IT時代の今だからこそマーケティングは基本原則に立ち戻らなければならない! eコマース、eビジネス、eトレード、IT産業、IT革命──現在の「e」や「IT」のほとんどは企業家と投資家の熱い関係だけで成り立っており、もっとも大事な消費者がどこかに置き去りになってしまっている。 インターネットであろうが現実社会であろうが、生活者行動の基本を抜きにして、「e」や「IT」に期待を寄せても失敗は目に見えている。 そこで、従来のマーケティングの基本に立ち戻り、インターネットを既存のメディアミックスとしてどう利用したらよいかを、「Simple is the Best」をマーケティングの信念とする著者が国内メーカー各社の実例を挙げて解説する。 |
目次 0章 インターネットの功罪 |
1章 商品を評価する | ||
1節 | 商品の「記号」と「意味」の一致 ブランドの強さは「記号」と「意味」の一致で決まる 「記号」と「意味」は心理学的につながる関係 時間の短縮とコスト削減がブランドのメリット 「記号」と「意味」をリンクした「スニッカーズ」 |
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2節 | プロダクト・コーン理論 ひとりよがりだった企業の商品定義 ものぐさになった生活者 商品の性質をはっきりさせるプロダクト・コーン プロダクト・コーンの実例 花王ビオレU毛穴すっきりパック ソニー・プレイステーション デンタルコットン レストラン・トップ 規格→ベネフィット→エッセンスの流れを破壊せよ 心理モデルで検証できるプロダクト・コーンの流れ 生活者から見たプロダクト・コーンの実例(乾電池) スペックは判断基準がないと「無用の長物」 プロダクト・コーンへ当てはめると 修正モデル---「機能的ベネフィット」と「心理的ベネフィット」 革新人間には規格を訴求する プロダクト・コーンは両刀使い |
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3節 | 力のない企業でも勝てるDCCM理論 ベネフィットの限界 差別性は情報カオス時代を生き抜くための自衛手段 差別性のみのキワモノ商品は真のヒットにはなり得ない 説得性で生活者の疑いを晴らす 市場ボリュームのチェック DCCMの定義とは DCCMで企業を評価する 松下電器産業 ソニー 三洋電機 トップの戦略と下位の戦略は違う 「不良下位企業」は説得性をアップする DCCM進化論---プロダクト・コーン+DCCMで商品を複合評価 ペディグリー・チャム リゲイン ケフラン ジゼ コカコーラの4大失策 |
2章 商品の「戦略」を評価する | ||
1節 | スキミング&ペネトレーション戦略 先端の「上澄み」から大市場にもぐり込む スキミング戦略は、どういう企業が採用すべきか 「力のゴリ押し」で圧倒するペネトレーション戦略 ペネトレーション戦略は「王者」だけに許されたもの 厳しい投資を迫られるペネトレーション戦略 ミニ大企業化は自滅のもと |
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2節 | ブランディング 「群れ」を意識する視点 「意味性の純化」はブランディングの成功のもと ブランディングのいろいろな症状を見る ブランディングの罠 ブランディングのメリット、デメリットを見極める 新アイテムの乱発で失敗した「マイルドセブン」 使い方を誤ると、しっぺ返しをくらうブランド・ファミリー戦略 ブランド・ファミリー戦略上級編 ブランドのイメージをむやみにいじるな |
3章 生活者をとらえる | ||
1節 | 「イノベータ理論」で生活者をとらえる 企業は「生活者」がわからない キメが粗いデモグラフィック分析 革新人間「イノベータ」が先を走る 「ウケねらい」の「アーリーアダプタ」と保守的な「フォロワー」 「アーリーアダプタ」が商品成功のカギを握る |
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2節 | 「ライフスタイル」から生活者をとらえる 日本人の価値観の変遷 ヤンケロビッチの「意識のピラミッド」 「ライフスタイル」の落とし穴 「ニーズ」と「ウォンツ」の適正バランスがロングセラーをつくる 超ロングラン商品「シャネル」の秘密 ライフスタイルで「イノベータ」を見分ける ライフスタイル理論についての注意点 ライフスタイル論の盲点 |
4章 市場をとらえる | ||
1節 | 「クープマンの目標値」で戦略を立てる 市場を見きわめるコツ シェアのサインを見逃すな---クープマンの目標値 73.9% 独占的市場シェア 41.7% 相対的安定シェア 26.1% 市場的影響シェア 10.9% 市場的認知シェア 6.8% 市場的存在シェア |
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2節 | 市場を切る 視点1 生活者の目で切る 企業本位で市場を設けても生活者はつかめない 視点2 シェアで切る---マーケットは6.8%から 視点3 地域で切る |
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3節 | 敵は他の業種にあり レジャー産業の複雑な競い合い 「真の敵」をはっきりさせた「マスターフーズ」 |
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4節 | 「知名度」と「購入動機」をうまく利用する インターネットの功罪 U&Eでもっとも大切な指標 |
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5節 | 売上を占う「プロダクト・ライフサイクル」 商品の寿命を見きわめる 普及率が7割を超えたら注意! 読みを失敗すると倒産にまで 心理的普及率で真の状態を見極める サインをキャッチできるできないで天国と地獄 プロダクト・ライフサイクルはイノベータ次第 |
5章 コンサルティングの実例 | ||
問い合わせからオリエンテーションまで オリエンテーション後のポイント プロジェクト・フローおよび企画書の提出 プロジェクト開始 事実関係の確認 戦略の作成 技術者インタビューの重要性 ポジショニングの材料探し そして実行へ |
6章 クリエータと代理店とのつきあい方 | ||
オリエンテーションの現状 オリエンテーションとは何か クリエータはオリエンテーションを見ていない これまでのやり方によるメリットとデメリット クリエータへの情報の流れ きちんとした説明をクリエータは待っている クリエイティブメンバーと上手につきあう方法 クリエイティブメンバーとうまくつきあう9ケ条 |