでワープロだってできるのだから、ワープロ専用機なんかいらない」と言っていました。
しかし、ワープロに特化したからこそ使いやすかったキーボード(変換キーは当時のパソコンのキーボードにはなく、外国製のような長いスペースキーしかありませんでした)。印刷もその場でできるようにプリンタ一体型。文書管理が簡単にできるフロッピードライブ標準装備。
当時、ワープロ専用機がパソコンよりも好まれていたことを忘れてはいけません。
■スマートフォン記事、第2章、第3章
スマートフォンを取り巻く環境は日々変化しています。
最近では、7インチモデルが一気に伸びてきています。ちょうど文庫本の大きさなので、通話はガラケー、電子書籍やネットは7インチモデルと組み合わせる人が増えてきています。
世界シェア第一位のサムスンが6インチのスマートフォンを準備しています。7インチでは通話ができないモデルが多いのに対して、6インチで通話もネット閲覧もすべてまかなおうとする。
CPUもシングルコア、デュアルコア(2つのCPU)、クアッドコア(4CPU)に続き、オクタコア(8CPU)機種が発売予定です。
高速通信の分野では現在のLTE通信を2本、3本束ねてもっと早くする、デュアルバンド、トリプルバンドと呼ばれる方式が予定されています。
OSもアンドロイド離れの包囲網が整いつつあります。
ブラウザで有名なFireFoxをベースとしたスマートフォン用OSが発表されました。
アンドロイドはその圧倒的なシェアを強化するために、今まで通信事業者や自由にさせていた独自組み込みアプリを禁止する次期バージョンをリリースすることを発表しています(表向きはセキュリティの強化ですが)。
通信事業者はそんなことをされてはたまりません。
SPモードメールも、Dメニューも標準で(強制的にともいいます)搭載できない。NOTTVも組み込めないのでは商売にならないとばかり、ドコモが韓国サムスンと共同開発したTizen OSを搭載したスマートフォンを今年中に発売する予定です。
Tizen OSなら、自由に思い切り、ユーザーが削除できない独自アプリを組み込めます。売れるかどうかはわかりませんが…
そして、今までスマートフォンが奪ってきた家庭用ゲーム市場、デジカメ市場、音楽プレーヤー市場など、様々な分野との競争も、スマートフォンが優勢ではあるものの、まだ決着はついていません。
ざっと上げただけでも、スマートフォンはこれだけの市場に侵食しているのです。
●時計 | ●辞書 | ●電話 |
●書籍、雑誌、新聞 | ●電卓 | ●翻訳 |
●ゲーム機 | ●音楽プレーヤー、テレコ | ●アルバム |
●カーナビ | ●地図 | ●テレビ |
●時刻表 | ●映画 | ●メール |
●懐中電灯 | ●カメラ(スチール、ビデオ) | ●定規 |
●手帳、住所録、予定表 | ●騒音計 | ●書類 |
●方向磁石 | ●クーポン | ●知育玩具 |
●手鏡 | ||
●通貨、サイフ(クレカ、定期、小銭) | ||
●筆記具(ペン・マジック、クレヨン、絵の具、筆)、消しゴム |
まだまだ、第2弾、第3弾のスマートフォン関連の記事が書けそうです。