> でも、例えば「フロントミッション・オルターナティブ」なんか
> は、結果的には駄作であり、売上も散々だったものの、
> かなり実験的な試みだな、という印象を持ちました。
確かに。
「オルタナティブ」は、テイストもシステムもかなりマニアックな実験的作品ではありますね。
冒険なのか単にとちくるっただけなのかの判断はつきかねますが。(笑)
ただこれもSRPGの文法内での実験的作品ですよね?
本件は、自分達の得意分野でちょっと試してみるという、スクウェアのある意味での堅実さを垣間見たようなエピソードの気がします。
> FF8なんか、勘違いの極地という印象です。
> 細かい話は置いて、舞台設定や総プレイ時間、ストーリー展開を
> 含めると、よほど「パラサイト・イブ」の方が「映画」です。
あ。どっちもまだやってない。(爆)
エンターテイメント業として、大玉である映画を意識するのは当然と思いますが、それと同じことをしてもしょうがないでしょう。
インフラ(なんでもvsプラットフォームの性能の範囲内)も楽しみ方(受動的vsインタラクティブ)も違うのだから。
「時間消費」という同じ競争の場での戦いと定義するなら、ゲーム(戦い)のルールを変えなきゃ。
> その回答がアクション・ゲームやシューティング・ゲームかというと
>「違うだろう」と思っています。
この辺が、スクウェアという会社の創造力の限界かな、という気がします。
今の体制で、RPGに限れば、十分たいしたものが作れるのだから、拡大を意識しなければACTやSTGに手を出す必要はないと思いますが…。
「RPGの進化・深化」に、ACTやSTGを手がけたことがシナジー効果をうむとはとても考えられないのですが…。
> 同感ですし、真実です。
> ただ、それらを言い始めるとキリがないのも事実です。
おっしゃる通り。(爆)
> マーケティングを改善するだけで60点の売上が取れるのなら、
> それをやったらどうでしょうか、というスタンスです。
なるほど。
この視点はともすれば抜け落ちちゃいそうですよね。
> だって、今は0点なのですから。
それはキビシイ。(笑)
> 今までのファンあるいはマニアと、新規ユーザーの定義が違って
> いるのかも知れません。
確かに、ユーザーにとっての「おもしろさ」をセグメント化してみるに、マニアとその他が一番しっくりくるでしょうね。
(バーチャファイターに代表される格闘ゲームがその典型。)
まぁ、言ってしまえば、「どこでおもしろいかは人それぞれ」ですが。(爆)
> 成功するしないは別にして、これだけ大量に大作を排出してきた
> メーカーは他にありません。冷静に見た場合、大変面白い素材です。
ふむふむ。なるほど。
確かに、「大作主義」というスタンスは、ゲーム業界内だけでなく、全産業において唯一の存在ともいえるかもしれませんね。
今のコンシューマーゲームソフト業界でのビジネスモデルを想起するに、そのスタンスは最適のような気もします。
ただやはりゲームビジネスは水商売でしょうし、その回転がくずれた時(ex.FFがこけた)がこわい。
> そういう意味では、彼の頭にバランス感覚はあると思います。
> もちろん、彼が考えている「映画」とゲームへの応用には疑問がありますが。
前回メールを送った前後に、PS2の記者発表がありましたが、そのコンセプト〜エモーションシンセシス、スペックを見るに、こだわりあったゲームの新たな可能性が見えてきたような気がしました。
PSでは、モーションキャプチャーでとりこんだ3Dをポリゴン・レンダリングで再生→映画的ゲームだったのが、PS2では、動きを全て数式化(物理シュミレーション化)し、インプットした数字(命令)を計算し3Dを生成→インタラクティブなバーチャルワールドを実現。
PSでのグラフィックシンセシスを、より微妙でやわらかな、そのキャラクタの知性や感情が伝わってくるような動きを生成する=エモーションシンセシスをPS2で実現。
さすがはSony。
ただの高性能な3Dゲーム機をつくっただけのSEGAとは発想からして違います。
それだけでなく、動きをすべて数式化できるなら、とんでもなくテマヒマカネのかかるモーションキャプチャーが不要になるはず。
いやはや。
> はい。でも、問題なのは、テイストって「やってみないと分からない『らしさ』」
>
ですよね。ここで大事なのは「やる前から感じる『らしさ』」なんです。
あのCMをはじめとしたメディアへの露出から、「すんげーCGのゲームをつくる会社だろ?」かな?
> ごめんなさい。
> ”ゲーム業界特有のAIDMAの法則”が良く分からないので、お答えできないのです。
あ、すんません。
本文中にあったゲーム業界特有の購買法則を、マーケティングのAIDMAの法則になぞらえただけです。
> 全部使います (笑)
1通の巨大メールになったらしい。(笑)
【お返事】
い、いきなりスクウェアですか (笑)
>冒険なのか単にとちくるっただけなのかの判断はつきかねますが。(笑)
あはは。基本的には私はスクウェアのファンなので、良い方に理解します (笑)
>本件は、自分達の得意分野でちょっと試してみるという、
>スクウェアのある意味での堅実さを垣間見たような
>エピソードの気がします。
そうかもしれません。
でも、私は彼らが RPG の文法から抜け出て、かつ、自分達の得意な
RPG のベースをもったままの新市場を開拓するための実験作、という気がしました。
それが成功すれば、どのメーカーもできない自分だけの市場が出来上がります。
残念ながら、大失敗でしたけど (笑)
>あ。どっちもまだやってない。(爆)
あああ。FF8はまだしもパラサイトイブは、やって、やって (笑)
ただ、どうも RPG
好きの人には「ゼノギアス」の方が評価が高いようですけど。
>インフラ(なんでもvsプラットフォームの性能の範囲内)も
>楽しみ方(受動的vsインタラクティブ)も違うのだから。
同感です。
ただ、映画は総合エンターテイメント産業と言われるだけあって、かなりバランスが良いエンターテイメントであることは事実です。
ピカソのように、まず、これを模倣して、そこから独自路線をという方向性は正しい (つまり、効率がよい)
とは思います。
>今の体制で、RPGに限れば、十分たいしたものが作れるのだから、
>拡大を意識しなければACTやSTGに手を出す必要はないと思いますが…。
問題は、企業であるからには拡大を意識せざるを得ない、ということです。
また、今でこそちょっと下降気味ですが、ゲーム産業が本質的に将来性のあるものであればなおさらです。
逆に言えば、拡大路線 (=欲) がないところは、安心でもつまらない企業になってしまいます。
>「RPGの進化・深化」に、ACTやSTGを手がけたことが
>シナジー効果をうむとはとても考えられないのですが…。
同感です。
アクション RPG とは言っても、「フロントミッション」のシューティング版
(タイトル忘れた) や「武蔵伝」が失敗したので、そろそろ懲りても良いと思うのですが。
ちなみに、聖剣伝説は同じアクション
RPG といっても、RPG ですから。
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>まぁ、言ってしまえば、「どこでおもしろいかは人それぞれ」ですが。(爆)
あっ、それを言っちゃあ、おしまいよ (笑)
元々、マーケティング、特に価値観分析等の手法は「好みを数値化して分類化する」努力のたまものですもの
(笑)
>ただやはりゲームビジネスは水商売でしょうし、
>その回転がくずれた時(ex.FFがこけた)がこわい。
ボスコンのプロダクト・ポートフォリオの例を出すまでもなく、回転を崩さないようにする戦略は、基本的には一般メーカーもゲームメーカーも同じだと思います。
違いがあるとすれば、商品のライフサイクルの長さですが、考えようによっては、「FF」というブランドはすでに10年も存在していますので、ブランド構築という意味では同じ事です。
>さすがはSony。
>ただの高性能な3Dゲーム機をつくっただけのSEGAとは発想からして違います。
>それだけでなく、動きをすべて数式化できるなら、
>とんでもなくテマヒマカネのかかるモーションキャプチャーが不要になるはず。
確かにそうですね。
RPG とシミュレーションしかやらない私は、個人的には、やたら読み込みの遅い
CD-ROM とメモリカードが改善されるのが最大の魅力ですが (笑)
せめて、スーファミ時代に戻って欲しい。
すんません。超個人的な感想です (笑)
>あのCMをはじめとしたメディアへの露出から、
>「すんげーCGのゲームをつくる会社だろ?」かな?
はい。それに加えて、過去のスクウェアのゲームをやった経験です。
ある意味、大手でゲームの質が均一なのはスクウェア
(とコーエー、アトラス) くらいです。例えば、コナミなんかはクソゲーと面白いゲームの差が激しいので、ブランドになりません。
>本文中にあったゲーム業界特有の購買法則を、マーケティングのAIDMAの
>法則になぞらえただけです。
了解です。
>1通の巨大メールになったらしい。(笑)
ははは。ああいうのも面白いです。
ゲーム業界・音楽業界・雑誌業界等は、マス商品であるにも関らず、なかなかマーケティング・コンサルが入り込めないだと思っています。
森さんなら、スクエアに対して(ゲーム業界に対して)どんなコンサルを導入するでしょうか?
その辺りを今度、個別にディスカッションして見たくなる文章です。
今回の話しは、ゲーム業界にも「ブランド・マネジメント」が通用するし、必要だという話しに見えます。この件はまったく私も同感です。
ゲーム業界は、子供だけのものでも無く、例にあった音楽業界や雑誌業界(私は結構近いと思いますが...)よりも、ターゲット領域は広く多様化していると思います。(潜在的にはもちろんですが、既に顕在化している部分も大きい)
したがって、マスマーケティングの重要度は疑う必要も無いと思いますが、どうも「特殊な市場」と「未熟な産業」ということを必要以上に信望していることが、このマーケットの阻害要因となっているのでは無いかと思います。(うーん、何で?何で?攻撃を森さんから受けそう...)
<コメント覧が小さく文章の前後の確認に取れないので散文になってしまうので心外ですので、唐突にまとめますが...>
■ゲーム業界におけるマーケティング導入戦略について、是非ディスカッションさせてください。
この業界は個別商品(タイトル)のマーケティングというよりもマーケティング発想をどう啓蒙し現実のアクションプランに落とし込めるかが重要だと考えています。
例えば、ターゲティングは正しいのか?今のままでいいのか?ということを考えると、前にも話したと思いますが、私の義理の両親(70才と66才)は3年前にスーファミを買い、今はPSもいつの間にか買って遊んでいます。(中心は囲碁ですが、「ぬし釣りシリーズ」にはまったりもします)
→この様な、現状のコアユーザーとは異なる潜在需要を掘り越すことなんか今のゲームメーカーは考えていないと思います。(注:ソニーは考えていると思いますが...)
ちなみに私は、ファミコン世代の割には、あまりはまらなかった人間であり、現状は中止者です。ゲームは好きですが、そこに時間とお金(エネルギー)を投入する気持ちに今はなれません。
勤務中に書いているため、まとまりが無くなりましたが、これにて失礼いたします。
それにしても、皆さんのコメントは大変参考になります。それにコメントを返している森さんも凄い!!の一言に尽きます。
追記:たまには、森さんと●●や▲▲関連以外の話題でエキサイトしたいと思います。
【お返事】
先日は助かりました。ありがとう、って、プライベート・メールを出してどうする (笑)
>森さんなら、スクエアに対して(ゲーム業界に対して)どんなコンサルを導入す
>るでしょうか?
まぁ、これは、個別の話として、今度あった時にでも話しましょう。一般公開する内容じゃなさそうなので (笑)
>したがって、マスマーケティングの重要度は疑う必要も無いと思いますが、どう
>も「特殊な市場」と「未熟な産業」ということを必要以上に信望していること
>が、このマーケットの阻害要因となっているのでは無いかと思います。(うー
>ん、何で?何で?攻撃を森さんから受けそう...)
あっ、先に言われたぁ (笑)
この文章のままでは「何で?何で?攻撃」をしたくなりますよ。特に、和田君はプロなんだし
(笑)
>→この様な、現状のコアユーザーとは異なる潜在需要を掘り越すことなんか今の
>ゲームメーカーは考えていないと思います。(注:ソニーは考えていると思いま
>すが...)
このメールをもらった直後にプレステは「大人のゲーム」キャンペーンを始めましたよね。このあたりの議論は個別にやりましょう。
>それにしても、皆さんのコメントは大変参考になります。それにコメントを返し
>ている森さんも凄い!!の一言に尽きます。
楽しいから、気になりません。
これが仕事なら、生産性や利益を考えてしまう
(笑)
>追記:たまには、森さんと●●や▲▲関連以外の話題でエキサイトしたいと思い
>ます。
どーぞ、どーぞ。
と言いながら、この前もその話で盛り上がっちゃいましたね
(笑)
>今の子供の世界は、実はものすごく制約だらけです。
>その中でゲーム「だけ」は自分の自由になる。
>でも、我々大人はもっと自由なことを知っていますし、昔は自由だったので首をひね
>っている、というのが実状のような気がします。実は、子供の「奔放さ」のニーズは
>変わらないのではないか、という感じさえします。ただ、それが「ゲームが『自由だ
>と思ってしまうのはかわいそうだ』」という議論になるのは大変良く分かります。
そうそう、そこです。ありがとうございます。
ですが、別に時代は移って我々は月に住んでいると言う訳ではありません。
要は、親御さん(特に大都市の)がどれだけ自分の子供時代を子供たちに伝えるか、だと思います。
私は生まれ育ちが目黒区東山、電車の駅で言うと東急東横線中目黒駅です。
私が暴れまわった40年代始め頃は、代官山は原っぱだらけ、環六沿いは木造2階建てのお店屋さん、私の家(今の環六青葉台1丁目交差点の近く)のそばには少年野球を3つ同時に出来るほどの原っぱがありました。ヒルサイドテラスは、、、、原っぱでした。
その中で遊んで学んだ事は、(女の子ですが)私の子供に伝え様と努力しています。
もしかしたら、私のTVゲーム嫌いは「失敗が自分の直接的な痛みとして返ってこない」ことによるのかもしれません。
インベーダーゲームで、「100円で死ぬまで続けられる」程だったのに、勝手なもんです。
結局、体育会系なんでしょうか…
>花王のフロッピーは実に巧妙なブリッジ戦略で成功しました。
>市場の変化で、フロッピー自体の利益率が低下したので、先日撤退しましたが、シェ
>アはトップクラスでした。
>このヒミツは、「界面活性技術を応用した花王のフロッピー」というコピーです。
>界面活性剤はご存じのように洗剤の技術です。これに秀でた花王が同じ技術を使って
>フロッピーを製造したのは、充分説得力があります。
そうですか、売れてたんですか。私の周りで使っている人が居なかったので、誤解してました。
何か泡立ちそうな感じがありました。
つい偏見を持っていました。「餅は餅屋」と思っておりました。
「トップクラスのシェア」というのは、花王の例の信じられないような網の目販売網の成果でもあるのでは?
オフィスに入れる洗剤や何かと一緒に販社経由で他より値引きして入れたとか。。。。
想像ですけど、小売だけでは「トップクラスのシェア」は難しかったように思います。
森さんには釈迦に説法と言う感じですが、それまでとまったく違った小売流通に商品を流すのはこの国ではかなり大変な作業です。ましてやToiletryからElectronicsです。販社経由の押しこみや流通マージンの掟破りアップでもしない限り、参入は難しかったように思います。
だから撤退したのでは???
>ブランドというか「よらば大樹」の確立がまだまだ下手な業界、というのもあります
>が、「個別の価値観を大事にする」という従来とは違った国民性をすでに70年代後半
>から持ち合わせています。
どちらかと言うと産業材に関しての広告宣伝活動が多かったので、この「個別の価値観」と言うのが私にとっては曲者です。産業材にとっての「個別の価値観」はその製品が潜在顧客の持つ問題をどの程度解決できるか、という極めてロジカルな理由で決まります。
「今使っている素材は、耐熱温度が希望より少し低いので、その分ラインの歩留まりが悪い」って感じですよね。
ところが、個々人(一般消費者)になると、「私これ、なんか好きじゃない」で終わってしまいます。
頭痛いです。と言っても、実際は「ある特定グループの」個別の価値観が問題なのですから、(2―3人相手じゃ商売になりませんもんねえ)根本は産業材とまったく同じだあ!!!!!
と自分に言い聞かせながら、例えばリサーチに現れてくる勝手な個人の言い分は「アホ!」の一言で済ましてます。
(済ましたいです。でも、気になるんですよね、これが)
>大丈夫です。メールアドレスをどこかに書いていただければ、誰からか分かります。
>あっ、大久保さんの場合は
offcttだけでも十分に分かります (笑)
恐れ入ります。^_^;
来月から新しい期が始まるクライアントのCommunicatons Planが重なってちょっとパニック。
いつまでたっても「右から左」に機械的に事を進めることができない性分は、森さんも一緒かと推察しております。
勝手な思い込みですけど。
損ですよねえ。
「あ、その新製品、ばっちりいけますよ(たぶん)!広告やりましょ、イベントしましょ、盛り上げましょう!」
なんてとても言えません。
【お返事】
>私は生まれ育ちが目黒区東山、電車の駅で言うと東急東横線中目黒駅です。
>その中で遊んで学んだ事は、(女の子ですが)私の子供に伝え様と努力していま
おおお、私も神宮前小学校、原宿中学と現在のオシャレになる前の原宿住まいですので、当時は池や川や原っぱがたくさんあったのを経験しています。
そういう意味では、私も娘には泥んこで遊ばせる環境を選んできました。
ただ、大久保さんとどこかで違って、娘にゲームをやらせるようになりましたが
(笑)
娘との接点がそれしかなかった私の環境のせいかもしれません
(笑)
>何か泡立ちそうな感じがありました。
ははは。私も最初はそう思いましたもの (笑)
>森さんには釈迦に説法と言う感じですが、それまでとまったく違った小売流通に
>商品を流すのはこの国ではかなり大変な作業です。ましてやToiletryから
>Electronicsです。販社経由の押しこみや流通マージンの掟破りアップでもしな
>い限り、参入は難しかったように思います。
同感です。
細かい事情は私も知りませんが、容易に想像がつきます。
>ところが、個々人(一般消費者)になると、「私これ、なんか好きじゃない」で
>終わってしまいます。
個人としての価値観分析は長年やっていますので、逆に産業材についてはまったく素人です (笑)
ただ、個人の価値観では「私これ、なんか好きじゃない」という尺度では図りません。詳しくは避けますが、もっと「人生の生き方」のようなところの話なんです。
>いつまでたっても「右から左」に機械的に事を進めることができない性分は、森
>さんも一緒かと推察しております。
ご明察です (笑)
ただ、ビジネスでは、どこかで割り切らないと、我々のような商売は利益が残らないのが悩みです
(笑)