ドリームキャストがしょっぱなからつまづいてしまいました。
いえ、ソフトが揃わないとか通信環境が揃っていない等、「私はこう見る」で話したことが原因ではありません。
NEC 製の部品の納入の遅れで、12月中に100万台を売り上げるはずが、その半分の50万台しか用意できなかったのです。このままでは、売上が約100億円しか上がりそうにありません。
セガは「セガはこのまま倒れたままなのか」「がんばれ湯川専務」シリーズの広告でドリームキャストに100億円の広告費を投じました。その黒幕はあのオニャンコ・クラブをヒットさせた秋元康。社外取締役としての参加です。
100億の売上に同額の広告費。
金額こそ違いますが、桃の天然水で一躍飲料業界に仲間入りしたJT飲料や、同じく吉富製薬との合弁会社のライフィックスの初年度と同じ状況です。
この先、セガはどうなってしまうのでしょうか。
こういうトラブルの場合、細かい生活者データがないと私にもわかりません。
でも、1つだけ祈りたいのは、こういう単純ミスが原因でドリキャスは失敗したのだ、という歴史を残して欲しくないということだけです。いや、単純ミスは本当に怖いものです。これで、倒産した会社もあるほどです。ばかにしているわけではありません。
むしろ、頑張れ、というところでしょうか。
【注】出典は「日刊ゲンダイ」メルマガ版。知らせていただいた小枝さんに感謝します。
2月11日の発売日を控えたプレイステーション (以下プレステ) 用ゲーム、「ファイナルファンタジーVIII (以下「FF8」)」の予約が200万本を到達したと報道されました。前回の「FF7」が予約で150万本、最終売上350万本という実績を考えると、「FF8」は400万本を超える未曽有のヒットを飛ばすのでしょうか。
ゲームソフトの予約を今までにしたことがなく、「FF7」ですら発売当日に店頭で買った私ですが、今回はさすがに大正解でした。「FF7」の時と違って、予約分を引き取りに行った時には「FF8完売・入荷未定」のはり紙が店先に誇らしげに貼ってありました。飼い犬のシェパードにコードをちぎられたため数日前に壊れたプレステを買い換え、初代機よりもゲームスピードが早く音質も圧倒的に良くなって得した気分の森ですが、今回の記事を書き終えるまで楽しみはおあずけです。
「次は『サガ・フロンティア2』が待ち切れないゾ」と、早くも次の新作を心待ちにしているゲームフリークは誰あろう、私です(笑)
ゲームの話が出ていきなり音楽業界というのも気が引けますが、連想ゲームのように頭ができている私ですので、ご勘弁ください。
というのも、「予約で200万本、売上予想400万本」がどういう意味を持つのかをちょっとご理解いただきたいからです。
さて、ゲームの100万とシングルの100万を比べるのも乱暴かも知れませんが、以下の要件を持った商品です。少なくとも、ビールやクルマの100万と比べるよりかなり近い、と思っていただいて結構です。違いは価格 (ゲームの方が高い) とターゲットの広さ (ゲームの方が狭い) くらいです。
上記の1998年のゲーム売上を会社別に見ると目立つ名前があることに気がつきます。
10本中2本を排出しているコナミとソニーに並んで、スクウェアが名を連ねているのです。前フリで話題にした「FF8」のメーカーです。
ゲーム業界を分かっていただきたくて、引っ張るだけ引っ張ってしまいました。ようやくスクウェアの話題です。残りの紙面は半分もありません。わー、どうしよう。言いたいことはたくさんあるのに。
気を取り直して話を進めます。
では、スクウェアは他のジャンルのタイトルを出していないのか、というと、そうでもなくなりつつあります。3年前から一気に格闘、シューティング、アクション、野球ゲーム、アドベンチャー等、あるとあらゆる分野に新タイトルを投入しはじめたのです。
一体、何が起こったのでしょうか。
結論を急ぎましょう。
スクウェアは自分の「らしさ」を計算せず、従来の成功法則のまま拡大路線を採用してしまったのです。それが失敗の原因です。
「らしさ」とは何か。
「らしさ」が大事なのは今の生活者ができるだけ少ない情報で効率よく商品を選びたい、というニーズから発生しています。
100%果汁を選ぶには、IBM やソニーのようにメーカーもあるかな、等と考えなくても良いわけです。逆に、パソコンを検討するときは「カゴメって、パソコンを出していたっけ」と思い出す必要はありません。パソコンメーカー数社から検討するだけで事足りてしまうのです。