先ほどは「例えば」というところから、若干普遍性に欠ける話題になってしまったので、今度はもう少し「まとも(?)」な話をしましょう。
コンサルタントの業務の細かい話は別な機会に詳しくお話するとして、これを読んでいる方々が多少の知識を持っていることを前提に話を進めていきます。
最も重要な資質は論理性と感性です。
ここでいう論理性とは、物事を幾つかの要因に分けて、それぞれのつながりを解き明かす力のことを言います。
何故キリン・ラガーが売れないのか。
イメージが悪かったから、というだけでは論理的ではありません。
キリン・ラガーが持つ売れる要素、売れない要素を列記し、それぞれに優先順位と影響の割合を示し、時には主原因と副原因に分割して玉突き式のように影響の方向性を示す。そして、その中で「最も影響を与えているのが」イメージである、というような結論をきちんと導き出す力。これが論理性です。
もっと言えば、イメージが悪いと何故いけないのか。生活者にどういう影響を及ぼすからいけないのか。そして、その悪いイメージはどのようにして生活者の頭の中に形成されたのか。これらが順を追ってきちんと説明できること。これがまず、コンサルタントに求められる「論理性」です。
そう。実はこれらのことをちゃんと説明するためには、マーケティングの知識だけではなく、心理学や社会学、時には記号学等の知識が必要となります。
だから、「コンサルタントの論理性」は、例えば法曹関係者の論理性と異なり、広い分野での知識を基盤にした概念なのです。
さて、ここまでは単なる現状認識に過ぎません。
現状が分かれば、それを回避する・・・というだけで問題が解決するとは限りません。
「イメージが悪いから直しましょう」というだけではコンサルタントの提言になりません。