「グループダイナミクス」のデメリットを廃し、日本人向けにアレンジしたグループインタビュー手法です。
外見は普通のグループインタビューです。
丸いテーブルに司会者と6〜7人の対象者が座り、あらかじめ設定したテーマに従ってインタビューを行います。
「グループダイナミクス」との最大の相違点は、各個人に司会者が積極的に質問をしていくことです。重要なテーマの場合は、順番に発言を求めることもあります。
この方法のメリット、デメリットは以下のとおりです。
●「グループダイナミクス」の逆を行くことで、発言しやすい環境がつくれます。
●自分も発言しなければならない、という意識があるため、他の人の意見をきちんと聞くようになります。すると、自分の気がつかなかった視点を自然に無理なく取り込め、発言内容の刺激になります
●司会者が誘導することで、反対意見が出やすくなります
●無理矢理発言しなければならない、というプレッシャーから、本音と異なる発言がなされる可能性があります。
●「何か」を必ず言わせられるため、本当はそれほど気にしていなくても、とりあえずその中でも「最もマシ」なものを発言するため、1対象者の意識での相対的な重要度はわかりますが、絶対的な度合いがわかりにくくなります。
●このいずれの欠点も、1人の発言を追っていくとそれが「本音」や「本当に発言するほど重要なもの」か「無理矢理出てきたもの」なのかがわかります。
発言に矛盾点が生じるのです。その矛盾をどう解釈するか、つまり、単にその場の気分や、他人の発言に影響されて、その対象者の意見が刻々と変わっているのか、どれかが本音で、どれかが無理な発言なのか、は分析時に判断できるのです。
発言がないと、分析のしようがありませんが、発言さえあれば重要なものとそうでないものの分類作業は(分析者の力量にもよりますが)可能なのです。
●もし、インタビュー時に発言の矛盾が重要だと思われた場合は、「先ほどはこう言いましたよね。でも今回はこう言っている。私には違うことを言っているように気がするのですが、もうちょっと教えていただけますか」等と、突っ込むことによって、矛盾点の解明が可能となります。
当然、この場合も「発言がその場、その場で違っても構わない。人間なのだから、言うことが違うことはある。ただ、その違いはなぜなのか、が知りたいだけ」という、ニュアンスの聞き方をする必要があります。