従来のブランド調査プログラムからは、有効な戦略を導き出すことができませんでした。
ブランドイメージは定量的に把握できますが、ブランド戦略へのロジックは分断されていたからです。
例えば、ブランドイメージ分析でよく使われるレーダーチャート。
イメージの高い・低いはわかりますが、
など、不明な点が多い分析となってしまっています。
つまり、「ブランド戦略シナリオへの論理性」が欠けていたのです。
そこで、シストラットは独自分析手法ブランド・レーダーマップ分析を開発しました。
ブランド・レーダーマップ分析はランチェスター理論とクープマンの目標値を応用したオリジナルメソッドです。ブランドポジションを視覚化し、枝葉末節なデータにとらわれがちな調査結果を、全体構造を把握した上での効果的・効率的な戦略を導き出します。
シストラットには20年間の蓄積とノウハウがあります。
例として、銀座の現状イメージをブランド・レーダーマップにすると以下のようになりました。
マップは等高線のようなものと考えてください。
●色の濃い部分が山頂で「銀座のイメージが強い」エリア
●白い部分が平地で「銀座のイメージがない」エリア
●その中間のアミ点が山腹で「銀座のイメージが弱い」エリアです。
銀座の常識的なキーワード(伝統的、大人、フォーマル等)が並んでいますが、位置関係が明確です。
次に、渋谷の現状イメージをブランド・レーダーマップにすると以下のようになりました。
銀座は右寄りに色の濃いエリア(イメージ核)があるのに対して、渋谷は左下にイメージ核があります。
渋谷は銀座とはまったく別のイメージを持ったブランドであることがはっきりと分かります。つまり「銀座とは競合関係にない」といえます。
続いて新宿の現状イメージをブランド・レーダーマップにすると以下のようになりました。
銀座とはまったく違うイメージ構造ですが、新宿はイメージ核が左下に寄っており、渋谷と基本的に類似した構造を持つ街であることがわかります。
一見、「私たちのイメージとは違う」との印象を持ちますが、男性の位置に注目してください(左下の赤い矢印が指しているイメージ核)。
渋谷は男性イメージがない「若い人たちの楽しい場所」、新宿は「男性の楽しい場所」であることが最大の違いで、これが私たちの一般的なイメージを決定づけていることが分かります【図にマウスを重ねると渋谷と新宿の比較ができます】。
さて、銀座の「このまま(何もせずに)行けば」どうなるかが予測できます。
イノベータの現在はフォロワーの5年後であるため、イノベータへイメージが近づくからです。
銀座が渋谷に戦いを挑むとなると「若々しい(渋谷の核/強い牙城のイメージ)」に「伝統(銀座の核/強い牙城イメージ)」をぶつけるのは無理でしょうか。
【図の拡大はクリック】「若々しい」と「伝統」の融合を考える。これがブランド・レーダーマップから生み出される「戦略的発想」です。
【図の拡大はクリック】ちなみに、従来のブランドマップとは下のようなものでした。
ブランド・レーダーマップ分析のようなイメージ点の上に正円が描かれているものです。
多くの場合、円の大きさ(半径)は売上金額やユーザー数で決められます。円が大きいほど大きなブランド、小さいほど小さなブランドになりますから、思わず納得していまいます。
しかし、この方法には致命的な欠点があります。
それは、円の半径の距離とイメージ点同士の距離がまったく次元が異なるものだという点です。だから、円のサイズには意味がなく、ましてや円同士が重なっていることにもまったく意味がありません。
ブランド・レーダーマップ分析はその問題点を根本から解消した分析手法です。