読者の声 : 99.7.22号 (2/7)

励ましや、おしかりの言葉、ありがとうございます。

他の読者の方々の中にも、同じご意見を持った方がいらっしゃるかも知れません。自分の考えをまとめるための参考になる場合もあります。だから、「読者の声」は大事にしたいと考えています。
原則として、原文を掲載しています。新しい声から順番にご紹介しています。

それぞれの方々へのご意見もお待ちしています。
こちらのフォームで投稿するか、voice2@systrat.co.jp へお送り下さい。

この色は皆さんの声 (お返事付) この色は皆さんへのご意見です
この色は皆さんの声 (お返事なし)

われぇ、なんぼのもんじゃい! 99.6.1 掲載

 <mogu2さん> 【シストラットのプロへの育て方は?】

        「かなりおもしろい」99.6.20

コスト意識、私が最も恥ずかしく、恐ろしく思っていることです。
私は入社して4年目というのに、全く会社に貢献していません。
よく、「管理職からリストラ」なんて言われてますが、私が辞めたほうがいいのかな、なんて、考えてしまうほどです。
企業って、誰かが(森さんのような人が)人の何人分も働いてくれているから成り立っているのかな、と思ってしまいます。
ところで、新入社員のような、企業が先行投資をしている人材に対して、森さんたちはどのようにして、プロに育てていらっしゃるのでしょうか?
育ててもらう、ということ自体が甘い考えかもしれませんが、興味があります。ほんと、コスト意識って恐ろしいです。


【お返事】

>コスト意識、私が最も恥ずかしく、恐ろしく思っていることです。
>私は入社して4年目というのに、全く会社に貢献していません。

企業方針にもよりますが、4年目ならばまだ貢献していなくても恥ではありません。
それよりも長期的な視点で頑張って下さい。
でも、正直言えば、後1-2年で何とかしたいところではあります。

>企業って、誰かが(森さんのような人が)人の何人分も働いてくれているから
>成り立っているのかな、と思ってしまいます。

これも正直いえば、現実です。
以前いたコンサルティング会社でも、20%の人間が80%の売上を稼いでいました。だからこそ、それを正面に見据えて「よし、がんばろう」という気になって頂ければ嬉しいです。

>ところで、新入社員のような、企業が先行投資をしている人材に対して、
>森さんたちはどのようにして、プロに育てていらっしゃるのでしょうか?

シストラットは他の会社とちょっと違っています。
例えば、新規採用にしても、新卒はとらないのはこの業界では良くあることですが、それに加えて、経験者も採用しません。
経験者はそれぞれのクセがあります。でもシストラットは他のコンサルティング企業とは異なったやり方をするので、そのクセを外すのに本人も当方も四苦八苦するからです。

主に、一般事務経験者を採用します。デスクワークの基本ができているからです。
また、2年以上の会社づとめの経験者が採用条件です。
これは、電話の取り次ぎなどの必要最小限のビジネスマナーを知っているから、という理由もありますが、企業内での確執などの泥臭いところが1年やそこらでは分からないからです。そして、この経験はプロになった時に大きく影響します。つまり、クライアントのニーズを把握するときに、この点が分かっているか分かっていないかで、微妙に報告書の構成や視点が変化するからです。

教育という点から見ると、所帯が小さいせいもありますが、担当はすべて私です。
他の社員にはまかせません。
そして、2-3年くらいのスパンで教育していきます。
その大半が OJT でかつ、私とのディスカッションが中心です。
私のツッコミに対してどれただけきちんと答えられるかが評価のポイントです。

特に最初の1年間は私にべったりくっついて、徹底的にお教え込みます。
彼女たちに言わせると、私はかなり厳しいようで (笑)、息が抜けないどころか、良く物陰に隠れて泣いているようです。

ちなみに、以前いたコンサルティング会社では、新人にいきなり厚さ30cm以上のコンピュータアウトプットを渡し、「はい、これを今週中に分析してね」と、かなり乱暴なややり方をします (笑)
だって、「分析」ということばすら「聞いたことがある」程度の新人さんにそれをやるのですから (笑)
これはこれで1つのやり方ですよね。
実際、こういった過酷な訓練で生き残った人たちは確かに素晴らしい能力を身につけていますもの。

 <匿名さん> 【ぜひやってみたい】
        「かなりおもしろい」99.6.11

時給計算,プロジェクト計算,他人と比較する,はぜひやってみたい。

 <NABEさん> 【「2000時間」と「3倍」の根拠が知りたい】
        「ややおもしろい」99.6.10

実は少し心配しておりました。
「いつもは速攻レスで有名な森さんなのに、今回はえらい遅いぞ。ひょっとしてとうとう倒れたか?」なんて…(笑)

とりあえず返事が来たので、安心です。

さて、追加の質問です。

自分のコストを計算する際に、

「税込給与÷2000時間×3」

という計算式を使われてますね。

この「2000時間」と「3倍」の根拠が知りたいのです。

私が勤めている会社だと、年間の基準労働時間(残業0)は1800時間を少し越えるくらいなのですが、世の中的にはもう少し多いのが標準ということなんでしょうか?

また直接賃金以外のコスト(福利厚生費用など)がかかるのは当然としても、何故「3倍」なのか? 何らかの算出根拠が有るなら教えていただきたいと思いまして。

いかがでしょうか?


【お返事】

>「いつもは速攻レスで有名な森さんなのに、今回はえらい遅いぞ。
>ひょっとしてとうとう倒れたか?」なんて…(笑)

す、すみません。
ちょっとスランプ気味だったもので。

>私が勤めている会社だと、年間の基準労働時間(残業0)は1800時間
>を少し越えるくらいなのですが、世の中的にはもう少し多いのが標準
>ということなんでしょうか?

・・と理解しています。
1800時間というのは恵まれた環境だと思いますけど (笑)

>また直接賃金以外のコスト(福利厚生費用など)がかかるのは当然
>としても、何故「3倍」なのか? 何らかの算出根拠が有るなら教えて
>いただきたいと思いまして。

具体的な算出根基は企業方針によって異なります。
3倍というのは高収益企業のための目安です。一般的には2倍と言われています。
人を1人雇用すると、企業は以下のような費用がかかります。

●保険 (労働保険を含みます)
●福利厚生費 (交通費等を含みます)
●オフィス・スペース、備品等
●教育・管理

これらを合わせると、給料分くらいかかってしまうのが現状です (会社によっては、0.4〜0.6くらいで済ませてしまうところもあるようですが (笑))。残りの1/3は企業の営業利益分として留保されるものです。

 <shaさん> 【お金への換算と言う考えは非常に大好きです】
        「かなりおもしろい」99.6.07

やはり、お金への換算と言う考えは非常に大好きです。

#慣れてはいませんが。


実際そうやっていろいろなことは簡単に換算するまたはその目安にすることができるのは感心しました。

ぜんぜん?関係ないですが最近興味あるのは環境(ecology)などの人によって明らかに価値観が違うもの、不確かなものの換算です。

やられているのは確かだと思いますが、どうやってだかは興味があります。
そして、その判断を評価する方法も。


【お返事】

>実際そうやっていろいろなことは簡単に換算する

>またはその目安にすることができるのは感心しました。

ありがとうございます。

発想の転換って、実は、一見違うものを組み合わせることによって出来上がるものの場合が多いです。

shaさんもいろいろとやってみると面白いかも知れません。

>環境(ecology)などの人によって明らかに価値観が違うもの、

>不確かなものの換算です。

まだまだ統一したものはありません。

シストラットでは、「生活者が考える重要性」という観点から、金額に換算しています。ようするに「幾らまでなら支払えるか」ということです。

価値観によって違いますが、同じような価値観を持った人たちは同じような評価をします。ですから、価値観分析という手法を使って、生活者をグループ化し、簡便化します。
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>ここの読者のレベルの高さは素晴らしいものがあると思います。

同感です。

それだけに、いつも真剣勝負で記事を書くのは楽しいです。

>は専門書店があります。

>ほかは本当にないのでしょうかぁ?

あるのかも知れませんが、「(一般に)知らなければないのと同じ」ですから、「ない」と扱っていいと思います。

 <よしのしのぶさん> 【森さんの息抜き方法は?】
        「ややおもしろい」99.6.07

「やや」をつけた理由。
私は、エネルギー問題と環境問題に関する専門誌の記者をやっています。
ごく小さな会社なのですが、今回テーマになっていた、コスト意識を持たねば、と思いつつ仕事をしているのですが、なかなか会社には浸透しません。それどころか、私自身、全然実践できていません。
そういうなかで、今回のメールマガジン、ちょっと落ち込みました。これは筆者のせいではなく、いたらない読者のせいなのですが、容赦なく「やや」をつけさせてもらいます。

○リクエスト
(1) 森さんの息抜き方法

 森さんは、以前のメールマガジンでもとりあげておられたように、多忙のようですが、24時間働くことはムリだと思います。また、ストレスがたまってしまうこともあると思います。そういうときは、どうやって解消しているのでしょう。
 私ももっと有効に時間を使えばよいのですが、くだらないことで時間を費やしています。たとえば、マンガを読むとか、雑誌を読むとか。森さんの働きぶりを見ていると少し恥ずかしくなります。しかし、ストレス解消のため、仕方ないと思う部分もあります。
 そこで、森さんのストレス解消法を読んで、「同じ人間やんけ」と思いたいのです。機会があれば、お願いします。

(2) インターネット時代の専門誌メディアのあり方
 冒頭自己紹介したように、私は専門誌の記者です。
 今度社でWeb Pageを出すことになり、その作成の担当になりました。それはそれで、当面の面白そうなことが実現しそうなのですが、今後はもっと長期的にどうすべきか、考えないといけないと思っています。
 インターネットがメディアとして定着しつつあるいま、専門誌あるいは、業界紙がどうなっていくか、どうすべきかユーザーの立場からの考察を、いつかお聞きできれば、幸いです。

では、勝手な注文ばかりでしたが。。。


【お返事】

>そういうなかで、今回のメールマガジン、ちょっと落ち込みました。

あっ、いえ、落ち込ませるつまりはありませんでした。ごめんなさい。
でも、意識はきちんとあるのですから、なんとかなるとおもいます。頑張って下さい。

>(1) 森さんの息抜き方法

ストレス解消法って、本当に個人個人で違いますから、汎用的な記事にできるかどうか、ちょっと心配です。
私個人の場合では、こんな感じでしょうか。

●ストレスは基本的に溜まりません。好きなことをやっているからです。
別な言い方をすれば、ストレスは仕事で発散しています。

●ストレス解消は1人になることが基本です。酒を飲んだり、風俗に行くことは、楽しい時間がカバーしているだけ、という心理学説があります。
で、私の場合は、ゲームです (笑)

>(2) インターネット時代の専門誌メディアのあり方

インターネットについては、私より詳しい方がいらっしゃるので、どこまで面白い記事になるか、ちょっと自信がありません。
というのも、一般的なマーケティングの観点から言うと、普及率10%に満たないメディアは、まだ、メディアとして扱えないのです。

しかも、インターネットと言っても、メールとウェブではメディア特性は当然ですが、ユーザーの種類も別個になりつつあります。
また、ハードとしてのインターネットとは別に、「メールの送受信ができる」という「利用」の観点から見ると、最近急増している携帯電話やPHSのメールも視野に入ってきます (DDI ポケットでは、トラフィックにしめるメールの割合が40%になろうとしているくらいですもの)。

すると、それぞれの市場が細分化され、10%の普及率が更に低くなってしまい、更に我々のようなマーケティング分野では扱いが慎重にならざるを得ません。
もうちょっと落ちついてから、記事の検討対象とさせて頂くと嬉しいです。

 <塩手さん> 【コスト意識を持たない職場で後輩に意識を持たせる方法?】

        「ややおもしろい」99.6.6

あいからわず、面白いです!!!

今回の自分のコストの話し自体は、これまでも考えていましたし、あまりインパクトを感じませんでしたが、"時給×3"とういう数字は妥当なのですか?
これまで、なんかの雑誌では、たしか"1.5〜2"倍して考えろというような記事は見たと記憶しているのですが・・・

とにかく、森様の過ごして来た環境が”すごい!”って、ビックリしました。
そんな環境では、”とても戦えない”って、怖気づいちゃいました(笑)でもそんな仕事場もあるんだって知っただけでも、自分の無知さを気づかせてくれました。

森様のコストにもビックリですが(笑)それだけ凄いアウトプットをしている事を数字で理解できました。

ところで、コスト意識を持たない職場で、上司はともかく、後輩に意識を持たせるって可能なんでしょうか?。森様の過ごして来たシステムだと、必然的にコストを意識せざるを得ませんけど・・・

次の記事も期待しております。


【お返事】

>これまで、なんかの雑誌では、たしか"1.5〜2"倍して考えろというような
>記事は見たと記憶しているのですが・・・

1.5倍は低いです。これでは企業は倒産してしまいます (笑)
3倍は高付加価値企業の場合の算定値です。
一般企業は2倍と言われていますが、このご時世で2倍だとしんどいのではないかしら。
いずれにしても、高めに目標を設定するのは悪くはないですよね (笑)

>とにかく、森様の過ごして来た環境が”すごい!”って、ビックリしました。
>そんな環境では、”とても戦えない”って、怖気づいちゃいました(笑)

渦中にはいると、何とかなってしまうものです (笑)
転職する前に、その会社のことは調べ尽くしましたので、そのことも十分承知で入りましたが、知らない人はびっくりするでしょうね。

>でもそんな仕事場もあるんだって知っただけでも、自分の無知さを気づかせて
>くれました。

あっ、いえ、それを「無知」と呼んでは、塩手さんがかわいそうです。
かなり珍しいやり方の会社ですから。

>ところで、コスト意識を持たない職場で、上司はともかく、後輩に意識を
>持たせるって可能なんでしょうか?。森様の過ごして来たシステムだと、必然的に
>コストを意識せざるを得ませんけど・・・

可能だと思います。が、何にしてもシンボル、つまり形に見えるものは必要だと思います。例えば、私の場合だと、プロジェクトの計算書やスタッフ組みでかなり意識せざるを得ませんでした。

 <せいぞーさん> 【郵政省・郵政局の戦略を練る輩は危機意識が低い】

        「どちらともいえない」99.6.6

今回の記事は「あぁそうか!」と納得はしましたが、それだけです。
おそらく身近には当てはめられないからでしょう。
郵便を配っていてコスト意識を言われても、個人ではどうしようもないところがあります。
自分は(おそらく郵便配達の人は皆)コストには見合っていないと思いますが、郵政省の構造自体をもっと柔軟にしないとどうしようもありません。
ほとんどの事項で後手に回っており、自らリードしよう!他社と差別化しよう!サービスをよくしよう!という意識が感じられないし、変革にはお堅いシステムになっています。
おそらく、郵政省・郵政局の戦略を練る輩は危機意識が低いと思います。


【お返事】

>郵便を配っていてコスト意識を言われても、個人ではどうしようもないところが
>あります。

確かに、そのとおりでした。

>ほとんどの事項で後手に回っており、自らリードしよう!他社と差別化しよう!
>サービスをよくしよう!という意識が感じられないし、変革にはお堅いシステム
>になっています。

はたから見ていると、他の省庁と比較して郵政省は頑張っている方だと思います。
金融業界へのなぐり込みや、宅配産業への防衛など、誉めるべきところはたくさんあります。

1つだけあるとすれば、郵便コストだけでしょうか。
DM や我々のような郵送調査の時に思い知らされますもの。
そういう意味では、コスト意識というのは、今郵政省が考えなければいけないポイントのひとつなのでしょうね。

 <s.Ishiharaさん> 【BookWebで森さんの著書を発注してしまいました】
        「かなりおもしろい」99.6.3

森さんの事はメールマガジンを購読させていただくまで存じませんでしたが非常に面白いマガジンですね。毎回とても楽しみにしています。早速、BookWebで森さんの著書(2001年ブランド...)を発注してしまいました。


【お返事】

>森さんの事はメールマガジンを購読させていただくまで存じませんでしたが非常
>に面白いマガジンですね。毎回とても楽しみにしています。

お褒めの言葉、ありがとうございます。
こういうことばが原動力になります。

 <kurodaさん> 【とても勇気づけられました】

        「かなりおもしろい」99.6.3

わたしは雇われの身ですが、森さんのおっしゃるコスト意識を持って働いています。

例えば、この仕事は受けるべきか、という場合です。時間×時給×2(わたしが読んだアメリカのベンチャービジネスに関する本にはそう書いてありましたし、事務系ではそれくらいであろうと思います。雇われの視点)で計算します。しかし、この視点を一般の会社で共有してもらえることは難しいですね。

しかし、コストダウンの視点から評価してみると、一般の会社でも共有可能性がありそうです。そして、すべては自分のためなのだ、というところにとても勇気づけられました。

御多忙かと思いますが、応援しています。


【お返事】

>わたしは雇われの身ですが、森さんのおっしゃるコスト意識を持って働いていま

この視点は、雇われの身である方が価値があります。
「雇われの身ですが」なんて言わないで、自信を持って結構です。

>時間×時給×2

一般的な企業では2倍と言いますが、高付加価値企業では3倍です。
今回はちょっと欲張ってみました (笑)

>しかし、この視点を一般の会社で共有してもらえることは難しいですね。

その通りだと思います。でも、一般に共有しない考え方だからこそ、自分がやれば得する、と思えば楽しくなります。

そう、正に、

>すべては自分のためなのだ、というところにとても勇気づけ
>られました。

なんだと思います。

 <大久保さん> 【「自分の価値」と言うものをいつも意識していました】

        「かなりおもしろい」99.6.3

さて、今回の話、とても面白かったですね。私は完全年俸制の外資系企業に10年居ましたので、「自分の価値」と言うものをやはりいつも意識していました。但し、営業職と違って広告宣伝は自分を「売り込む」明確な「売上」と言う指標が無かったので、同期の、自他共に見とめる、そして私の一生涯の友になるであろう奴とは、最後は年収で新入社員の月収の5ヶ月分位違いました。いわゆる内勤者の中ではかなり高い金額をもらっていたのに、です。

やり方は、こうでした。まず、年俸シートに自分の向こう1年間の仕事上の目標とその達成度の図り方を事細かに、しっかりと書きいれます。これは、自分がサインした後は誰も見ず、触らず、人事部に保管されます。そして1年後。上司に自分が書いた目標を説明し、如何にその達成度が高かったか、アピールします。(目標設定や達成度を図る方法がアホだと、自滅です)ここで、上司とたっぷりやり取りをした上で、一週間後位で次年度の年俸が提示されます。これに不満があるときは再度上司と話し、それでも自分の思う金額が出てこない時は一つ上の上司と直談判が出来ます。プロ野球選手のコミッショナー裁定のようなもんでしょうか。こうして年俸をきめ、それが17で割られて月の給料プラスボーナスとして支給されていました。本来は社員同士で給与に関する情報を話してはいけないのですが、私の同期親友5人組は、毎年同じ飲み屋で一斉に年俸シートを見せ、一番高かった奴がその日全員を朝までフルコースでおごる、という恐怖の行事をやってました。私以外は全員営業職。幸か不幸か、一度も散財はしませんでした。

このシステムは、なじめない人には(森さんの以前の会社ほどではないですが)全く不評でした。最大の問題は、「上司」とそりが合わない、と怒っている人たちが居たことです。でも、私も最後は数人の「上司」として評価をしましたが、「そりが合う」かどうかは問題ではなく、低い評価の人は、それなりなのだ、と言うことがわかってきました。それなり、つまり自分をどう評価するかを自分自身で決められない、「他人の評価任せ」か、もしくは全く全然己を知らずに目標を立てて自滅するか、ただただ自分のプラス面だけを示し、マイナス面がどう改善されたかなんて全然考えないなど、「自分を冷静に見つめる」ことの出来ない人たちが、文句を言っていたように思います。今回のコラムで言う所の「コスト意識」を持てない人たちです。

ちょっと何を書いているのか判らなくなってきました。えーっと、ですから、この「冷静に見つめることが出来るか否か」が、仕事のやり方にも大きく関ってきます。
そして一番このことが端的に表れるのがミーティングの席です。私は何しろだらだらと長いミーティングは心底嫌いなので、幾つかのルールを自分で作って、なるべくクライアントの方にもそれを(ほとんど強引にしかし表面上は柔らかく)押しつけています。

(1) ミーティング時間は最長1時間。

(2) Agendaを事前に(少なくともミーティングの頭に)確認する。

(3) 出席者は必要最小限。「Observer」や「Non-dicision Maker」は入れない。(これは難しいですが、どんな意見でも、それがたとえしょーもない物でも、一度会議の場で発言されるとそれを少なくとも「否認」する時間が掛かってしまいます。これがいやなのです。そして、これこそ長い会議の大きな理由だと確信しています。)

(4) 無駄な枕の会話はしない。(会議が終わってからリラックスして話します。)

(5) 議事録を必ず取り、会議の最後に出席者全員でその確認をする。

(6) その際、誰が、何を、いつまでに、どうやって行うかを明確にして、さらに誰がいつ、それを確認するかを決め、最後に必要であれば次回のミーティングの日時をその場で決める。

これらを常に100%行うのは至難の技です。つまり、常にうまく行くわけではありません。現実的には、これらのルールを可能な限り遵守しようとする事が大事なようです。80%出来れば、かなり実りの多い会議が出来ると思っています。

ところで、森さんのコラムにある企画提案書の例え話しですが、ちょっと戸惑ってしまいました。私は今まで、億の単位の年間Markething Communications Planでも、自身の時間を3ヶ月使って創ったことはありません。私のやったことのある仕事の規模が森さんと違うのだと思いますが。。。一つの例だとは判っていますが、ごめんなさい、今一つしっくり来ませんでした。私個人は、「名刺の裏に書けないアイデアは、明確なアイデアではない」と思って仕事をしています。広告屋さんだからでしょうか。もちろん、調査、分析、戦略立案、戦術発案、明文化、と考えると1週間では出来ないでしょう。でも例えば私は調査分析は調査会社にアウトソーシングするでしょう。かなり口出しするやーな発注者だとは思いますが、私の時間にすれば数十時間でしょうか。その前に色々勉強しても1週間、45ー50時間でしょうか。分析結果のレポートは私の知りたい事柄だけを明確に、右か左か、白か黒か、をレポートしてもらうでしょう。これは、聞いて、質問し、理解する。2ー3時間。それを元にPlanning。戦略はアイデアですから、一時粥wuで終わることもあれば思い出してはうーんと唸って1週間。プラン自体は日本語ならばA4で10ページを限度として自分に課しているので1日。(そう言っている割に、すいぶん長いコメント書いてますが)全部で自分の時間は12日間、100時間弱。記事の計算ですと75万円。うーん。

アイデアは、時間とは関係ないのでは?私にとっては重要なのは「一時間で」終わることもある戦略の部分ですから、使った時間は余り重要では無くなってしまいます。この辺がしっくり来ない原因のようです。

また、「企画書」の類は、最終的にその内容を適正な予算で実行し目的を達成してこそ意味があり、Implementationが企画書そのものと同等に大切ですから、「企画書を幾らで買うか」と言うのはちょっと、、、実現してこそのアイデア、と言う気がします。

ちょっと忙しさにかまけて「自分」を見失っていた感のある(いや、それさえも考えていなかった)最近の私を、定位置近くに引き戻してくれた今回の森さんのコラム、感謝しています。件のミーティングの話しは、本当にもっと産業界全体で考えなくては!と思うくらい重要だと思います。なんで、あーだらだら話が出来るんでしょうか?!

「邦訳:棚からぼた餅」、良いです。理想です。ただし、仰っているのは「Necessary Input-High Return」であって、Low Inputではありませんよね。
Necessary Inputを得る為にはInputの正しい取捨択一ができる能力が必要で、その能力を得るためには「High Input」が必要ですが、その中から特に選んでNecessaary Inputを頭に刻み込まなくてはならず、、、、、ああ、道は遠い、、、悩み尽きぬ我等の名は、、、、、経営者なり。いや、違った、「コスト意識の高い人々」。

あ、また思い出してしまった。皇太子ならNecessary Inputを誰かが取捨択一してくれるんだろうなあ。おいしいとこ取りの一生。あーあ。

またどっかへ行きかけの大久保でした。


【お返事】

>私は完全年俸制の外資系企業に10年
>居ましたので、「自分の価値」と言うものをやはりいつも意識していました。

外資系、しかも完全年棒製なら確かに自分の価値というものを分からないとやっていけませんよね。

>やり方は、こうでした。まず、年俸シートに自分の向こう1年間の仕事上の
>目標とその達成度の図り方を事細かに、しっかりと書きいれます。

私の外資系時代が似た感じのシステムでした。
ただ、給与体系はヘイズが入っていて、かなり日本企業のシステムが取り入れられていましたが。
でも、個人的にはこの方法は好きです。
自分の責任は自分でとる、という考え方ですから。
もちろん、ご指摘のように、上司によってかなりぶれるでしょうけど。

>善されたかなんて全然考えないなど、「自分を冷静に見つめる」ことの出来ない
>人たちが、文句を言っていたように思います。

>の「冷静に見つめることが出来るか否か」が、仕事のやり方にも大きく関ってき
>ます。

今回の記事の主旨は、時間管理の記事と裏腹の関係にあるのですが、その基本は常に「自分を知ること」なのだと、私も思います。
実は、このことはマーケティングにも当てはまる考え方です。自社の現状によって、取るべき戦略が変わるからです。例えば、日立はそれが分かっていなかった、ということなんです。

>これらを常に100%行うのは至難の技です。つまり、常にうまく行くわけではあり
>ません。現実的には、これらのルールを可能な限り遵守しようとする事が大事な
>ようです。80%出来れば、かなり実りの多い会議が出来ると思っています。

素晴らしいです。
本当におっしゃるように80%できれば、相当中身の濃い会議ができますね。
自分を振り返ると・・反省です。
--------------------
>アイデアは、時間とは関係ないのでは?私にとっては重要なのは「一時間で」終
>わることもある戦略の部分ですから、使った時間は余り重要では無くなってしま
>います。この辺がしっくり来ない原因のようです。

ご指摘のとおりです。
アイデア一発で1億円なんてこともあり得ますので。
逆に、アイデアがまったく出ず、延々と時間がかかることもあります。
そういう意味では、今回の記事では大久保さんのキャリアにはなじまない例だったかも知れません。いや、時間によるコスト意識の主旨そのものがちょっと違っていたのですね。

>また、「企画書」の類は、最終的にその内容を適正な予算で実行し目的を達成し
>てこそ意味があり、Implementationが企画書そのものと同等に大切ですから、
>「企画書を幾らで買うか」と言うのはちょっと、、、実現してこそのアイデア、
>と言う気がします。

企画書を買う、というのはアイデアを買う、に等しいと考えていただいて結構です。
でないと、実行 (Implementation) に対する費用なのか、アイデアに対する費用なのかが分からなくなってしまいます。
つまり、実行部隊とアイデア部隊が異なっても良いわけです。
--------------------
>「Necessary Input-High Return」であって、Low Inputではありませんよね。

はい。現実的にはそのとおりです。
主旨をきちんと受け取っていただいて嬉しいです。
究極の目標は、でも、input ゼロなんですけど (笑)

それぞれの方々へのご意見もお待ちしています。

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