企業のマーケティングや企画部署で、良く耳にする言葉は「データ」と並んで「イメージ」です。
ほとんどの場合他の単語とくっついて語られます。
私たちの生活の中でも「イメージ」という言葉は健在です。
ただ、同じイメージという言葉でも、ネットやパソコンの世界ではちょっと違う意味を持ち、「(写真)画像」などを指すことが多い。
ホームページの記述言語である「HTML」でもimageは画像を表示する時に使う命令です。
乱用とも言える「イメージ」の普及ですが、意外にきちんとした定義で使っている人はいません。
日常会話では何の支障もありませんが、ことビジネスとなると差し障りが出てきます。
今日は、こんな「何となく使っているけど、実態はよく分からない」イメージをテーマにメルマガをお送りします。
今回は人気のワンテーマ辛口路線ではなく、一部の読者にしか受けない (笑) 解説路線の記事です。
視点は
です。
もちろん、私のメルマガですから、マーケティング用語としてのイメージの解説です。決して、ネットのエッチ画像ではありませんので、悪しからず
(笑)
「イメージとは何ですか?」という質問をすると、まず返ってくるのがこの言葉です。
普段何気なく使っているのに、改めて質問されると「本当の姿と違う姿」がイメージだと思いつくようです。
それでは、「イメージ」は悪いニュアンスか?
・・というと、そうでもないらしい。
言葉が広がりすぎてしまったので、意味が曖昧になったり、色々な意味を複合的に持つようになってしまった良い例です。
他にはITやブランドなんてのもあります。本来の意味とは違う使い方をする人が増えて、結局、何がなんだか分からなくなる。
言葉というものは、時代とともに意味が変化したり曖昧になっていく宿命ですから、仕方がないことでもあります。
逆に、言葉がもつ曖昧さを利用することもあります。
例えば、初心者にはわかりやすさが優先しますから、多少、誤解があっても、彼らの知っている言葉に置き換えて説明すると、難しいことでも簡単に理解できる。
私の過去の69本のメルマガ記事でこのテクニックを多用していますから、マーケティングを良く知っている人から見ると、「森さん、間違った説明をしている」と感じる部分が多々あるはずです。
この点については、記事の後半で具体例を挙げて、ご紹介しましょう。
さて、イメージということばの定義です。
上のケースでは、
の場合は、こう翻訳できます。
イメージチェンジの場合はこうなります。
マーケティングではこんな感じになります。
ブランドイメージとは
企業イメージとは
です。
あえて、もって回った言い回しをしてみましたが、これでイメージという言葉の持つ本質が分かってもらえたと思います。
そうです。イメージとはその人が
なのです。
従って、それが間違えていれば
になるし、正しければ
になるだけです。
さて、これでイメージという言葉の意味が分かりました。
それでは、みなさん、ごきげんよう。
・・と、久々に下らないギャグをカマしてみました (笑)
これで今回の記事が終わっては申し訳ありません。
それでは、マーケティングで、この「イメージ」という、不思議なモノをどう扱うのか。この点に絞ってお話ししましょう。
ここからが本番です。
と言いました。
マーケティングでは「その人」とは生活者のことです。
しかし、その理解が違っている場合も正しい場合もあるとも言いました。
イメージとは「事実と合っている、合っていない」という概念は含んでいません。
さて、イメージとは生活者の理解した(商品や企業の)内容ですが、これはマーケティングでは、かなり重要な意味を持ちます。
「生活者が理解した内容が」すべてであり、生活者は「それに従って」行動したり判断するからです。
イメージは生活者の理解内容だと言いました。
それでは、それが分かったところでどうなるのか。
企業はいくつもの方法でそれを利用したり、無視して失敗したりします。
先の例は商品開発と企業や商品に関することでした。
一方、他人に説明する時にもイメージはかなり役立ちます。
例えば、パソコン初心者に「フロッピーディスクの初期化」の説明をする時、詳しい人なら
と延々と「正しい知識」を説明しようとします。
しかし、私の場合は「ウソ」の説明をします (笑)
このようにイメージが「生活者の理解内容であり、生活者はすべてそれを元に行動、判断しているのだ」と認識することは、様々なメリットがあります。
企業も個人も「相手に自分の言いたいことを、効率よく理解してもらえる」からです。
イメージは往々にして悪者扱いされることが多いものです。
という図式があるからです。
別なお話をしましょう。
「正確な情報を企業が提供すべきだ」
なんて議論もあります。しかし、これは程度問題です。
私たちはすべて「事実を知らなければならない」としたら、とんでもない生活を強いられることになってしまいます。
私のメルマガを見るために、皆さんはどうしますか?