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定量調査・定性調査の利点と欠点

定量調査の利点

【定量調査とは】アンケート・データを数値化して、グラフや数値表を分析する手法です。
「量=数値」を分析するので「定『量』」と呼ばれます。後述する「定『性』」と対をなしています。定量調査では普通、数百人から数千人の対象者にアンケートを依頼します。

●定量調査は単純な「数値」という存在を介しているので、全体の構造が把握しやすくなります。例えば、「全体のうち賛成派が42%、否定派が40%、保留派が18%」といった短いコメントで、おおよその雰囲気をつかめてしまいます。

●定量調査は数100人〜数1,000人のサンプルを利用しますので、誤差が少なく、実際の数百万人の生活者の意見を凝縮していると見ることができます。

●定量調査は数字を使うので、他人への説得力が増します。 従って、企業内の他部署や上部組織の説得材料として多用されます。
「実務担当者の最大の武器」ともいえます。

定量調査の欠点

●このページの例くらいの数個の数字ならわかりやすいですが、定量調査では何百個もの数字が並ぶのが普通です。すると「数字酔い」したり「数字への拒否反応」が起きることがよくあります。

●定量調査は数値に対するノウハウやテクニックが必要な場合が多々あります。
例えば、「商品Aの受容性が62%、商品Bの受容性が55%」と言われても、この「7%」の差がどれくらい重要なのかがわからなければ、戦略や施策の判断のしようがありません。

もしかしたら、62%と55%の差は誤差範囲内なので、どちらを採用しても同じ結果 (売上) が得られるかも知れません。
あるいは、この7%差はかなり重要で、コンビニやスーパーに対する営業体制をかなり強化しないといけない(売上げが上がらない)かも知れません。

定量調査は調査や統計に対する専門知識がないと、単に報告書を持て余すだけになりがちです。

●定量調査票(アンケート票)は質問者の設計センスが極めて重要です。
定量調査では「聞いたこと」しかわからないからです。
「何を」「どう」聞くかで実態が正確に把握できるかどうかが決まってしまいます。

例えば、現在の若い女性の結婚観を訊ねるとき、

▼1年後に結婚したい
▼2〜3年うちには結婚したい
▼5年後くらいには結婚したい
▼結婚は考えていない

と時間軸で設問を設計しても、事実を反映しているとは言えません。

▼自分に自信ができたら結婚したい
▼いい人が現れたら結婚したい
▼一度は結婚してみたい

というような、非直線的な感覚を拾い上げなければ、実態はつかめません。

定性調査の利点

【定性調査とは】座談会形式(グループインタビュー)で、出席者の発言(言葉)を分析する手法です。少ない人数(6人〜40人)を対象にします。

●定性調査は発言(言葉)が対象なので、誰でも親しみやすいのが最大の利点です(何百個もの数字を見なくて済みます)。

●定性調査は司会や設計が秀逸だと、当初予定していなかった発言が出現し、新たな発見や深い心理が理解できることも珍しくありません(定量調査は聞いたことしか分からない)。

●定性調査は企業では、実担当者が対象者の心理を探るヒントや現状の修正ポイントのヒント、そして定量調査の設問を作る時のヒントを得るのに適しています(定量調査は上司の説得に使える)。

定性調査の欠点

●定性調査は数十人(6人〜40人)しか対象にしないので、数百万人の縮図になりません(定量調査では縮図になります)。
かといって、定量調査のように、統計的に信頼できるだけの人数を集めようとすると、とんでもない費用がかかります。
(私はメーカー時代に400人の定性調査をしたことがありました。かかった費用はもちろん、時間的にも「いい経験になった。面白かったけど、400人なんてやるもんじゃない」が率直な感想でした)

●定性調査は数十人しか対象にしないので、説得力は低くなります。「たった10人の意見だろ?」と上司に言われたら反論のしようがありません。
上記利点のように「ヒントを得るのに適している」は裏返すと「ヒントにしか使えない」ことを意味します。

●定性調査は出席者一人一人の発言を議事録で追いかけていくと「意見を変える」「矛盾が出る」ことも珍しくありません。
アメリカでは心理学を学んだ人でないと定性調査ができませんが、日本ではお構いなしです。日本では「表面上の言葉だけを信じて分析し、後で失敗する」ことがよくあります。

【参考 : 本音が出にくいテーマもある】

定量・定性調査の使い分け

スプーンとフォークがそれぞれ得意分野があるように、定量調査と定性調査は使い分けるのが賢いやり方です。

●定性調査で大ざっぱな消費者の心の動きや購入行動を把握しておき(仮説を作り)、定量調査の調査票の質問設計に生かす。

●逆に、定量調査でわからなかったところ、もっと深く知りたい部分、もっと知りたい理由や心理的背景を定性調査で聞き込む。

(例えば、テスト品を使用してもらい、使用感や購入意向を定量調査で聞く。その後、「どのような使い方をしたかを実演してもらう」「なぜ、このテスト品を気に入ったか/気に入らなかったかを深く突っ込む」)

●デザイン修正のように繊細なものが対象の場合は定性調査で聞く方が知りたいことがわかりやすい。
例えば、「好き嫌い」だけなら定量調査の方が適していますが、「どう修正したらいいか」を知りたい場合は定性調査の方が参考になります。

●下記の記事は長文ですが、定量調査と定性調査の使い分けが具体的にわかるので、ご紹介します。

【参考記事-弊社メルマガより抜粋】サルにもわかる商品開発【商品開発】

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