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いそがしいのは誰のせいだ。あっ、僕のせいだ 99.3.15

心に響いたザウルスの広告

今でも鮮明に頭に残っている広告があります。ザウルスの最初の広告です。

コピーは今回のタイトルのまんまです。

「いそがしいのは誰のせいだ。あっ、僕のせいだ」

辰巳拓郎がビジネスバッグや書類などを手に、小脇に、背中いっぱいに抱えて立っているだけのシンプルな絵です。

「そう。忙しいのは誰のせいでもない。自分のせいだ」

これに気がついたときから、私の時間管理の意識が芽生えました。
こう書くとかっこいいですが、動機は不純でした。

「自分が何とかしないと忙しいままだ。これはまずいぞ。あれもしたいし、これも遊びたい(内容はナイショ (笑))。なんとかしなくっちゃ」

「私はこう見る」で、読者の方々とメールを楽しくやり取りしていると、時々、聞かれることがあります。

「こんなに早くコメントを頂いたり、いろんな方にメールの返信をして、なおかつ記事を書いて、本業の方は大丈夫ですか」

「肩書を見るとお忙しい方のはずですが、どうやって『FF8』のような大作をプレイする時間があるのですか」

というご心配の言葉や質問です。
そこで、せっかくですから、今回は時間管理をテーマとします。
今まで、そういった疑問を持たれた方が何人もいらっしゃる、ということはそれだけ「知りたいニーズ」があるのだろう。だから、記事にすると人気が出るぞ。
これも不純な動機です。

お忙しい読者の方はこの記事をご参考に自分の自由時間を持つヒントになれば嬉しいです。またそうでない読者の方は「へぇ。森さんってこんな感じで動き回っているんだ」という好奇心を満たしていただければ、この記事の役割は果たしたことになります。

コンサルタントの労働時間

まず、私の労働時間をご紹介しましょう。
現在で、月間320時間くらい。忙しいときで400時間です。
普通のビジネスマンでいえば「残業200時間」というところでしょうか。

残業ゼロの場合で月間160時間の労働時間ですから「文字どおり、人の2倍働いている」ことになります。
これでも年齢を考えて短くした方です。また、独立して労働時間は減りました。ビジネスマンだった頃の経営会議や連絡会議などの余計な仕事がなくなったのが原因です。

以前、在籍していたコンサルタントの会社で、最高450時間が3ケ月間続き、さすがに、その後ぶっ倒れて2日寝込んだことがあります (笑)。
「やってもやっても仕事が減らない。変だな」と感じたので、やらなければいけない仕事をリストアップし、それぞれどれくらい時間がかかるかを計算したところ、今後1ケ月間で780時間が必要という結果でした。さすがに笑ってしまう仕事量です。でも、次の瞬間真っ青。だって、1ケ月は720時間しかない。
必死になって仕事量を減らしたのですが、時、すでに遅し。
冒頭の悲劇を迎えたのでした。

当時、周囲の同僚コンサルタントも似たような状態でしたので、こんな会話も交わされます。

「いやあ、400時間を切ると身体が楽だよね」
「うんうん。でもさぁ、理想は300時間以下なんだけど」
「おーい。この新聞にプログラマが過労死して、会社が訴えられてるって出てるゾ」
「へぇ。ぼくらもシャレになんないようしなきゃね (笑)」
「だよなぁ (笑)。で、何時間その人働いたの?」
「えっと・・・『270時間』」
「うそぉ・・・」
「・・・」

実話です (笑)

メーカー時代も似たような状態でした。当時は普通のビジネスマン。ただし、残業は月間100時間を切ったことがない、という忙しさです。

今回はいかに私が働き者なのかをご披露するのが趣旨ではありませんので、この辺で止めておきます。
忙しい人は本当に忙しい、というわけです。
コンサルタント業界だけではなくSEなどのソフト業界、雑誌編集者、テレビ製作プロダクション等、月間400時間の労働時間が当たり前(?)というところはまだまだあちこちで見かけます。

以前、とらばーゆに募集広告を掲載したことがあります。

「欲しいのは、好奇心と笑顔と『体力です』」

というコピーにしたら来るわ来るわ。看護婦さん、編集者、プログラマ、工事現場のガテン、運転手、テレビのプロダクションAD、彫金デザイナー。総勢120人がみんな「体力には自信があります」と面接で言うのです。
「もうわかった。あんなコピーにした私が悪かったんです」と思わず謝りたくなった程でした。

【以下、小見出しと最初の段落のみをご紹介します】

忙しさの功罪

忙しいというのは良いことではありますが、問題も多く出てきます。

忙しさの原因を突き止めてみる

ではどう時間管理をするか。
私のバイブルがあります。「Aタイム」という時間管理手法です。
この方法を自分でアレンジして応用しています。
最初に使った時には30%も時間が節約できました。月間100時間も自分の自由にできる時間が増えたのです。毎月12日間有給休暇を取っても同じ分量の仕事ができる。これは魅力的でした。

集中時間できる時間をできるだけ多く取る

実践編のポイントを私の経験をベースに説明します。
時間管理で一貫して大切なのは、どれだけ集中できる時間がとれるか、です。
これができれば、時間管理の50%は終了したようなものだ、といって良いでしょう。

同じような性質の仕事はまとめてやる

さて、その後も基本姿勢は同じです。
集中するために、同じ種類の仕事をまとめる、という小技です。
人間、似たような作業をまとめたほうが生産性があがります。
例えば、シストラットを設立してから、以前はクライアントを訪問する時に、ちょっと早めに出て近くのマックに行き、時間調整代わりに1件数分でできる仕事を10件分アタッシュケースにつめて、そこで細かい仕事をこなしていました。
中途半端な時間に到着し、無駄な時間を費やすことを避けるためです。
いまでは、30分くらい前に目的地に着き、モバイルギアでできる仕事をまとめてこなします。人を待つのも苦になりません。

人をうまく使う

さて、次は細かい仕事のうち、自分でなくてもできる仕事をどうするか、です。
その1つはすでに解決していました。
というのも、セールスを初めとする他部署の人たちは本来私でなくても良い仕事を押しつける傾向があったのが、それまでの改善で私に好意的になり、ごちゃごちゃ言わなくなったからです。

わがままになる

次は、「余計なことを考えない」「わがままになる」ということです。
例えば、私が人に会うのは原則として、13:30と15:00、そして、18:30に決めています。
アポは、このいずれかの時間にするわけです。そうすると、身体が自然に覚えていますので、仕事に夢中になって時間を忘れることはありません。

自分の力を見極める

最後に最も大事なのは、自分の仕事のスピードと自分の生産性の正確な把握です。

自分の若い時やいろんなビジネスパーソンを見ていると、無駄な動きをして結局1つの仕事に時間がかかる人は「だって、そんなことが起こると思わなかったんだもん」「できると思ったんです」という台詞が実に多いことに気がつきます。
自分の能力に夢を持つことは多いに結構ですが、それでは周囲に迷惑をかけるだけです。

私がファンである「電脳市場」のSurfriderさんは普通のビジネスマンですが、私のアサヒビールの記事に触発されて、メルマガの記事を1本仕上げましたが、1〜2時間で書き上げてしまいました。
仕事がとてつもなく早いのです。超人とも鬼神とも呼んでいます (笑)

時間はお金で買えない、のウソ

時間はお金で買えない、と良く言われます。でも、私はそれはウソだと思っています。ザウルスの初期投資の5万円で、私は1,000時間以上もの時間が買えました。また、ちょっとした工夫で無料で時間が買えてしまうのです。それは、ひいては、自分の健康を買っていることにもなりますし、もっと言えば、人生を買っているとも言えます。

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