うまく言えないのですが、
「或るものを売ろうとする時は、それが使われるシーンだけではなく、
もっと広くあらゆるシーンを想像すればそこに別の市場が見えてくる」
というように理解しました。
その商品が24時間どのように生活しているのか(生活させられているのか)ということですね。
ノートパソコンとシステム手帳では、スケジュールや住所録の利用というシーンだけではなく、かばんの中でふんぞり返っているノートパソコンを想像すれば、そこにかばん市場が見えてくるというわけですね。
しかし、”初代シビックの開発は「若者の財布市場で」海外旅行を競合と想定している”という点はなんかしっくりきません。車と海外旅行との間にここで言われている意味での共通の市場があるような気がしないのです。
ここまで共通の市場を当てはめてしまうと、何となく強引で”江戸の敵を長崎で討つ”というような言葉が浮かんできます。
一生懸命お金をためて、旅行にしようか、それとも車にしようかという競合はあるにしても、”車にしよう”から”シビックにしよう”とはならないはずです。海外旅行を競合と想定した結果、それが実際の車作りにどのような影響を与えたのかが書かれていないので、しっくりこないのかも知れません。