読者の声 : 99.9.22号 (7/8)

励ましや、おしかりの言葉、ありがとうございます。

他の読者の方々の中にも、同じご意見を持った方がいらっしゃるかも知れません。自分の考えをまとめるための参考になる場合もあります。だから、「読者の声」は大事にしたいと考えています。
原則として、原文を掲載しています。新しい声から順番にご紹介しています。

それぞれの方々へのご意見もお待ちしています。
こちらのフォームで投稿するか、voice2@systrat.co.jp へお送り下さい。

この色は皆さんの声 (お返事付) この色は皆さんへのご意見です
この色は皆さんの声 (お返事なし)

われぇ、なんぼのもんじゃい! 99.6.1 掲載

 <山田さん> 【気持ちが焦ります】

        「」99.7.23

【関連の「声」】

 <大石さん> 【がんばろうと思います】

<大石さん> 【がんばろうと思います】への森さんのコメントを読んで送りました。

 社会人1年生の私にはとてもためになるお話です。ディスプレイの前でなんどもうなずいてしまいました(笑)

森さん:
>記事とは矛盾しますが、新入社員は甘えても良いと思います (笑)
>「オレは新入社員なんだ。だから、先輩のように会社に還元できないのは当
>たり前だ」という開き直りです。私の22才の時がそうでしたもの (笑)

 私の場合は変なケースで、私には仕事上の先輩がいないのです。上司は居ますが。
事業を広げて行く上での先行投資みたいな形で雇われて(その事に対しての下地のような知識を買われて)、会社が新しくすることを私がやるという感じです。だから、まだ私はお金を生み出してません。毎日、会社に行っては参考書やWebを見ながら勉強しています。高校を卒業したばかり、社会に出たばかりの私にとってはかなり無謀をやっているのかな?って思ったりします(笑)

 「早く金になる人間にならなくては」と、気持ちが焦ります。
 それなので・・・

>それよりも (会社の方針にもよりますが)、「5年後にはまかせとけ」という
>長期的な視点の方が、結果的に成長すると思います。

 5年後では遅いのです(^^;)
 それでも、5年後を見ておいたほうが良いのでしょうか?
 それとも、1年後辺りの方が良いのでしょうか?
 あ、ちなみにインターネット関係の仕事です。


【お返事】

> 5年後では遅いのです(^^;)
> それでも、5年後を見ておいたほうが良いのでしょうか?
> それとも、1年後辺りの方が良いのでしょうか?

確かに、ちょっと特殊な環境ですね。
正直言えば、そんな時でも、いや、そんな時だから、5年後でいいと考えています。

山田さんは仕事を何のためにやるのですか?
新人さんには簡単に答が出ないかも知れません。
でも、もし「自分のため(自分の向上、自分の生活、自分の価値を上げる)」ということなら、あと30年以上もある「自分の将来」を考えて、5年後でいいではないですか。

もちろん、「今」成果を出すことが、「将来の自分のために」繋がることであることは理解しています。でも、それは、単に、「自分のため」の1つの道に過ぎません。
最終目標がきちんと決まっていれば、それでいいではないですか。

せっかくのチャンスだから逃したくない気持ちもあるかも知れません。
でも、焦ることと一所懸命やることとは違います。
一生懸命に仕事にぶつかることはいつの時も大事ですが、焦る「必要はない」のではないでしょうか。

それでも心配、というのであれば、5年後の大目標と1年後の中間目標とを分けて考えることをオススメします。


【お返事】

> 正直言えば、そんな時でも、いや、そんな時だから、5年後でいいと考えています。

 なるほど……¢(..

 5年後は起業を考えています。

 いま、20歳なのですが、友人に何人か面白い輩がいまして、時々呑んだりしています。「25歳までに1人1人何かを見つけて、もし出来るなら会社を建ててでっかいことをしよう」と言ってます。何故、25歳なのか?とか、すごく漠然としている話ですが…。子供の夢話の域を超えてないような気もします。現在、5年後を考えるとこのような話になりますね。

 先のメールを送った後、転職をしました。新社会人でしかも4ヶ月で転職をするというのはかなり非常識だと思います。転職をしたのは、契約時と給与面で条件が違うと言うことで、色々あったのですが。ただ、口約束の契約でしたので、私としましてはどうすることもできませんでした。

 ただ、4ヶ月間やったことが現在の職場で生きているので、まぁ、良い経験だったのかなと割り切ってます。今度は恵比寿(広尾)です、近いですね。(駅から逆方向ですが)

> 山田さんは仕事を何のためにやるのですか?
> 新人さんには簡単に答が出ないかも知れません。
> でも、もし「自分のため(自分の向上、自分の生活、自分の価値を上げる)」
> ということなら、あと30年以上もある「自分の将来」を考えて、5年後でいい
> ではないですか。

 はい、自分のためですね。
 上記3つ全てです。仕事をすることによって、様々な経験をし、自分自身の向上・価値をあげたいと考えています。それによって収入があがれば自分の生活も良くなるかなと。

> もちろん、「今」成果を出すことが、「将来の自分のために」繋がることである
> ことは理解しています。でも、それは、単に、「自分のため」の1つの道に過ぎ
> ません。最終目標がきちんと決まっていれば、それでいいではないですか。

 そうですね、その通りだと思います。

> せっかくのチャンスだから逃したくない気持ちもあるかも知れません。

 それはありますね。

> でも、焦ることと一所懸命やることとは違います。

 この言葉が一番響きました。

 森さんの書かれていることを読んでますと、とても勉強になります。
ある意味先生のような気がします。「私はこう見る」のページを見つけたことはとても自分にとってプラスになりました。

> それでも心配、というのであれば、5年後の大目標と1年後の中間目標とを
> 分けて考えることをオススメします。

 そうですね、やってみます。

 <電気屋さん> 【我々スペシャリストにとって追い風】

        「かなりおもしろい」99.7.02

おっしゃる通り日本の企業では、まだまだ内部コストに関する意識が低いように思います。
物品の購入や外注費の支払には神経質になる癖に、会計上は露出しない内部コスト例えば、予め論点の告知されていない日だまりの縁側のような会議、その人がやらなくても済むルーチンな仕事、連絡ミス・モレによる戻り作業・待機時間etc.、至る所で大盤振る舞いしています。
多分2つの要因があると思います。

・社員が自分の市場価値(いくら売り上げているか)と森さんのおっしゃる「給料の価値」を知らない。あるいは、そういう事をオープンにする風土がない。

・業務のプロセス分析が未熟で、タスク分割ができておらず属人的になっているため、より低コストの代替手段(アウトソーシング、情報システム)の活用が進みにくい。

私自身は、昨年フリーランスになった際に、自分のコスト(時間あたり)を設定しました。
かならずしも、それを上回る売り上げがある訳ではありませんが、自らのディシジョンの物差しとして、この自分のコストを使っています。
通勤に小田急ロマンスカー(\410、全席指定)を使っているのは、30分が有効に使えるなら、自分のコストに比べて断然お買い得!と判断しているからです。
フリーのソフトウェアをオンラインで30分掛けて Download するなら、書店で\3,000の同種のソフト本を買った方が良い、と判断する訳です。
(大体の自分のコストがばれてしまいました?)

「プロジェクト計算」という事に関しては、幸い私の属するソフトウェア業界では、プロジェクト型ビジネスがメインということもあり、比較的プロジェクト内原価および品質の管理はできており、この部分は難易度が低いから安くやってくれるA社に頼もう、ここは最新技術が必要でプロジェクトの鍵となる部分だから多少高くついても信頼できるMさんのいるB社にお願いしよう、となる訳です。
きっと森さんはB社の人なのでしょう。

でも、森さんの言う「いくら需要が多くても価格は一定」になるのは、多分に労働集約型産業であるからで、もしいつの日か『Mさん製造機』(?)が発明されれば、一転して装置産業になり、需要と市場価格が密に連動することでしょう。

あと、仕事の分かりにくさも関係するかも知れません。
たとえば、レタスを自分で作ろうとすると、畑を用意し種を蒔き肥料と水をやり害虫に気を付け愛情を込め収穫しなければなりません。
だったらスーパーで200円で買うよ!となります。
しかし、Mさんの場合、いきなり1,000万円という数字がクライアントの目に留まって、そんなに払うんならA社でも良いんじゃないか、ひょっとして社内でも出来るんじゃないか?ということになり食えないレタスを作ってしまう訳です。しかも内部コストは1,000万円を超えてしまったり。(きっと)

なんだか長くなってしまいましたが、日本の企業がコスト意識をシビアに持つようになることは、きっと我々スペシャリストにとって追い風になると思います!!


【お返事】

>多分2つの要因があると思います。

まったく同感です。
この2つは密接に関係していて、前者の風土を持つ組織は後者をきっちりやっているケースが多いです。

>私自身は、昨年フリーランスになった際に、自分のコスト(時間あたり)を設定
>しました。

フリーや独立する時にはいいきっかけになりますね。
ただ、これをしないで脱サラをする方も多く、ヒヤヒヤしてしまいます。
そのほとんどが失敗していますが、会社は設立1年で倒産する割合が70%といいますから、直接的な原因ではないのでしょう。

>(大体の自分のコストがばれてしまいました?)

はい (笑)
さっき、電卓で・・ (笑)

>「プロジェクト計算」という事に関しては、幸い私の属するソフトウェア業界で
>は、プロジェクト型ビジネスがメインということもあり、比較的プロジェクト内
>原価および品質の管理はできており、

確かにそうですね。
このメールマガジンの読者にはソフトウェア業界の方が多いので、今回の記事はちょっと意識しました。

>多少高くついても信頼できるMさんのいるB社にお願いしよう、となる訳です。
>きっと森さんはB社の人なのでしょう。

はい、そうです (笑)

>でも、森さんの言う「いくら需要が多くても価格は一定」になるのは、多分に労
>働集約型産業であるからで、もしいつの日か『Mさん製造機』(?)が発明され
>れば、一転して装置産業になり、需要と市場価格が密に連動することでしょう。

そうなんです。それがかなわない現在、いかに森クローンを作るかがテーマですが、本人の意向の問題もありますので、なかなか簡単ではありません。

>出来るんじゃないか?ということになり食えないレタスを作ってしまう訳です。
>しかも内部コストは1,000万円を超えてしまったり。(きっと)

分かりやすい例ですね。これは頂き (笑)
PI や企業アイデンティティは、特にこの業界では大切になるのは、ご指摘の原因が深く関係します。そういう意味で、例えば、マッキンゼーのアプローチは見事だと思います。
シストラットはチャレンジャーの戦略ですから、同じ事はやりませんが(私の性格からいっても、「できない」と言った方が正しいかも)

>日本の企業がコスト意識をシビアに持つよ
>うになることは、きっと我々スペシャリストにとって追い風になると思いま
>す!!

同感です。
コスト意識をシビアに持たれると受注コストが下がってしまうので嫌だ、という声も聞きますが、本当の意味でのコスト意識なら、クライアントもスペシャリストも落ちつくところに落ちつくのだと思っています。

「ひゅーひゅー」桃天は本当に売れる戦略か?【JT桃の天然水】

  98.7.16 掲載

 <まさこさん> 【視聴者を購入に走らせたCMと、そうでないCMの差】

        「ややおもしろい」99.6.21

私は今大学で経営学部の市場システム学科にいます。
三月に、ゼミの活動の一環としてJTに企業訪問に行ってきました。今、東京訪問の報告としてJTの飲料部門についてのレポートを書いていますが、なかなか難しいです。

この記事では、桃天が売れたのは「もともと味がよく、知名度があがったから」だといっていますよね。 よくCMで見るけど一回買ってみようかな、と買ってみたらおいしかったのでリピーターが増えた、ということでしょうか。それ自体にはなるほどとおもうのですが、ここでひとつ疑問があります。

それではなぜ「VICYORIA]はあれほど広告を打ったのにもかかわらずヒットしなかったのでしょうか。おいしくない、という理由もあるとおもいます。私は実際に飲んでみて、あんまりおいしくないな、とおもいました。

けれども、私がVICTORIAを飲んでみたのは、JTに企業訪問に行ってJTの商品に興味があったからです。私の周りにいる友達は、「VICTORIA」という飲料の存在事態は知っているけれども飲んだことがある、という人が少ないんです。

なんだか分かりにくい文になってしまいましたが、私が 指摘したいのはつまり、桃天のCMを見た人は桃天を買ってみたのに、VICTORIAのCMを見た人は、必ずしもVICTORIAを買っていないという点なんです。視聴者を購入に走らせたCMと、そうでないCMの差は何なんでしょうか。

別に華原朋美さんが特別好感度の高い人だったというわけではないようにおもうのですが。むしろ、嫌い、という人も結構多いとおもうし。その辺のところと、ブランド戦略についてまとめたいのですが、なかなかむずかしいです。


【お返事】

>なんだか分かりにくい文になってしまいましたが、私が 指摘したいのは、
>つまり、桃天のCMを見た人は桃天を買ってみたのに、VICTORIAの
>CMを見た人は、必ずしもVICTORIAを買っていないという点なんです。
>視聴者を購入に走らせたCMと、そうでないCMの差は何なんでしょうか。

疑問はたった4行ですが、回答は本1冊にもなってしまう問題です。
簡単にお話しさせて下さいね。

売れる、という要素は広告だけではありません。

●商品のデザイン
●売っている場所
●クチコミ
●販売促進活動
●その他

また、生活者の購入に至るまでの心理要因にも段階があります。
DAGMAR理論と呼ばれますので、調べるときには参考にして下さい。

●知名
●理解
●好意
●購入意向
●トライアル(←ここで初めて1つが売れる)
●レギュラー

それぞれをマトリックスにして、どの商品要素がどの生活者の心理段階に効果があるのかを研究することになります。

広告は上記の「知名」「理解」「好意」までに効果があります。

さて、桃の天然水は「桃の味の」「天然水だ」というのがネーミングからして明確です。これは、華原朋美を使おうがどうしようが変わりません。
そして、「天然水」は現在注目されている分野ですから、「あ、新しいのが出たな」と分かりますし、健康に害がなさそうだったり、元々色々試してみたいという欲求があったりします。

また、「桃」味の飲料は今まで、ネクターのようなどろどろしたものしかありませんでした。そこに、クリアな天然水がある、つまり「今までと違いそう」という差別化要素が伝わります。

一方の、VICTORIA は名前だけを見ても、他の紅茶飲料との差が分かりません。いや、「由緒正しい紅茶です」(だったかな?)では、一体何が何だか分からない。ましてや熊のぬいぐるみを見てもメッセージは伝わってきません。

従って、桃天は商品自体がメッセージを発しているのに対して、VICTORIA は何も発していない。広告も量は多くても、中身がない。

乱暴に言ってしまえば、桃天は広告以前に商品自体が「理解」〜「好意」に行きやすいのに対して、VICTORIAはハンデがあった、ということなのです。

それぞれの方々へのご意見もお待ちしています。

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