私たちの調査は戦略を円滑に、かつ、効果的効率的に策定するために実施するものです。従って、調査プロジェクト単体での業務でも、通常の調査会社の調査とは様々な点で異なる観点を持っています。
調査データも戦略構築もすべて「売る」ための資料です。
「何のために」がきちんと分かっている人と、分からない人が作る資料は、一見同じように見えて、使い勝手やポイントの置き方に大きな差が出るのは、通常業務でもよく体験することです。
シストラットはマーケティング・コンサルティングが主体の企業です。従って、例え調査単体のプロジェクトでも、戦略仮説やブランド構造などを考慮しながら設計・分析を行うことが可能です。
調査を調査ために終わらせない。それがシストラットの根本をなす思想です。
調査データは戦略に結びつけなければならないわけですから、加工が不充分で、数値の羅列やグラフの並びにコメントを付けただけでは、「結局何を言いたいのか」がつかめません。
調査データを使う人間はすべてがすべてデータ読み込みのノウハウや知識をもっている訳ではないからです。
デザイン部門が生活者調査を実施することもあります。
電子機器の技術チームが市場のニーズをくみ取るために生活者調査をすることもあるのです。
また、企画部門でも「会社のクセ」があります。従来実施してきた調査と視点が異なる調査をした時も、基本知識があるとはいえ、新しい概念を消化するには時間と努力が必要になります。
それを極力軽減するのが「わかりやすさ」だと考えています。
調査はしてみたものの、報告書は棚に置いたまま、では、調査費用の無駄遣いです。せっかく予算を取ってデータを集めたのですから、使わない手はありません。
シストラットでは多変量解析などの各種統計手法を多用します。それだけに、「わかりやすさ」は最も重要な課題なのです。
調査を依頼するのに、通常はクライアント側で問題意識の整理をし、その中から「こういう調査」を「こういう点について」調べたい、という点を事前に決めておかなければなりません。
調査会社はその範囲で調査票の設計を行います。従って、事前の整理を間違えると、そのまま間違った観点からの調査結果が出てきます。
シストラットでは、調査設計はまず問題意識の確認と「突っ込み(質問・議論・ブレスト)」から入ります。
クライアントが考える部分とは別な要因が絡んでいる可能性があるからです。
設計はクライアントの問題意識を直接開明するパートと、シストラットが考える問題意識を加味した「提案」形式で行います。
ですから、最初の問題意識の投げかけは、例えば、「売れない」という一言から始まります。
シストラットは調査会社ではありません。
ということはつまり、調査の実施(実査)で利益を出すことは考える必要がないということです。
このことは具体的には以下のような現象になって現れます。
●シストラットの実査部分の見積もり金額は、実査担当の調査会社から出された見積もりとほぼ同額に設定しています。
●調査票の設計さえしっかりしていれば、新たな調査を提案するのではなく、クライアント手持ちのローデータを再集計することによって対応します。これは無駄に眠っていた膨大なデータを持つ企業に有効です。
●余計な人件費を排し、本当に必要なものだけで運営します。
特に定性調査(グループインタビュー等)に顕著な現象です。
例えばシストラットでは1グループ4万円もの経費がかかる「プロの書記」は使いません。手慣れた学生のアルバイトでも充分対応できるからです。