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ちょっこれ〜と、ちょっこれ〜と、チョコレートは・・どこ?【チョコレート】2000.1.15

宇宙人とチョコレートの関係は・・ありません

私の好きな映画の1つに「E.T.」があります。
友情物語に感動したり、きれいなシーンに見ほれたりした観客も多かったことでしょう。
この映画は、隠れた発見も楽しみの一つでした。
例えば、主人公の子どもが自宅のプレイルームで兄弟達と遊んでいた、モノポリーのようなボードゲームは、良く見るとドラクエの原形となったロールプレイング・ゲーム「ダンジョン&ドラゴンズ」でした。

もうひとつの発見は、E.T.を見つけたときに主人公の少年が誘導しようとして、彼が地面に置くのが m&m's のような粒チョコだったことです。実はこのチョコレート、良く見るとチョコの上に「m」マークがありません。アメリカで第2位の粒チョコであるハーシーのものでした。

最初は m&m's を使わないかと映画会社からメーカーであるマーズに打診があったところ、その協賛金が20億円もしたので断ったという噂があります。真偽のほどは確かではありませんが、ほとんどの観客が気がつかないほどの「出演」で20億円の「逆ギャラ」は詐欺に近いものがあります。この辺の映画業界の体質については機会を改めてお話しましょう。

アメリカでのチョコレート消費量は圧倒的な規模を誇ります。何と言っても、あのm&m's1銘柄で、日本の全消費量と同じだけの売り上げを上げると聞いただけで、その大きさが分かろうというものです。
ダイエットの波に押されがちとはいえ、朝食にm&m'sを1袋一気に口に流し込み、ミルクをガバガバ飲むアメリカ人も珍しくはありません。

実際、私もアメリカの大学時代にコンピュータ工学のレポート作成のために、ほとんど端末の前に座りっきり。寮に戻る時間も惜しくて1日2時間の睡眠で1カ月頑張ったときにも、重宝だから食事代わりにスニッカーズを何本も食べた経験があります。欠点と言えば、一辺に3本以上食べると気持ちが悪くなることくらいでしょうか (笑)

さて、今回のテーマはチョコレートです。
日本ではアメリカに比べて消費量が少ないとはいえ、私たち日本人にも実になじみが深い食べものです。ある意味、アフリカが原産地のもので最も日本人が親しんでいるものがチョコレートと動物のキリンなのかも知れません。

一般的にチョコレートは大人の食べ物ではありません。ましてや、男性が好む商品でもありません。30代男性が中心のこのメールマガジンではちょっとハンデのあるテーマです。でも、子どもの頃、300円と上限が決められている遠足のおやつに何を選ぼうかと、嬉しい悩みがあったことを思い出しながら読んでください。

女性は若い

「女・こども」ということばが聞かれなくなって久しい今日このごろですが、まだそんなイメージが残っている商品や業界がいくつかあります。

15年ほど前、現在の日本たばこの新製品が女性向けであったことが、大手印刷会社の反喫煙社員の内部告発で事前に発覚し、「女性の喫煙と健康を守る会」が各マスコミに告発文を出してちょっとした騒ぎになったことがありました。

「女性に喫煙を勧めるとは何だ」という論調もありましたが、いくつものマスコミが

「未成年者と女性を同列にするのも、女性に対して失礼である。それとも、その団体は自分でコトの善し悪しが判断できない未成年者と同じに女性を扱えというのだろうか」

と皮肉たっぷりのコメントをしていたのが印象的でした。

現代では女性を未成年者と同列に扱うなどという命知らずな人間もいませんし、実際、男性以上に大人の女性も多くなっています。
もとい。元々、女性は男性より大人です。

それでも、イメージというのは保守的で、事実の変化に大きく遅れを取っているものです。
その代表がチョコレート。
実際、チョコレートのお得意さんは小学生以下の子どもと女性です。
中でも女子高生とOLは2大顧客。「チョコレート好き=女・こども」は事実でもあります。

生理学的や統計的な理由もあります。
味覚の発達は次のように進みます。発達の初期段階では甘味が、成熟段階では苦みが好まれるのです。

●甘味→ ●塩味→ ●辛味→ ●酸味→ ●苦味

これをうまく応用したものに、アメリカでのペプシコーラがあります。
ご存じの通り、アメリカでのコーラのトップはコカコーラではなくペプシです。10年前は日本と同じくペプシは遠く離れた第2位でした。それがトップになったのは「ペプシジェネレーション・キャンペーン」と名付けられた一連の若者向けのマーケティング攻勢です。

コカコーラは中年の飲み物、ペプシは若者のものというイメージを植え付けるために、いかにコカコーラが古くさい飲み物なのかを様々な広告で生活者の頭にたたき込みました。
中でも有名なのがコカコーラを小バカにした一連のパロディ広告です。
ペプシコーラを飲みながら参加していた大学の実習の教授と生徒達が、化石の中にコカコーラの空き缶を発見し、「これは一体何だろう」と不思議がる広告等は日本でもオンエアされたのでご存じの方も多いでしょう。マイケルジャクソンを始めて広告に引っ張り出したのもペプシです。

ペプシがコークに勝ったのはこれだけのせいではありません。コークが味を変えた「ニューコーク」を出し、従来の味を発売中止にしたことに怒ったアメリカ人たちがコークに対して反感を持ったことも一因です。

もうひとつ大事なことがあります。
ペプシは商品も変更しました。若者をターゲットにしたのに伴って、内容量をコークより多くし、甘味を強くしたのです。若い人たちは飲む量も多く、甘味を好むからです。この手法はヤクルトの量を多くしたビックル、オロナミンCの量を多くしたデカビタCでサントリーが応用し、日本でも成功しています。

日本では・・ペプシはうまく行っていませんが、この話はまた別の機会に。

話が脱線しました。若い人たち(こども)は甘いものが好きという話でした。
そうそう、だから「甘いもの好き=こども」のイメージは間違っていないのです。
女性にしても生理学的な傍証はありませんが、甘いもの好きの女性と嫌いな女性は同数ではないことがわかっています。ある調査では甘いもの嫌いの女性は20%の一方、男性は50%と明確に性差があります。従って、一般にそういったイメージが形成されても不思議ではありません。
別な見方をすれば、女性のほうが男性より若いのでしょう。

もちろん、女性でも甘いもの嫌い、男性でも甘いもの好きがいるのも事実です。
甘いもの嫌いの女性、甘いもの好きの男性にとっては迷惑な話ですが、世間のイメージとはそんなものです。めくじらを立てたところでどうにもなりません。

かくいう私も甘いものには目がないタチです。
高校時代はおしるこやぜんざいを食べたくても一人では恥ずかしいので、同級生の女の子に頼み込んで一緒に行ってもらったものです。「女の腐ったの」と言われるのがイヤだった。30年前はそんな時代でもありました。

今では堂々と甘いものを食べています。ただ、やはり男性には甘いもの好きが少ないので、「うまいチーズケーキの店」や「スフレの絶品な店」の話が盛り上がるのは女性と、という機会が多くなります。

ところで、先日知恵市場のオフに参加したときに読者の方々と喫茶店で雑談をしたのですが、読者のひでおさんや今泉さんがパフェをオーダーしたときは、さすがに同士を見つけたようで嬉しかったものでした。皮肉なことに、オフではジュースを飲む暇さえなく参加者と話をしていたので、1日20杯を飲むほど好きなコーヒーを優先せざるをえませんでしたが (笑)

【以下、小見出しと最初の段落のみをご紹介します】

もう一度、買いたくても買えない商品

先日、女子大生と社会人バイトの女性同士の話を聞いていたときでした。
2人は甘いものは大好きですが、ケーキや高級チョコレートが中心。板チョコなどはたまに食べる程度です。

「ゆりちゃん。最近、おいしいチョコレートってある?」
「う〜ん。最近、おいしかったのは・・えっと・・あれ?なんていったかなぁ」
「なになに?どんなの?きのことかの形をしたヤツ?それとも、カカオパウダーとか入ってるやつ?」
「えっと、そんなんじゃなくて・・茶色くてコクのあるヤツ」
「茶色いのってたくさんあんじゃん。どれ?どこが作ってんの?」
「わかんないんだけど・・でもおいしかったよ」
「え〜、それじゃわかんないじゃん」
「あっ、それじゃないけど、小枝のカカオのやつ『も』おいしかったよ」

確かにどれがどれだか解らない

ゆりちゃんはガッカリ。
かわいそうなので、テストをしてみました。

「じゃあ、こういうテストをしてみようか。ここにあなたたちが買ってきたチョコレートと僕が持っていたチョコレートのコピー (うたい文句) を並べるから、それぞれどの銘柄がどのコピーかを当ててごらん?」
「ええ〜!?森さん、それは意地悪ですよ。解る訳ないじゃないですか」
「うーん、『チョコレート焼けました』って言ってるから、これは『こんがりショコラ』というのは解るけど・・後は『冬の淡雪』って言ってるから、これは『雪のような口どけ』か『ふわーっと感じる雪の口どけ』かのどちらかだとは思います。でもそれ以外は解りません」

読者のみなさんも挑戦してみます?

チョコレートのマーケティングは「刹那的」

チョコレートはインスタントラーメンと同じように、上位のブランドの順位が入れ替わることがないことで有名な商品分野でもあります。ちょっと見ただけでも「冬季限定」やら、春と秋の新製品ラッシュ時に、何10もの新製品が発表されるのにも関わらず新人さんは全滅です。

ちょっと意地悪だったかしら

本当はここまでいうのも酷ではあります。
お菓子業界はここ10年近く、その態度を改め「ようと」しているのが見えるからです。
「荒れたマーケティング」をしていた頃は、春夏のシーズンに各社20銘柄もの新製品を出していましたが、ここのところ、5〜7品目に押さえています。しかも、すべて「新製品」ではなく、半分は「旧製品」の改良版や姉妹品です。
そう、今までのような「産っぱなし」ではなく、ポッキーや小枝やチョコボール等の銘柄を育てようとしているのです。

続けて買ってはいけない、と突き放す業界

あれから1週間後です。
「え?だって、自分が気に入ったチョコレートくらいは覚えていますよ。やっぱりゆりちゃんはバカなんじゃないですか?」
ゆりちゃんと仲が良いからとはいうものの、口が悪いユキちゃんです。

そこで、同じ実験をしてもらいました。
最近、気に入ったチョコレートを3つ上げてもらい、それをコンビニで買ってきてもらいます。自己申告による正解は2つ。
「あれぇ?全部当たると思ったんだけど、売り場に行ったら分からなくなってしまいました」
とは彼女の弁。

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