おはよう。
…と来れば私たちの年代では、「スパイ大作戦」の
ですが、私のイメージは決してトムクルーズではなく、あの金髪のピーター・グレイブスでなければなりません。
そんなオヤジの戯れ言はどうでもよろしい。
朝といえば朝食。
厚切りトーストをくわえながら、キャミソール姿の女性がシンプルなマンションの一室で、モーニングカップのコーヒーを飲む・・
いかにもステレオタイプ。アンアンに毒されたイメージが浮かんでしまうのは一種の職業病です。
でも、誰しも、間違っても、駅構内の立ち食いそば屋で時間を気にしながら、ハフハフ言ってそばをズルズルすすっているサラリーマンは思い出したくもありません (笑)
実は、みそ汁と納豆や卵焼きの組み合わせという純日本風の朝食も健在です。
20代の若い人たちでも朝食のごはんとパンの比率はほぼ半分。意外にもごはんが健闘しています。
公開データで見るとみんなの朝食の雰囲気がわかります。
このメルマガの中心読者層である20-30代社会人で見てみました。
(出所 : 「きかせて・net」http://www.kikasete.net/)
要するにほとんどの人が朝食を摂っていて、パンとごはんは半々であるものの、若い女性はパン派が多少多く、若い男性は多少ごはん派が多い。
みなさんがイメージする像とそんな変わらない結果となりました。
さて、このデータには「朝食に何を求めるのか」という質問が入っていました。
パン派、ごはん派で差がある項目を見ると、興味深い数字が並びます。
派閥 | 項目 | 支持 |
---|---|---|
パン派 | ●身体を目覚めさせたい | 75.0% |
パン派 | ●とにかく1日3食で健康を維持したい | 72.9% |
パン派 | ●身体に良いものを摂りたい | 69.0% |
パン派 | ●簡単・手軽に食べたい | 66.7% |
ごはん派 | ●エネルギー源を摂りたい | 69.4% |
パン派は目的がはっきりしていて、かつ、手軽に健康維持するためにパンを選んでいることが良く分かります。
私の後輩です。
そこに、過去にも登場したひなちゃんが乱入してきました。若干21才。あるファッション・ブランド店に勤務するバリパリのおしゃれっ娘です。
と後輩が色めき立ちます。
と、彼はコンサルタントの卵らしく、調査データをまず信用しようとします。
と口をとがらせながら、彼女は不満そうです。
と私が口を挟みます。
最近、おにぎりを代表としたごはんがものすごいブームです。
コンビニおにぎりは昔からのヒット商品ですが、おにぎりだけの小さなお店が大ヒットしています。
小田急線のおにぎりキオスクが注目を浴びた最初ですが、東京駅のおにぎり屋を筆頭に、街にはおにぎりを並べたお店が次々と出現しています。
それだけではありません。
脱サラ組3人が始めたお茶漬け屋が大盛況し、今やチェーン展開しようという勢いのご時世です。永谷園のお茶漬けのテレビ広告が大ヒットし、売上げが一気に上がったのも、広告だけの問題ではなく、背景にある生活者ニーズがあったからです。
ごはん人気上昇とともにパンが押されて人気下降。極端に進むとパン嫌いが発生する。そんな現象があったとしても何ら不思議はありません。
調査データは大事ですが、往々にして隠れている真実も多いものです。
ましてや、調査は「現在を拾うモノ」ではあっても、「未来を予測することはかなり難しいモノ」です。
もし、ひなちゃんのことばに「パンの未来」が隠されているなら、ちょっと面白いことになるかも知れません。
なぜ私が調査データを疑ってまで、パン嫌いが気になっているのか。
彼女の職業にちょっとピンと来るモノがあるのも理由のひとつです。
ファッションビルに限らず、デパートなどに勤める若い女性はオピニオンリーダーになることが良くあるのです。
マーケティング用語でいうところの「イノベータ」が多い分野です。
従って、彼女たちに流行ったものは後々になって一般大衆が追いかける構図を良く見かけます。
「現在のパン」イメージが良いとしても、もしイノベータが「そうではない」と考えているなら、早晩、パンのイメージが変わることも十分にあり得ます。
いいきっかけだから、ちょっと考えてみましょう。
ということで、今回のテーマは
です。
さてさて、まずはパンの消費量を見てみましょう。
最も正確なのは食糧庁のデータです。
パン全体のうち、半分の50%を占めるのが食パン(普通食パンのほか、コッペパン、レーズンパンなど)、続いて菓子パン(アンパン、デニッシュなど糖類配合10%以上のもの)の30%。
そして、その他パン(フランスパン、欧風堅焼きパン、ロールパン、クロワッサン、調理パンなど)が17%と続き、最後に学校パンが3%です。
いつもなら、ここで一般の人たちの話を聞くのですが、先ほどのデータで一般人のパンに対するイメージには昔と大差がないことが分かっています。時間の無駄なので、止めましょう…といいながら、いつものクセで聞いてしまいました (笑)
話を聞いているうちにこんなエピソードも出現しました。
話の内容がオヤジの私にはびっくりするものでした。
それは
のです。
話を元に戻します。
今度は手を変えてみましょう。話を進めるきっかけをごはん対パンにしてみるのも一つの手かも知れません。
一般の人たちに潜んでいる何かを探り当てようとするには、普通のやり方をしていても埒があきません。
主食としてのごはんとパンをもう一度洗ってみよう作戦です。
ひなちゃんがシストラットのオフィスにやってきました。
発想の途中ですが、せっかく彼女が頑張ってインタビューをしてきたのですから、無下に断るわけにも行きません。
統計的には20人は大したサンプル数ではありませんが、実務上、十分使える数です。それを休憩中に聞いてきたという彼女も気合いが入ってます。
派生形の話はここまでにしましょう。パンの話です。
まてよ、よくよく考えると、パンはちっとも健康的ではないじゃないですか。
いや、パン自体ではありません。組み合わせの相方が、です。
実はこのメルマガを執筆するに当たって、パンと和風総菜の組み合わせを色々と実験してみました。
パンの相方として、サラダやサーモンなどの洋風「健康イメージ」と組み合わせるのは当たり前です。ヒット商品となるかも知れませんが、何か面白味に欠ける。
アメリカで学生時代に教授の奥さんが日本人で、クリームチーズと明太子をサンドイッチにしたものが意外においしかったので、バカなことをやってみたくなりました (笑)