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情報の洪水がもたらすもの【迷惑メール】 2005.6.1

個人情報保護法より身近な迷惑メール

迷惑メールが氾濫しています。
いや、今に始まったことではないのですが、ここにきて急に注目を浴びるようになりました。
常時接続が当たり前になり、ネット人口も増えたせいです。

ドコモでは、メール総数の半分近くがこういった広告メール(以下、迷惑メールと一括します)であるといいます。
いくら設備を増強しても、本来のユーザーではなく、ただ乗りの業者に使われてしまう。
企業としても頭を抱える問題です。

迷惑メールは携帯電話だけではありません。
パソコンの方がある意味深刻です。
シストラットにもずっと以前から迷惑メールが大量に届きます。
HPやメルマガで公開しているアドレスには、1日200通くらいの大量の迷惑メールが届くのです。
そして、その7割がウィルスメールというおまけつきです。

ウィルスのほとんど全てがウィンドウズ用なので、シストラットではマッキントッシュでメール受信を行っているだけでもウィルス対策はばっちりです。それに加えて様々な対策を施しているので、今まで数万通を受信しても、ただの一回もウィルス被害に遭ったことがないのが救いです。

しかし、それらのアドレスには問い合わせなどのまともなメールも届くので、整理は人海戦術に頼らざるを得ないところがあるのです。
毎日、アルバイトが30分〜1時間かけて整理をするので、その人件費は年間50万円近くにも及びます。

一方、私個人のメールとなると、またちょっと様子が異なります。
ウィルスメールはほとんど来ませんが、ろくでもない広告メールが殺到してきます。
「人妻の誘惑」「素敵な出会い」「あなたの知り合いの女性のAVを撮ります」などなど、エッチ系花盛り。
あ、もちろん、これらは私がエッチ系のHPにアクセスしているからではありません(^^;
あ、いや、エッチ系は見ないわけではありませんが…あ、いえ、アセアセ。

その数は1日数10通。
月間で500通を越えるわけですから、無視できない数です。

さて、個人情報保護法が施行された今、大きな視野ではプライベート情報の漏洩が問題視されています。
しかも、通販やプロバイダの個人情報が漏れて大騒ぎとなり、つい先日、クレジットカードの情報が数1000万件も盗まれたばかり。フィッシング詐欺やカード盗用など、犯罪の話題にも事欠きません。

しかし、それらは私たちにとって「身近な存在」ではありません。
防衛することに越したことはありませんが、一生、犯罪と出会わない人が大半ですから、どこか対岸の火事的な部分があります。

しかし、迷惑メールとなると、インターネットやメールを使う人のほとんどが遭遇するものです。
今回は、個人情報保護法という大きな視点ではなく、迷惑メールという身近な存在をテーマとしてお送りします。

記事構成は「迷惑メールを撲滅する奮闘記」のようにしています。
タマネギの皮を剥がすように、ひとつひとつ洗い出したものの先にあったものは、マーケティングを題材とするこのメルマガにふさわしいものになってしまいました。
まずは、ご覧あれ。

迷惑メール、1ヶ月に500件に急増

さて、話を進める前に私のメールの環境をお話ししなければなりません。
というのも、多くの読者がそうであるように、私もまた、複数のメールを使い分けているからです。
後述するように、削除したものを含めると、なんと16個もあります。
現在、使用しているのは、そのうち6個。それでも多い。

最初はもっと単純でした。
仕事用のアドレス、プライベート転送アドレスと、メールを受ける実際のアドレスの3本だけ。
ところが、プライベート用の転送アドレスに迷惑メールが届くようになってから、ことが始まりました。

このプライベート用転送アドレスはほぼ10年前に取得したものです。
ちなみに、転送アドレスとは、それさえ友人に教えておけば、プロバイダが変わっても今までと同じように連絡が取れるためのものです。
もちろん、アダルトサイトで使用するときや、女性がメールをやりとりする時など、プロバイダのアドレスでは色々と不都合が生じる時に利用するケースも多々ありました。

当時、いくつかの転送サービスがある中で、私が選んだのは、新聞社(の関連会社?)が運営しているサービスでした。

そのアドレスは数年にわたり、とても活躍してくれました。
3年前に開設した趣味のHPのサイトのアドレスとしても利用していたほどです。最初の8年間は静かでした。

さて、2年前から一気に迷惑メールが増えてきました。
それまでは、せいぜいが1日0〜3件だったものが、1日に10〜20件になってしまったのです。
シストラットの代表アドレスには1日200件のウィルスメールが届きますが、私個人のアドレスにこんなに大量に来るのは初めてです。

しばらくして、あれよあれよという間に数倍にも膨れあがってしまいました。
大量に届く前のデータはありませんが、その後のデータを見てみましょう。
迷惑メールを捨てないで、残しておいた2003年8月から、現時点の2005年6月の22ヶ月の間に受信した迷惑メールの総数は5,596件にも登ります。
会社に届いたメールではありません。私個人、たった一人の件数です。

【森個人に来た迷惑メール】

年月 件数
2003年8月 ほぼ0件
2003年9月 166件
2003年10月 327件
2003年11月 390件
2003年12月 523件

迷惑メールの被害

メールを受信するだけなら、数10秒で済みます。
また、私のパソコンはマックで、かつ、ウィルス対策は二重にも三重にも施しているので、一見、大したことはありません。

ところが次々と不便なことが起こってしまいました。

●メールの整理に膨大な時間がかかる

私は、プライベートと仕事のメールを同じメールソフトで受けているので、たまりません。どれが仕事のメールなのか、どれが迷惑メールなのかを判別するだけでも大変な作業です。

タイトルや発信元アドレスで判断できるものは判断しますが、本文を読まないとわからないものまで出現。
しかも、外資系の仕事もあるので、英文だからといって、一気に迷惑メールとするのは不可能です。

毎日、出社すると、その迷惑メールの処理だけで15分も費やすハメになったのです。一見、大したことがないように見えますが、塵も積もれば山となります。1ヶ月で8時間。年間で90時間の無駄な時間を使わなければならないのです。プロジェクト数本をこなすほどの時間です。

●仕事のメールを見逃してしまう危険性がある

大量に迷惑メールが届くと、それに紛れて仕事のメールを間違って迷惑メールと判断してしまう危険性があります。
幸いにして被害はありませんが、そんなことに神経を使うくらいなら、仕事に使いたいのが本音中の本音です。
従って、迷惑メールはゴミ箱に入れないで、専用のフォルダを作って、その中に保存しています。仕事のメールを間違って消してしまわないためです。

●ウィルスなどの危険度が高くなる

ウィルスソフトを入れただけの一般の人たちにとっては、危険度は低ければ低いほど望ましい。

ウィルスの感染経路で一番多いのがメールです。約半数がメール経由でウィルスが送られてくるといいます。
従って、迷惑メールの数は多ければ多いほど、ウィルス感染の危険は高くなるというわけです。

ウィルスソフトは万能ではありません。更新していなかったり、更新よりも早く広まるウィルスには太刀打ちできないからです。

●携帯電話がすぐに電池切れになる

携帯電話にも被害が及びます。
携帯に迷惑メールが大量に来ると、すぐに電池切れになります。音声通話より電池を余計に消費するので、いざというときに電池がなくなり、連絡が取れなくなったら、シャレにならない事態になりかねません。

●海外出張時に携帯電話のメールボックスが一杯になる

海外に出張してメールボックスをチェックできないと、転送されたメールでドコモのメールボックス容量が一杯になり、メールを受けつけてくれなくなります。

仕事のメールはパソコンのアドレスに送られるので、「メール容量が一杯でしたので、受信できませんでした」というメッセージが携帯電話側から送信者、つまりクライアントに送られてしまいます。
心配になったクライアントは何回もメールを送ってしまう。しかし、何回も戻ってくる。信用問題になりかねません。

●とにもかくにも不愉快になる(笑)

精神的な被害は「Priceless」ですが、すっきりしない毎日を送るのは、やはり避けたいものです。
「リッチな奥様との裸のお付き合い」「女性増加のため男性緊急募集!&特典超増加!」などといった文言が踊るメールを受信するのは、私は気になりませんが、職場で妙な誤解を受けたり、自宅で配偶者から痛くもない腹を探られる可能性のある火種が来るのは精神衛生上、良くない。

【以下、小見出しと最初の段落のみをご紹介します】

ウィルスの被害を再確認(この章は知っている方は読み飛ばしてください)

話はずれますが、悪質なウィルスにかかったことのある人は、その被害がどれだけのものかは身に染みて分かっています。しかし、多くの人は実感がわかないのもまた事実です。

簡単に整理してみましょう。
ウィルスにかかると何が起きるか。

次々と対策をほどこしてみる

【対策その1】新規転送メールを作る

毎日の迷惑メール攻勢に悲鳴を上げた私がしたのは、新しい転送メールアドレスを作ったことです。
携帯電話でも良くやる手です。携帯電話ではアドレスを変えてしまえばいいのですが、パソコンではそういう訳にはいきません。だから、新しいアドレスを作る必要がありました。

パーミション・マーケティングの実態

結局、ほとんどの企業で「メール配信解除」の手続きを取りました。
しかし、購入したソフトのバージョンアップの情報だけはないと困りますので、それは残しました。

その結果、迷惑メールは一気に減りました。

アンチ派を生むパーミション・マーケティングとは

これで、ようやく静かになりました。
しかし、後日談があります。
ソースネクストの携帯電話ソフトは価格の割に大変良くできていますし、十分満足しています。開発陣は大変良い仕事をしている。

後日談 - ヤフーオークションからの被害

さて、後日談です。
一旦収束したかのように見えた迷惑メールがまたまた勢いを戻してきました。
2004年12月には1ヶ月28件(ピーク時の523件と比べると95%も削除)だったものが、半年もしないうちに、629件と以前より増えてしまいました。

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