■マクドナルドの未来、たった2つのアキレス腱-強者の戦略【マクドナルド】

artc20130601メルマガでは「笑顔」の記事では上げたものの、ちょっとしか登場しなかったマクドナルドが今回の主役です。
■スマイル0円。笑顔はいくらの価値か【マクドナルド】
意外や意外、今回のマクドナルドは私のメルマガにとって初めてのメインテーマです。
今回はいつもよりマーケティング寄りの話です。
ケーススタディ的な感覚で読んでください。

結論「マクドナルドはヒット商品を作れば再生する」以上

デフレの優等生と言われ続け、ユニクロと話題を二分したマクドナルド。
最近は元気がありません。
なにせ既存店売上げが連続13ヶ月も対前年比を割り込んだのですから、シャレになりません。原田社長の役員報酬もほぼ半減したと言われています。

原田社長は様々なメディアでインタビューに答え、不振の原因を自己分析していました。
曰く「家で食事をとる『中食・内食』に顧客を奪われたという外部要因もある。東日本大震災以降、家に早く帰る消費者が増えた」

曰く「2012年は夏に売り出した(高価格商品の)『世界のマック』シリーズが想定ほど売れなかったことや、秋から主力商品の『ビッグマック』や『チキンマックナゲット』の値引きセールをやめたことが影響している」

一番目の「『中食・内食』に顧客を奪われた」は説得力がありません。モスバーガーなどの他のチェーン店は既存店売り上げはむしろプラスです。
第一、いままで、居酒屋やファミレスが青息吐息だったデフレ期にひとり気を吐いていたマクドナルドではありませんか。いまさら「外食不況」は原因だとは思えません。
もし、原田社長が真剣にそう信じているのなら、それこそ「お先、マクドナルドら」です。

二番目。「新製品が予想より売れなかった」は…あれ?
いやだなあ、もう、ちゃんと原因が分かってるじゃないですか。
マクドナルドは100円バーガーやクーポンを配りまくっているので、高価格帯の商品が売れなかったら、単に他の外食のように「値下げ損」です。そりゃ、うまく行くはずがない。

ということで結論。

「マクドナルドはヒット商品を作れば再生する」

以上。解散。

…て、久しぶりにギャグをカマしてみました(笑)

でも、この結論は真面目な話です。
13ヶ月連続売上げダウン期間での新製品は2012年7月の

●「世界の★★★マック」キャンペーン

でした。
「ル・グラン」(フランス)、「ゴールドマサラ」(インド)、「オージーデリ」(オーストラリア)の3商品を発売したのですが、泣かず飛ばず。
それでは、その前のヒット商品といえば

●メガマック(2007年)
●クォーター・パウンダー(2008年)
●シャカシャカチキン(2008年)
●チキンタツタ(2009年復活)
●テキサスバーガー-Big America(2010年)
●テキサス2バーガー-Big America2(2011年)

ほら、大ヒットして話題になった商品ばかりではないですか。

マクドナルドの新製品といえば、毎年期間限定の手堅い人気商品「グラコロ」や「月見バーガー」「チキンタツタ」があります。
それらの売上げに「プラス」してヒット商品があり、マクドナルド全体の売上げを押し上げていたのがいままでの成功の構造です。
そんな大ヒットが2012年はなかったのですから、売上げが下がるのは当然です。

普段のメルマガなら
「なぜヒット商品が出せないのか」
を続いて解説するのですが、今回はやりません。
正直マクドナルドは立派だと常々思っているからです。
だって、年1回といえども毎年ヒット商品を連発するのは大変なことなのは、商品開発の現場にいる私がよく知っています。

連発でヒット商品を出した原田社長の手腕はもっと評価されていいと私は思っています。

もっとも、外部から見ると緻密なマーケティング戦略で商品開発をしているようには見えません。試食調査などをしているのは知っていますが、どうにも動きに「マーケティング」の匂いがしないのです。

あ、いえいえ、いまのは忘れてください。ヒット商品が作れれば、マーケティングなんて必要ありません。
第一、私個人の根拠もない「匂い」なんて気にすることもありません。

さてさて、不振の原因がわかったからには、その後のことを考えてみるのも一興です。
第一、つい先日の6月10日の発表によると、既存店売上高が0.5%増加し14ヶ月ぶりに回復したとの報道がありました。ヒット商品が原因ではありませんが、値上げで一息ついた格好です。

そこで、今回の記事の視点をこんな風にしました。

「マクドナルドは今後も盤石なのか」

です。

今回はいつもよりちょっと堅い文章です。マーケティングの視点を強めに出しました。
理由は「絶好の機会」だからです。

マクドナルドは「強者の戦略」が宿命

何が「絶好の機会」なのか。
のっけから今回の記事で一番大切なことをお話しします。
「強者の戦略」と呼ばれるトップ企業だけが許されるマーケティング戦略のお話です。

マクドナルドはハンバーガー市場で堂々の74.6%の市場シェアを占める独占企業です。
独禁法に引っかからないのが不思議なくらいに大きな市場シェア。他産業ではそうそうお目にかかるものではありません。
たばこや一時期の写真フィルムくらいしか例がないレアなケースです。

トップ企業の戦略はマーケティングの教科書にあまり載っていませんし、トップ企業のノウハウを持ったコンサルタントは多くありません。

なぜなら、1業種に20社あるとしたら、そのうちトップ企業は1社しかないので、ケーススタディが豊富ではないからです。
また、コンサルタントの仕事が20プロジェクトあるとしたら、確率的には1個しかトップ企業の仕事がないわけです。19プロジェクトは2位以下の戦略をベースとしたコンサルテーションです。

一方、私といえばコンサルタントになる前のメーカー時代は2社とも業界トップの企業でした。そのあたりは手慣れています。

マクドナルドというせっかく最良の素材があるのですから、「トップ企業の戦略とはなにか」の視点でマクドナルドの記事を書きたい。
それが「ちょうど良い機会」なのです。

まずは結論から言います。
トップ企業戦略と下位企業戦略、つまり「強者の戦略」と「弱者の戦略」との違いは下の表のとおりです。

戦略内容 強者の戦略 弱者の戦略
●基本戦略 ミート戦略 差別化戦略
●差別優位性 差別化より優位性 優位性より差別化
●ターゲット イノベーターから
アーリーアダプタ
イノベーター
●市場内攻略 全セグメントで1位 一定セグメントで1位
●拡大 他市場へ殴り込み 市場内シェア拡大
●地域 広域戦 局地戦

普通のマーケティング戦略で大切だと言われている「差別化」や「イノベーター理論」は、強者の戦略では必要ありません。いや、正確には必要ですが、「弱者の戦略(つまり、通常のマーケティング戦略)」ほど重視しなくても良いのです。

中でも、紙面の都合で今回取り上げるのは次の2つです。

●あらゆるセグメントで1位であること。
●成長するには他の市場に殴り込みをかけること。

強者の戦略その1-完膚なきまでに他社をたたきのめす

マクドナルドはハンバーガー市場内での全セグメントで1位をとらないといけません。
「強者の戦略」とは基本的には「守りの戦略」です。従って、どうやって自社の市場シェアを守っていくのかが大切になる。
その最も重要な点が「あらゆるセグメントで1位」なのです。

なぜか。
どれかひとつのセグメントでも2位以下だと、小さなアリの穴でも堤防が決壊してしまうように総崩れになる可能性があるからです。逆な言い方をすれば、どれかひとつのセグメントでも1位の下位企業がいると、1位をテコにしてのし上がってくる可能性があるからです。
完膚なきまでに他社をたたきのめす。これが「強者の戦略」です。

例えば、キリンはドライのセグメントでアサヒに負け2位に転落しました。一方のアサヒは発泡酒のセグメントで対応が遅れ、キリンにトップの座を明け渡しました。
サントリーはチューハイやワインで対応が遅れて酒類そのものの衰退とともに1位から脱落。牛丼の吉野家は牛丼自体は守りましたが、牛丼のバリエーションですき家に負け、価格競争で他社に負け、トップの座からころげ落ちました。

トップ企業はかくも厳しいものです。
全方面で守りを固めないといけないとなると、とんでもないエネルギーが必要になります。一点突破で全勢力を集中すればこと足りる下位企業の方がよほど気が楽というものです。

ハンバーガー市場に戻ります。
市場セグメントの分け方には様々な方法がありますが、紙面が限られるメルマガで扱うには「商品形態によるセグメント分け」がもっとも手っ取り早い。

【ハンバーガー市場でのセグメント】
★低価格ハンバーガー(100円程度のハンバーガー)
★中価格ハンバーガー(400円以下のハンバーガー)
★高価格ハンバーガー(400円以上のハンバーガー)
★チキンバーガー(チキンをバンズではさんだもの)

★フライドポテト(オニオンリングやべークトポテトは除く)
★ドリンク(コーヒーやコーラなど。シェイク分野もここに入る)
★朝食メニュー

★はマクドナルドが1位と想定されるセグメントです…てか、全部です(笑)

さすが70%以上の市場占有率を誇るマクドナルドです。
公表はできませんが、マクドナルドはイノベーターもきちんと持っています。あれだけ大きく、市場シェア70%以上も占めるブランドでイノベーターを持ち続けることは難しいものです。

ちなみに、チキンバーガーセグメントはケンタッキー・フライドチキンの必死の抵抗があるので、ケンタッキー・フライドチキンが1位のイメージがあります。
しかし、いかんせんマクドナルドの販売量が大きく、同時にケンタッキー・フライドチキン自身がチキンバーガーに力を入れていない。彼らにとっては攻めというよりも「チキンを守る」防御としての商品です。
従って、市場占有率としてはマクドナルドが1位です。

高価格帯ハンバーガーはフレッシュネスバーガー、佐世保バーガー、千円を超える個人の手作りハンバーガーのイメージが強い読者がいるでしょうが、市場シェアからいえば微々たるモノです。到底マクドナルドに勝てるほどの売上げはありません。

問題なし。はい、次に進みます。

私の友人が口を挟みます。

「あれ?ちょっと待って、森さん。
マックフルーリーは?
ライスバーガーやエビバーガーはどこに入れたらいいの?」

それらの商品は独立セグメントとしてカウントするには市場シェアが少なすぎます。
セグメントは細かく切り刻みすぎてはいけません。
セグメントのサイズは市場シェアが6.8%以上であることが条件です。数字の誤差もありますから、現場では5%が最低ラインだと思っておけば間違いありません。

ライスバーガーが独立したセグメントとして認められるには、ライスバーガーの売り上げが全ハンバーガー市場で6.8%以上ないといけないのです。
モスバーガーの市場シェア自体が13%しかありませんから、モスのライスバーガーが独立したセグメントになるにはモスバーガーの半分の売上げでないといけません。どう考えても、モスのライスバーガーやロッテリアのエビバーガーがそんなに売れているとは考えにくいですから、セグメントとして扱うことはできません。

あえていえば、それらのバーガー類をすべてまとめて
●その他のバーガー
といったセグメントに分けるならなんとかなるかも知れません。

同様の理屈でオニオンリングやべークトポテトも同様です。
●その他のサイドオーダー
でくくる程度。

だって、売れないからしょうがない

しかし、これらのまだセグメントと呼べない小さな分野が大きく育つような事態になれば、話は違ってきます。

▼その他バーガー候補(エビ、ライス、ポークバーガーなど)
▼その他サイドメニュー候補(ナゲット、オニオンリング、べークトポテトなど)
▼デザート候補(アップルパイ、アイスクリームなど)
▼スープ・サラダ候補
▼健康ヘルシー志向・低カロリー候補(フレッシュネスバーガーなど)

ことごとくマクドナルドが力を入れていないものばかりです。
ファッションモデルのえびちゃんがキャラクターをつとめたエビバーガーや100円マックのマックポークは、以前発売したもののすぐにしぼみました。
今年6月にマクドナルドはポークタツタを発売しましたが、大キャンペーンを張るわけでもない期間限定です。
チキンナゲットも単独では分野と言えないので「その他サイドメニュー」に入ってしまう。シャカシャカチキンも同じです。

artc20130603デザートはアップルパイだけは数十年続けていますが、「新製品を出しては引っ込め」状態。三角マロンパイやブルーベリークリームチーズパイのように、中途半端な取り組みしかしていません。
個人的にはシナモンメルツの「いかにもアメリカ」の甘ったるさが大好きだったので、残念ですが…

スープ・サラダ、健康ヘルシー志向・低カロリーに至ってはこれだけ世間で大きな市場になっているのに、ことマクドナルドではサイドサラダを細々とメニューにそろえている程度。
過去のサラダメニューではマックシェイカーサラダやサラダディッシュ クリスプチキン/グリルチキンがすぐに発売終了。スープは過去にクラムチャウダーやミネストローネを発売したことはありますが、記憶に残っている読者は少ないでしょう。

友人がコメントします。

「だって、売れないからしょうがないじゃないですか。
フレッシュネスバーガーなんて市場に登場したときは期待していたのに、全然だし。
スープもサラダもモスバーガーやファーストキッチンが提供しているけれど、一定のお客さんしか買わない。
売れるものでなければマクドナルドも手を出しませんよ。

というか、客はハンバーガー屋さんに健康ヘルシーイメージなんて求めてないんじゃないですか?」

最後の一言が余計なのがとても残念ですが、それ以外は彼の言うとおりです。
従業員、店舗面積、材料調達は有限です。従って、売れないものはどんどん淘汰させて、売れ筋に絞るのは商売の原点です。

第一、私たちは健康ヘルシーを求めるならハンバーガーショップに行かなければ良いわけです。現在の外食産業では他に選択肢は豊富にあります。

しかし、しかしです。
ここに大きな穴が潜んでいます。
例えば、健康ヘルシー志向・低カロリーは一般の食分野の大きな関心事です。ニーズ自体はあります。
コンビニの店頭を見て下さい。
サラダの売り場があれだけ大きく取られています。売れているからです。
スープストックやすうぷ屋などのスープ専門店も人気です。
種子はあるのです。

しかし、ハンバーガー市場がそのニーズにきちんと応えていないだけ。
先の友人のコメント「ハンバーガー屋さんに健康ヘルシーなんて求めていない…なぜなら健康ヘルシーで売れていないからだ」は、「現状追認型」と呼び、とてもとても危険な発想です。

私のメルマガでも何回かこういう指摘をしてきました。例えば、牛丼の盛りを測定した回では、友人のコメント「牛丼屋に約束を守ることなんて期待していない」はマーケティングでは危険な発想であることを書いています。

【参考記事】■たかが10グラム、されど10グラム【牛丼・カレーショップ】

別の例を出します。
長らく、チョコレートやケーキ、お菓子の市場では
「甘くないもの、カロリーが低いものは売れない」
と言われてきました。
「生活者がケーキを食べるときには、『その一瞬だけはせめて健康ヘルシーやダイエットなんか考えたくない。おいしいものを一心不乱に食べたいのだ』」と、売れない理由を探してきた歴史があります。

一面では真実をついていますし、対象となる女性に話を聞いても、そのとおりの答えが返ってきた過去があります。
しかし、カロリーゼロやヘルシースイーツが人気の今、それらは所詮
「売れない理由をそれらしく考えて、それっぽく表現してるだけ」で
「後から考えた言い訳」
でした。

別な言い方をすれば

「現状を肯定することで、それを打破する発想を放棄して手間を省く
(要は、考えるのが面倒だから現状を受け入れる)」

です。

もうひとつの例。
流通業の「売れ筋を残して、死に筋を消していく」は商売の原点ですし、ヨーカ堂、セブンイレブンはこれを徹底したために、売上げを伸ばしてきました。
しかし、売れ筋は「成果」です。表に出たものだけです。
隠れた売れ筋を探すことはできません。
「現状追認型」のマーケティングでは市場は大きくならないのです。

いや、まさに、マクドナルド自身がやったではないですか。「健康ヘルシー意識が当たり前だと思われていた時代に」メガマックで「大食い市場」を掘り起こした。

私たちの既成概念を破るチャンス

その「将来の芽」はマインドシェアと呼ばれるマーケティングの考え方で発見できます。
簡単に言えばこういうことです。

「人は考えが先に来て、行動は後からついて行く」
「人は要望はあっても、要望に応える解決策(商品)を目の前に出されないと、自分の要望に気がつかない(ことが多い)」

要するに

「表に出た人間の行動はあくまでも『結果』なので、そのことだけを信じていては競争に勝てない」

のです。

私たちの言い方だとこうなります。

「どうせ、ハンバーガー屋さん、特にマクドナルドに健康ヘルシー的な商品を期待したってムリムリ。
そういうのが食べたいならモスに行くか、大戸屋のようなきちんとした定食屋さんにするから、別に困らないよ」

でも、その既成概念というか思い込みを破ることができれば、その時こそがチャンスです。

話がそれました。元に戻します。
ハンバーガー市場で「ビーフ以外のハンバーガー」「スープ・サラダ」「健康ヘルシー」などの潜在セグメント候補はいつ顕在化するのかがわからない。
そのときに、マクドナルドがすぐに対応できないと、アリが堤防に穴を開けてしまう。

もっと言います。
原田社長がまさに発言した

「『グレート!』とか『ワオ!』というインパクト」

は、マクドナルドに必要なものだということに、私はまったく賛同します。
しかし、その驚きは潜在ニーズを表に引っ張り出した商品だけが提供できるのです。

ソースをちょっとだけ変えた味のハンバーガーはおいしいかも知れませんが、「いつもの安心感」の水戸黄門であって驚きではありません。

「朝マックを注文したらガムやシャンプーがもらえる」のは別な意味で「ワオ!びっくり!」だし、「朝マックが午後でも注文できる」のもまた別な意味の驚きです。
平たく言えば「何やってんだろ。驚くわ(T_T)」であって「グレート!」より「あーあ」が後に来る「インパクト」です。「あきれる」とも言います。

なぜ、マクドナルドは例えば健康ヘルシーイメージのメニューを真剣に売らないのか。
マクドナルドの内情は分かりませんが想像はつきます。下の私の妄想のほとんどはよく見かける現象だからです。

●健康ヘルシーをうたっているフレッシュネスバーガーやモスバーガーが売れていないのに、わざわざマクドナルドがやることはないと幹部が考えている
●健康ヘルシーのような新製品は原価が高くなるので、利益率の足を引っ張ると幹部が考えている
●スープのような商品だと現場の作業効率が悪化すると幹部が考えている
●健康ヘルシーのような新製品を作ると「では従来の商品は健康ヘルシーでないのか」と客に思われて売上げが減ると幹部が考えている

4つをひとつひとつ見ていきます。
1番目。「健康ヘルシーをうたっている他商品が売れていない」については前述しました。現在しか見ていないと、こういう意見が出てきます。

2番目。「原価が高くなる」は新製品の価格を上げればいいだけです。私たちは価格に見合った価値があれば問題なしと考えます。原価が安い小麦粉だらけで、肉もないのに高価格なグラコロの販売好調がそれを証明しています。

成功体験オペレーションが失敗の母になる可能性

3番目の「現場の作業効率が悪化する」は説明するのにちょっと長くなります。
現場の作業効率は飲食業界では「オペレーション」と呼ばれます。
「オペレーション」とは簡単に言えば「従業員の手間」です。
例えば、ポストフライは袋から原材料をかごに入れて、フライヤーで揚げるだけの手間にする。揚げる時間が作業する人によって変わらないように、時間が来たら自動的に調理を止める機械で管理する。

注文が入ったらパテを並べてベルトコンベアのボタンを押す。一定の時間火が通り、焼き過ぎや生焼けなく丁度良い火加減で焼き上がる。
あとはバンズに肉と野菜、ソースを乗せてできあがり。

オペレーションを管理はチェーン店組織にとっては生命線です。
これがきちんとできていないと様々な問題が起きます。

●作るたびに味が違う
●無駄な食材ができたり、食材の種類によって過不足がおきて原材料費が上がる
●素早く提供できないので客を待たせる
●店員一人当たりの作る数が減るので、1つ1つのコストに人件費が余計に乗っかる
●店員が熟練しないと商品が作れないのでは、従業員の給料が上がり、人件費がかさむ

ファースト・フードの宿命である「安い」「早い」「うまい」のすべてがオペレーションにかかっているのです。

ファミレスでも同じです。
例えば、パスタは電子レンジで解凍したパスタとソースであっても、最後にフライパンを一振りすれば味が一気に良くなります。
しかし、彼らはオペレーションを考えて「フライパンを振るメニューは5つまで」と決めていることが多いのが実情です。目玉メニューだけはひと手間かけますが、それ以外はオペレーション優先です。

個人の店でも大なり小なりオペレーションを考えたメニュー作りをしていますから、飲食店の基本といえば基本なのです。

しかし、これがマクドナルドのアダになってきます。
メガマックがあれだけヒットしたのに期間限定で終わったのは、パテを4枚焼く時間が必要なのに店の売上げは2倍にしかならないから、結局、昼間など混雑時に間に合わず、売上げ効率が下がったからです。

別な言い方をすれば「メガマックが売れれば売れるほど、苦労の割に店が損をする」。
だから、後のメガトマトやメガたまごはオペレーションを考えて、肉3枚に減らして、代わりにパテを焼く手間がいらないトマトやたまごで「改善」しました。
メガマックの代わりとして登場したクォーターパウンダーは肉を大きくして1枚で済むようにした改善版だといえます。肉の量が同じですから、これらは「(客に迷惑をかけない)現場改善」です。

しかし、マクドナルドでは他にも、オペレーションを考え「過ぎて」、ありきたりの新製品しか出せない。アイデアがあっても現場を管理する部署から反対されれば、どんな新商品でも諦めないといけない。そんな問題が出ています。

オペレーションは飲食チェーンにとって最も大切なことであると同時に、最もチェーン店の足かせになる存在でもあるのです。

イメージリーダー戦略はマクドナルドが得意だった

最後4番目。「従来の商品は健康ヘルシーでないのかと客に思われる」について説明します。
すべての商品を健康ヘルシーにする必要はまったくありません。
若い男性を中心に「食の健康ヘルシーには無関心」な層がたくさんいるわけですから、彼らをマクドナルドの顧客対象から外す必要などは毛頭ありません。

しかし、一方で、マクドナルドには母親と子供を中心とする根強い家族層が着いています。彼らは子供を守るためなら、何のためらいもなく他社に逃げてしまう人たちです。
健康ヘルシー意識の強いイノベーターもいます。彼らは間違ってもマクドナルドには行きません。

さて、イメージリーダー戦略という戦略理論がマーケティングにあります。
ある特定のイメージをもった商品が全体を引っ張っていくけれど、残りの商品はそのイメージにはあまり関係なくてもいい戦略です。

典型例では、一部の安い商品がイメージされるけれど、実際の多くの商品はそれほど安くないケース。
逆に、BMWのように高額商品のイメージはしっかり守りつつ、売上げは普及価格帯のシリーズで稼ぐのもイメージリーダー戦略です。

小岩井乳業のように国内でていねいに作られるイメージがあるものの、大半の商品が輸入チーズの加工品というケースもイメージリーダー戦略です。
イメージリーダーに対して、実質的に売りを稼ぐ役割の商品はボリュームリーダーと呼ばれます。

artc20130604マクドナルドは長らく「安い」イメージがありました。
しかし、1985年のマクドナルドのメニューを見ていると

●ハンバーガー230円(現在120円)
●ビッグマック420円(現在340円)

と決して安くはありませんでした。
(左の図をクリックすると拡大します)
現在でもハンバーガーセットだと510円、売れ筋のビッグマックセットでは680円にもなります。定食が食べられる。安くはない。

地味に値上がりしているメニューも見逃せません。
マクドナルドのヒット期間限定商品の月見バーガーは2004年の199円から2012年は320円と値上がりました。

●2004年 月見バーガー 199円
●2005年 月見バーガー 220円
●2008年 月見バーガー 270円 チーズ
月見バーガー
290円 ダブル
月見バーガー
350円
●2009年 月見バーガー 290円 チーズ
月見バーガー
310円
●2012年 月見バーガー 320円 チーズ
月見バーガー
340円 大月見
バーガー
430円

グラコロも2006年の新発売当時で270円。最後に発売された2012年11月は330円。60円の値上げです。

(1) 値下げしたメニューがある
(2) 値上げしたメニューがある
(3) セットメニューは安くない。
(4) 100円メニューがある
そして
(5) 私のたちのマクドナルドのイメージは安い。

さて、これら5つを見ているとわかるのが、私たちの「マクドナルドは安い」イメージは

「100円メニューや売れ筋の(つまりたくさんの人たちの目に触れる)ビッグマックのような主力メニュー」

から来ているという事実です。

つまり、イメージリーダーがうまく機能すれば、ボリュームリーダーはイメージリーダーに即していなくてもかまわないのです。
実はマクドナルドはそれを体現しています。

それと同じ事がなぜ「健康ヘルシー関連メニュー」にも言えないのでしょうか。
イメージリーダーが健康ヘルシー的であって、ボリュームリーダーが「非健康ヘルシー的(反健康ヘルシー的ではないことに注意)」でもまったく問題ないのです。

強者の戦略その2-他市場に殴り込みをかける

前半のテーマで誌面をずいぶん使ってしまいました。
後半のテーマに移りましょう。
「トップ企業の戦略では、売上げを上げるのは他市場に殴り込みをかけること」でした。

ちょっと考えれば簡単なことです。
マクドナルドはすでにハンバーガー市場では75%の市場占有率を持っています。残りの25%を取ろうと、いくらがんばっても成果はたかが知れています。
それなら、マクドナルドがまだ市場シェアを取れていない他市場を攻略した方が賢いというものです。

マーケティングの基本では70%よりずっと低い40%を越えた企業は他市場に移れというのが強者の戦略です。現在の75%はもっともっと厳しくなります。

それでは、マクドナルドはどんな市場に目をつければいいのか。
自社市場に隣接した市場です。

artc20130602例えば、カゴメはトマトを原料に使った商品ではダントツ1位です。ケチャップ、トマトジュース、ホールトマト、トマトソースなどなど。
そこで彼らが目をつけたのが野菜市場です。
トマトも野菜なので、生活者が「カゴメならいい商品を出してくれるだろう」という期待があるからです。

実際、カゴメの企業スローガンは

「野菜を、おいしく、楽しく。」

で、現在はもっと広げて

「自然を、おいしく、楽しく。」

です。…マーケティング戦略的には広げすぎですが…

他の例でいえば、キユーピーはマヨネーズからドレッシング市場に目をつけました。
その後、調味料市場から電子レンジ加工食品市場に侵食しています。
味の素やキッコーマンも基本調味料から、クックドゥなどの合わせ調味料や加工食品に進んでいます。

食品だけではありません。
花王は一時期、界面活性技術を使ってフロッピーディスク市場に殴り込みをかけてトップ企業になったことがあります。
富士フイルムは界面活性技術を使って化粧品に進出しています。

キユーピーも富士フィルムもマヨネーズや写真フィルム市場ではダントツ1位でした。だから、他市場に殴り込みをかけて企業を成長させていかないといけませんでした。

うまく行くケースばかりではありません。
例えばミスタードーナツは中華料理のファーストフードに進出しましたが、ドーナツとラーメンは隣接している訳ではない(似た商品ではない)ために、中華はおまけ的な扱いが続いています。

1位の時と同じやり方で新市場に進出して失敗することも多い。キリンはビールで1位でしたが、ビールと同じ感覚で戦略を立てたおかげで、清涼飲料水では長らく低迷していました。サントリーもウィスキーで1位でしたが、ビール市場ではずっと赤字事業でした。

さて、マクドナルドは一時期、昼食市場を取り込もうとして58円にハンバーガーを値下げしました。結果的に価格競争になって利益率を下げたために途中で頓挫しましたが、考え方(何をすべきか)は正しかったのです。ただ、やり方(どうすべきか)が間違っていただけです。58円はやり過ぎです。

コーヒーを100円にしたのもスターバックスやドトールの市場に殴り込みをかける戦略でした。これも、中途半端に終わりましたが、継続していたらどうなっていたかわかりません。

マクドナルドに問題があるとすれば、こうした「こらえ性のなさ」です。
結局、目の付け所は悪くないのに大ヒットしなかったからすぐに諦めて、本業のハンバーガーでがんばり結果を出してきた。

しかし、それももう打ち止めです。75%も市場シェアを持っていて残り25%しかありません。
マクドナルドは客単価を上げることで成長を維持しようとしているようですが、客単価を上げるのは並大抵のことではないのは、飲食業を営んでいる人ならみんな知っています。

人間はせいぜいが1日3回しか食事をしないのですから、全体のパイは限られています。同時にハンバーガー市場ではもう余地がない。
そうなると、結局マクドナルドはどこかの市場に頼らざるを得ないのです。

そんな時、

「オペレーションがー」
「利益率がー」
「どでかい大ヒットがー」

などと言っていたのでは、なにもできずに足踏みをするだけです。

実は前半でお話しした「健康ヘルシー的・低カロリーバーガー市場」はマクドナルドにとっては隣接した市場でもあるのです。

値上げとカウンターメニュー撤廃のキーはイノベーター

さて、マクドナルドの骨子はお話ししました。
この記事の最後の章として、基本戦略以外の細々とした点を上げて終わりにしましょう。

価格です。
今年5月から実施する値上げが懸念材料です。
ビッグマックは290~320円から330~360円になりました。
とうとうモスバーガーの320円より高くなってしまったのです。

マクドナルドのようなガリバー企業は価格決定権があります。
ガリバー企業やガリバーブランドが値上げをしても、売上げが落ちにくい現象のことです。だから、マクドナルドは価格を上げることができる。事実、今年5月の14ヶ月目の売上げ回復がそれを物語っています。

さて、マクドナルドは100円マックを中心に「安い」イメージを植え付けてきました。
一方のモスバーガーは「高い」けれど「質がマクドナルドより良い」イメージがありました。

さて、マクドナルドがモスバーガーと同じ価格になったらどうなるかは、引き算すれば簡単ですよね。

【モスバーガー】-【マクドナルド】=【(同じ価格で)質がよい】

が引き算の結果です。

友人のコメントです。

「いや、森さん、モスバーガーのもうひとつの弱点(人によっては強み)がありますよ。
商品が出されるスピードが遅いことです」

いい質問です。
そこで、もう一つの問題点、カウンター・メニューの廃止について価格と一緒にお話ししましょう。

マクドナルドは、昨年秋にカウンターでのメニューを撤去しました。
いままでカウンターにあったメニュー・シートが一斉に撤去されたのです。
マクドナルド側の説明としては「素早く商品を提供できるようにするため」です。

しかし、これがくせ者です。
メニューがないということは「いつもの商品」を注文するような常連客には問題ありませんが、1ヶ月に1回程度しか利用しない客やその日の気分で注文するメニューを変える客は困ります。

実は多くの店のカウンターの上の空間パネルにはメニューがありますが、全品ではありません。例えば100円マックや単品価格はパネル・メニューには掲載されておらず、セット価格しか表示されていません。
セットを注文する客は問題ありませんが、単品を注文しようとすると途端に困ってしまいます。

カウンターで自分の順番になって店員にメニュー・シートを出してもらうこともできますが、従来のように順番待ちの退屈な時間にメニューを決めることができない。

知人のリサーチャー牛堂雅文さんのコラムに、興味深い事例がありました。
「リサーチで顧客の声を聴け!課題把握で売上をあげるリサーチのツボ!」

アメリカ・ヒューストン空港の手荷物引渡所で「荷物受取までの待ち時間が長い」とのクレームが多く寄せられたので、時間短縮の改善が実施されたものの、クレームはなくなりません。
そこで、通路を遠回りにして手荷物引渡所までの距離を長くしたら、クレームがぴたりとなくなったのです。

マクドナルドがカウンターメニューを撤去したのは行列を少しでもなくし、待ち時間を短くする方法でした。しかし、その手は空港の例でいう「時間短縮をする改善」です。

ディズニーランドでもアトラクションの待ち時間を短縮することに努力するのもそうですが、むしろその間に行列の客を楽しませる工夫をしています。
でも、マクドナルドはそういう発想をしていなかった。
せいぜいが混雑時間に行列待ちの客から注文を取り、あらかじめ先に商品を作っておくやり方をする店舗が一部あるだけです。

なぜマクドナルドがこういった下策を採用してしまったのか。
いくつか理由が考えられます。

ひとつめ。みなさんが想像するように。マクドナルドが高単価商品を売りたいから。
客単価を上げるには、高いセット価格しか掲載せず、単品メニューを隠すのが最も手っ取り早い。

カウンター・メニュー廃止の理由の2つめ。
原田社長自身が主張するように

「客のニーズのひとつが早さ」

だからです。

食べたいときにさっと店に入って、さっと商品が出される。それをさっと食べて店を出る。これがファーストフードの基本ですし、私たちがマクドナルドに求めるファースト(=Fast=早い)フードです。

ドライブスルーや「スマホや携帯電話をかざすだけでクーポン、注文・決済を完結アプリ」のようなやり方は理にかなっているという訳です。

「早さ」はマクドナルド側にもメリットがあります。
待ち時間を1秒縮めると売上げが8億円上がるからです。

列が早く解消できれば客の回転率が上がり、限られた面積の店でも売り上げが上がります。
客の回転率を狙って、わざと長時間座るとお尻が痛くなるような椅子を用意したり、列に並んでいる客からあらかじめ注文を聞き、席に座る前から調理を開始して座った直後にはできあがっているラーメン屋もあるくらいです。

上の空港の例のように「わざと長くする」なんて発想はマクドナルドからいえば「到底ムリ」な話です。

ドライブスルーやスマホ携帯電話クーポン、注文・決済アプリは、目標も方法も客とマクドナルド双方にメリットがありました。

しかし「メニュー撤去」はそうはいきません。上で説明したようにマクドナルドにはメリットがあっても、一部の客にはメリットが半分しかないからです。
客は他の客が早々に列からいなくなることは歓迎です。しかし、自分の順番になったらじっくりと時間をかけたい。商品を選びたい。
だから、「他の客のために、自分の商品選びの時間を犠牲にしたくない」。

しかも、メニュー表がなくなったら単品の価格という情報がなくなってしまう。「不便になった」。
加えて、単品の価格が値上げされて「お得でなくなった」。
三重苦です。一部の客の怒りを買うのは当然です。

「グレート!」「ワオ!」は「i’m lovin’ it(今、夢中!)」

「セットを注文する人が多いのだから、いいじゃないですか。
そんな人が8割もいれば、まったく問題なし」

と友人。

いえいえ、そんな単純なものではありません。
キーワードは「イノベーター」です。
イノベーターの特徴のひとつは「自分で自由にカスタマイズ」する嗜好が強いことです。企業から提供される「セット」や「キット」ではなく、基本パーツを買ってオプションを自由に組み合わせるのは、ほとんどがイノベーターです。

その究極が、パソコンでは「自作」ですし、ファッションでは「コーディネート」、カメラでは「レンズを変えられる一眼レフ」です。

さて、その理屈でいうとマクドナルドで単品を組み合わせて自由に選ぶのはイノベーター。セットで店のお仕着せをそのまま押し頂くのはフォロワーということなります。

つまり、「列の解消」による満足度はフォロワーでは上がるものの、単品を組み合わせたいイノベーターではむしろ下がってしまう。
これは恐いことです。
イノベーターは「味方につけば心強い」存在ですが、「敵に回すととてつもなく恐い」存在でもあります。

イノベーターは「天使と悪魔」という言い方を私はよくしますが、まさにそのイノベーターを敵に回す可能性がある施策。それが「カウンター・メニュー撤廃」ですし「単品価格値上げ」なのです。

「マクドナルド?よくあんな高くて、特別おいしくもないハンバーガーなんて食えるよな」とイノベーターに言われればおしまいです。

もし、そういう人たちが想定より多ければ、じわじわとマクドナルドから離れていきます。一気にネガティブな影響がなくても、ボディブローのように売上げに響いてくる。
もし、人数が少なければ全体に与える影響が低く、満足度が向上したフォロワーたちの来店頻度が上がることで、売上げにプラスになる。

賢いマクドナルドの社員たちですから、そんなことは織り込み済みでの「カウンター・メニュー撤廃」「単品価格値上げ」だと信じたいところです。
が、朝食メニューのスキンケアプレゼントやハミガキプレゼントのような別な「ワオ!」を打っているマクドナルドですから、全面的に「彼らなら大丈夫」だといえる自信が私にはないのが本音です。

20年前のマクドナルドは価格が高かったせいもあり、ハンバーガー自体が身近でなかったせいもあり、客の来店頻度が低かったものです。
しかし、ここまで大企業になって顧客が増え、価格が安くなったマクドナルドには「似たような商品はバレる」顧客がたくさんいます。

ということは、マクドナルドはどんどん新鮮味のない、ソースがちょっとだけしか変わらないメニューしか出さない店に成り下がる。そして、イノベーターほどそれを感じるのです。

もう一度、原田社長の言葉を引用します。

「消費者が『いいね』と思うくらいの販促や商品ではダメで、『グレート!』とか『ワオ!』というインパクトを与えないと」

この言葉はマクドナルドの問題点の本質とリスクを言い当てていると私は思っています。まさにマクドナルドのCM「i’m lovin’ it(今、夢中!)」が足りてない。

そして、それを一番感じるのは「悪魔になり得るイノベーター」です。

さてさて、これからのマクドナルドはどうなるのか。
個人的には「わくわく」です。
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