前著から5年。あのマーケティング教科書が帰ってきた 前著はIT崩壊の前夜に刊行され、マーケティングの初心者であるIT関係者向けに執筆されたものの、そのシンプルな内容と基本的なマーケティング理論の紹介のため、広く一般にも読まれたビジネス書。 再販の声が高まる中、事例を変更しただけでなく、初心者向けの読みやすさとマーケティング理論の基本教科書としてのコンセプトはそのままに、新たに理論を追加して約70ページ増加。 「Simple is the Best」をマーケティングの信念とする著者が国内メーカー各社の実例を挙げて再び解説する。 |
目次 前著との差 この色は加筆/大幅に修正したもの この色は事例を中心に修正したもの |
第1章 生活者をとらえる | ||
1-1 | 「イノベータ理論」で生活者をとらえる 企業は「生活者」がわからない キメが粗いデモグラフィック分析 革新人間「イノベータ」が先を走る 「ウケねらい」の「アーリーアダプタ」と保守的な「フォロワー」 「アーリーアダプタ」が商品成功のカギを握る |
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1-2 | 「ライフスタイル」から生活者をとらえる 日本人の価値観の変遷 ヤンケロビッチの「意識のピラミッド」 「ライフスタイル」の落とし穴 「ニーズ」と「ウォンツ」の適正バランスがロングセラーをつくる 超ロングラン商品「シャネル」の秘密 ライフスタイルで「イノベータ」を見分ける ライフスタイル理論はどこまで適用可能か ライフスタイル論の盲点 |
第2章 市場をとらえる | ||
2-1 | 「クープマンの目標値」で戦略を立てる 市場を見きわめるコツ シェアのサインを見逃すな---クープマンの目標値 73.9% 独占的市場シェア 41.7% 相対的安定シェア 26.1% 市場的影響シェア 10.9% 市場的認知シェア 6.8% 市場的存在シェア クープマンの目標値は意外なところでも使える クープマンの目標値を使った戦略発想 ランチェスターの射程距離 |
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2-2 | 市場を細分化して考える <視点1> 生活者の目で切る 企業本位で市場を設けても生活者はつかめない <視点2> シェアで切る---マーケットは6.8%から <視点3> 地域で切る |
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2-3 | 売上を占う「プロダクト・ライフサイクル」 商品の寿命を見きわめる 心理的普及率で真の状態を見極める 成長期の終わりのサインを見極める プロダクト・ライフサイクルはイノベータ次第 |
第3章 商品を評価する | ||
3-1 | プロダクト・コーン理論 ひとりよがりだった企業の商品定義 ものぐさになった生活者 商品の性質をはっきりさせるプロダクト・コーン プロダクト・コーンの実例 花王ヘルシア緑茶 HDDビデオレコーダ デンタルコットン レストラン・トップ 規格→ベネフィット→エッセンスの流れを破壊せよ 上位ブランドだけに許される「イメージ・コミュニケーション」 生活者から見たプロダクト・コーンの実例(乾電池) スペックは判断基準がないと「無用の長物」 プロダクト・コーンへ当てはめると 修正モデル---「機能的ベネフィット」と「心理的ベネフィット」 革新人間には規格を訴求する プロダクト・コーンは両刀使い |
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3-2 | 商品の「記号」と「意味」の一致(ブランド) ブランドの強さは「記号」と「意味」の一致で決まる 「記号」と「意味」は心理学的につながる関係 時間の短縮とコスト削減がブランドのメリット 「記号」と「意味」をリンクした「スニッカーズ」 商品名がブランドに育つとき |
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3-3 | ブランディング 「群れ」を意識する視点 「意味性の純化」はブランディングの成功のもと ブランディングのいろいろな症状を見る ブランディングのパターンと優劣 使い方を誤ると、しっぺ返しをくらうブランド・ファミリー戦略 新アイテムの乱発で失敗した「マイルドセブン」 ブランド・ファミリー戦略上級編 ブランドのイメージをむやみにいじるな |
第4章 商品の「戦略」を評価する | ||
4-1 | 3種の攻撃方法 マーケティング不要の商品はめったに出ない チカラでゴリ押し「正面攻撃戦略」 ちょっとだけ外す「側面攻撃戦略」 ニッチ戦略 ミート戦略 |
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4-2 | スキミング&ペネトレーション戦略 先端の「上澄み」から大市場にもぐり込む フォロワーまで浸透したロリータファッション スキミング戦略は、どういう企業が採用すべきか 「力のゴリ押し」で圧倒するペネトレーション戦略 ペネトレーション戦略は「王者」だけに許されたもの 厳しい投資を迫られるペネトレーション戦略 ミニ大企業化は自滅のもと 始めちょろちょろ、中ぱっぱ |
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4-3 | 力のない企業でも勝てるDCCM理論 ベネフィットの限界 差別性は情報カオス時代を生き抜くための自衛手段 差別性のみのキワモノ商品は真のヒットにはなり得ない 説得性で生活者の疑いを晴らす 市場ボリュームのチェック DCCMで企業を評価する 松下電器産業 ソニー 三洋電機 トップの戦略と下位の戦略は違う 「不良下位企業」は説得性をアップする DCCM進化論---プロダクト・コーン+DCCMで商品を複合評価 ペディグリー・チャム ウィルコム ケフラン ジゼ アミノ式 コカコーラの4大失策 |
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4-4 | 「知名度」「トライアル」「レギュラー」から問題点を見つける(U&E) 60%以上の知名度投資はムダ トライアルからレギュラーへの道のり 「コンバージョンレート」「リテンションレート」から問題点が見える |
第5章 生活者の意識と商品 | ||
5-1 | レーダー理論とポジショニング 生活者の頭の中での商品の位置づけ レーダー理論でソニーVAIOの成功を読み解く 商品のポジショニングを明確にするレーダーマップ分析 短期間で「らしさ」の橋渡しを行った花王の成功 レーダーマップ分析で効率的な商品戦略を立てる |
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5-2 | 購入基準ヒエラルキー 生活者の思考の流れ 生活者の意識に合わせた商品戦略とは |
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5-3 | 「選好シェア」と「実売シェア」の時間差理論 商品の魅力度を表す選好シェア 生活者は商品のカテゴリー別の買い物リストを持っている |