初めまして、日立の号より、購読させていただいておりますキースです。
日立、身体計測器part1.2の号、大変楽しく読ませて頂いております。
さて、私、素材産業のメーカーに勤務しておりますエンジニア(開発マン)ですが、家電製品や飲料水等消費財のマーケティングについての解説は非常によく分かるのですが、いざ、自分の属する素材産業となるとなかなか”感じる”(”落ちる”でしょうか?)所まで行きません。
一つ簡単な例でも用いて解説して頂けないでしょうか?
よろしく、御願いいたします。
【お返事】
確かに、素材産業の場合は一般的な消費者向けのマーケティングをそのまま応用するのは難しい面があります。何と言っても、直接の顧客が消費者ではなく、企業の担当者ですから、消費者とはちょっと違った心理で購買行動を起こすからです。
ただ、近年、素材産業の方でもマーケティングを勉強する企業が増加しています。
それは、商品企画などをメーカー側に任せるのではなく、こちらから提案してしまおう、という動きが出てきたからです。
そうなると、マーケティングの視点は、アセンブリ・メーカーとまったく同じになります。
要するに、自分が直接消費者に対して商品を売るのなら、どういう視点で商品を開発、研究していこうか、という具合です。
例えば、香料メーカーは独自に消費者のニーズを知り、新商品のプロトタイプを作ってしまいます。もちろん、ターゲットやベネフィット
(消費者が得すること、モノ) 等も企画書に入ってきます。また、パッケージデザインすら、試作品として作り、それらすべてをキリンやサントリーなどのメーカーに提案するわけです。
ただ、素材産業といっても香料メーカーや自動車の車体メーカー等は、そういう発想が比較的出て来やすいのですが、例えば、工場での計測機器やブルドーザの場合は難しくなります。その場合は、むしろ、消費者というキーワードは省き、「得意なことを集中して、現有資産を投入する」や「1位はやはり重要」「顧客毎のクープマンの目標値をベースに研究テーマを集中する」「差別性、優位性、説得性、市場性のバランスを上位か下位かによって調整する」等のマーケティング戦略面からアプローチするのが良い方法です。
そういう意味では、ご覧頂いた2本の記事のうち、身体計測器は参考にせず、日立の記事を参考にする、という取捨選択が必要ではないかと思います。ご参考までに、今までの記事でのオススメ度を以下に上げておきます。
(バックナンバーは以下の URL です)
http://www.systrat.co.jp/gimmie/gimmie.html
×=訓練
×=皮膚感覚
●=日立
×=ダイム
×=触覚産業
×=桃天
●=なっております
●=ドリキャス
×=コンサルタント-systの場合
×=コンサルタント-論理とcre
×=コンサルタント-女性
×=ラガー
▲=モバギア
▲=携帯
もし、キース様の具体的なお仕事が分かれば、もう少し具体的なアドバイスができると思います。
こんにちは。
最近、期末、期初のため大変忙しかったため、リプライが遅くなってしまいました。
今回は(1)、(2)のアンケート結果と感想をまとめて書かせてもらいます。
●記事タイトル : 身体計測機 − 皮膚感覚のススメ-1
●評価
(不要なものを消して下さい):
かなりおもしろい
毎回同じ感想になってしまいそうですが、基礎知識のない私にとっては本当に興味深い内容で、大変面白いです。コンサルタントに関して、皮膚感覚を敏感に保つことは大切だと言うことはわかっていたつもりですが、今回読ませてもらうと、改めて納得させられますね。
うん、うんって感じです。
ただ、「落ちる」という感覚がどうしてもわかりませんでした。
この辺がど素人の私の感覚なんですかね。
●記事タイトル : 身体計測機 − 訓練のススメ
●評価
(不要なものを消して下さい):
かなりおもしろい
こちらの記事も大変面白く読ませていただきました。
やはり、みなさん大変な努力をしているのですね。
私は仕事に関して、ここまで努力をしているかと考えさせられ、恥ずかしくなってしまいました。
私は、地方ではわりかし大き目のソフトハウスに勤めています。まだまだ経験不足で、SEというにはお恥ずかしい限りですが、このような私でも皮膚感覚と言うのは、重要とまでは言わなくても、役に立つものなのでしょうか?
システムコンサルタントみたいになると、大変必要になるとは思いますが、私は残念ながら某銀行に常駐し、既存システムのメンテが主な仕事であり、なかなか感覚は必要にならないかなぁなんて思ってしまいます。いずれ、システムコンサルタントといったものを目指すなら、私も今回の記事にあるようなトレーニングをやってみたいと思います。
少し脱線してしまった感じがするので、話を戻します。
2%、6%、10%という数字は初めて聞いた話で大変興味深い話でした。また、普及率の推移に関しても同様でした。この辺の数字はこれから意識しながら生活してみたいと思います。今までとは違うものが見えそうな気がして、なんとなく楽しみです。
ちょっと、だらだら書いてしまいましたが、次回も楽しみにしています。
【お返事】
>毎回同じ感想になってしまいそうですが、基礎知識のない
>私にとっては本当に興味深い内容で、大変面白いです。
いえいえ、それが本当の感想なら充分参考になります。
人間の感覚というのは鈍くなるものです(要するに、慣れてくるということです)。毎回「おもしろい」と感じて頂くように工夫するのは大変なことなので、その結果が一定の評価を頂く、ということ自体が重要なのです。
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>ただ、「落ちる」という感覚がどうしてもわかりませんでした。
>この辺がど素人の私の感覚なんですかね。
申し訳ありません。確かに、その感覚はなかなか理解頂くのが難しいかも知れません。
この業界にいる方達でも、数年程度の経験では「落ちる」感覚を経験することは難しいのです。
あえて、一般用語でいえば「胸のつかえが取れる」感覚でしょうか。好きな女性が最近機嫌が悪い。自分のことが嫌いになったのかなぁ、と思っているところに「相談がある」と話を聞いてみたら、仕事でトラブル続きだったことがわかってほっとした。
ものすごい例ですが (笑)、こんな時の感覚に似ています。
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>やはり、みなさん大変な努力をしているのですね。
>私は仕事に関して、ここまで努力をしているかと
>考えさせられ、恥ずかしくなってしまいました。
とんでもない。
私は単に楽しんでやっていただけです。
昼間にナンパするのもそうですが (笑)、視聴率の予想でも、ゲームをしている感覚でした。人にもよると思いますが、私の場合、「楽しくない仕事はしない」だけです。逆に言えば、楽しい仕事をやっていたら、今の自分になっていたのです。
唯一、他の方と異なるのは、大抵のことは楽しめる得な性格をしていることでしょうか。
新人社会人の時でも、コピー取りばかりやらされていたのですが、「いかに早く、きれいにコピーを取るか」ということと、上司の作った資料を1部余分に取り、「へぇ、こんな風に作ってんだ」とか「ひどい作り方だな、オレならこうするのに」等と批判するのが好きだっただけです。考えようによっては、目の前のことを享楽的に捉える単視眼的な姿勢なので、成長しないタイプです
(笑)
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>このような私でも皮膚感覚
>と言うのは、重要とまでは言わなくても、役に立つもの
>なのでしょうか?
ごめんなさい。
今度は、私が SE という専門に対してど素人なので、何とも言えません。
ただ、少なくとも、ちょっとでもインターフェイス・デザインに関わるパートを
Nob 様が担当する場合は、皮膚感覚が生きてくるでしょう。一般客にしてもオペレータにしても、人間が関わる所に「仮説」はつきものです。例えば、エラー処理などは「仮説」がベースですよね?
従って、訓練はしてみて損はないのではないでしょうか。
それより、そういう訓練を訓練とするのではなく、「新しい遊び」として楽しんでみてはいかがでしょう?
システムを新しくデザインする時には皮膚感覚は絶対に必要になるのだし、今からねじりはちまきで始めるのはしんどいですが、気楽に遊びの選択肢を増やすとなれば、その時に役立つのではないでしょうか。第一、システムコンサルタントを目指すときには他の勉強も必要ですから、こういう訓練までやっている時間的な余裕もないでしょう。
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>2%、6%、10%という数字は初めて聞いた話で
>大変興味深い話でした。また、普及率の推移に関しても
>同様でした。この辺の数字はこれから意識しながら
>生活してみたいと思います。今までとは違うものが
>見えそうな気がして、なんとなく楽しみです。
そうそう。
今まで見ていたものが違って見える、って楽しいですよね。
それだけでも、このシリーズの役割の1つが果たせたのではないかと思います。
ちなみに、クープマンの目標値は20年近く前から公表されているのですが、マーケティング関係者の中でも、本当の意味で使いこなしている方は少ないのが現状です。市販の書籍でもこの理論を最も詳しく説明しているのが私の著書、という有り様ですから、ある意味、不遇な理論です。