シストラットに依頼されるプロジェクトでもっとも多いのが、既存ブランドの再活性化です。
栄華を誇ったブランドでも現在の競争の激化で存在感が失われてしまった。
製造中止にするには惜しいし、コアなファンに支えられて売上も悪くはない。
このままキャッシュ・カウ(利益の源泉)として、新製品/新分野進出のための原資を稼ぐ役割を担うのも一つの手ではありますが、できることなら再び栄光を取り戻したい。
長年クライアント企業を支えてきたブランドですから、感情的なものもあるでしょう。
一方で、せっかくのブランド資産があるのだから、それを活用するのは合理的な視点でもあります。
今まで投資してきた生産設備や資材調達の観点からいっても、ロングセラーは圧倒的に利益率が高いのです。
三ツ矢サイダーやマクドナルドが奇跡の復活を遂げたり、おーいお茶やカップヌードルがロングセラーのまま君臨してきたり、既存ブランドを再活性化することで企業に貢献する様は枚挙にいとまがありません。
また、すでに廃止になったブランドだったけど、環境の変化で、その成分やベネフィットが認められる可能性が出てきた。
企業の製造ノウハウだけでなく、かつてのブランドを覚えている消費者もいる。
それを換算すると何十億円ものマーケティング投資をするのと同じくらいの価値がある。
そんなケースもあります。
既存ブランドの再活性化プログラムの基本は下の図のとおりです。
1.ブランド診断(生活者調査)
最初に行うのは人間の健康診断と同じです。
ブランドとしてまだ健康体なのか、どこに病理が潜んでいるのかを確認します。
時々、みかけるのは
●ブランドとしては問題ない。売上が下がってきたのは売りの現場が無秩序だったから
というように、「ブランド自体の問題ではなかった」こともあります。
ブランド診断は生活者調査で測定します。
具体的には
●市場構造の明確化
●生活者のグループ化とターゲット
●ターゲットにおける対象ブランドの価値構造とポジショニングの把握
など、基本ニーズをとらえることで様々な角度から対象ブランドを診断していきます。
2.次ステップの分岐判断
ブランドに問題があれば、次のステップに進みます。
もし、問題がなければ、ここで一旦プロジェクトを止めて、ブランド診断から出た仮説を含めて売上の隘路/ボトルネックとなる要素をディスカッションします。
その仮説を次のステップ【3-2.隘路/ボトルネックの検証】に生かします。
3-1.【ブランドに問題アリの場合】改善コンセプト評価(生活者調査)
ブランド診断では問題は明らかになりますが、改善策はわかりません。
そこで、このステップでは改善の根本となるコンセプトを探ります。
仮説を提示して、生活者の評価を測定するのが狙いです。
3-2.【ブランドに問題ナシの場合】隘路/ボトルネックの検証(生活者調査または観察調査)
上記「2.次ステップの分岐判断」でディスカッションした「隘路/ボトルネック」の仮説を検証します。
隘路/ボトルネックの種類によって内容は異なります。
例えば売場に問題があるのであれば、観察調査またはミステリーショッパー形式の生活者調査を行います。
広告を含むコミュニケーションに問題があるのであれば、広告効果測定調査を実施します。
4.確定コンセプトと戦略提案
いままでのステップを総合し、コンセプトと戦略を提案します。
5.【オプション】商品要素の開発
オプションとして以下の商品要素の開発をいたします。
●デザイン開発
●ネーミング開発
●価格設定
●マーチャンダイジング