読者の声 : 99.9.22号 (2/8)

励ましや、おしかりの言葉、ありがとうございます。

他の読者の方々の中にも、同じご意見を持った方がいらっしゃるかも知れません。自分の考えをまとめるための参考になる場合もあります。だから、「読者の声」は大事にしたいと考えています。
原則として、原文を掲載しています。新しい声から順番にご紹介しています。

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この色は皆さんの声 (お返事なし)

「求刑1年6ケ月執行猶予4年」の迷惑行為【痴漢】 99.9.1 掲載

 <マーケッター五郎さん> 【ジョン・アービングの小説を読んでいる気分】

        「かなりおもしろい」99.9.8

マーケッター五郎であります。

なんで?
なんで、痴漢とマーケティングなの?
とゆー巨大な疑問符がまずアタマん中にどっしり居座ったのではあるが。
読み進めていくうちに、そんなことはどっかにぶっとんでしまって。
で、で、で。
次はどうなるの? どうなっちゃうわけ?
と、「物語としての興味」のほうが俄然強くなり、
最後にストンッと着地する。

おもしろい!
一気に読んでしまった。
なんだか、ジョン・アービングの小説を読んでいる気分に近かった。

抑制のきいた文章。
それは痴漢とゆーナイーブで誤解の受けやすいものを
題材に用いてしまったせいなのだろうけれども。
そのぶん、いつものような確信犯的な脱線もなく、
いくつもの事件が淡々と積み重ねられ、
いくつかの仮説が浮かび、それを立証するための実験が企てられ、
たった一つの結論に向かって、凄いスピードで進んでゆく。

>マーケティングでは「相手(生活者)が思ったことが事実」なのです。
>それが、「物理的な事実」であろうがなかろうが関係ありません。

>(中略)意識が変化すればマーケティング戦略の方向性もまた変わるのは
>生活者の鏡としての側面を持つマーケティングでは当然の帰結です。

>どんな形になるのか。じっくりと見極めるのが私の仕事です。

この、たった数行を言いたいがための数百行と、
不真面目なようでいて生真面目な、
学問的である一方でけっこうお馬鹿さん(笑)でもある実験。
いいなあ。私も「新米警察官」(某神奈川県警勤務)で参加したかったなあ。
電車の中で痴漢を発見するんだけれども、そいつがコワオモテで、
「誤認逮捕はマズイ…。もう少し、ホントに痴漢かどうか見極めよう」
とかなんとかまごついているうちに取り逃がしてしまう、
そんなストーリーにはなんら関係も影響もない、ちょい役で。
しかし、それがきっかけで、その新米警察官は、
内なる痴漢的自分とゆーものに目覚めてしまったりして。
あ、不謹慎でしたね。

あと、読んで思ったりしたこと。
鉄道会社が痴漢撲滅キャンペーンを張るなら、
「帰らざる傘」以来、交通マナー広告に脈々と受け継がれる
脳味噌がとろけるようなダジャレ路線はそろそろ一切やめにして、
今回の記事のタイルのように
「痴漢は犯罪です。求刑1年6カ月を言い渡された人もいます」
と、ちゃんと知らしめるべきだろうな。
ビジュアルなんか不要、コピーだけでいいと思う。
黒くて、太くて、でかい文字で。(笑)
では、また!


【お返事】

>なんだか、ジョン・アービングの小説を読んでいる気分に近かった。

す、すごい人と比較されて、無茶苦茶テレまくっている森でした (笑)

>この、たった数行を言いたいがための数百行と、
>不真面目なようでいて生真面目な、
>学問的である一方でけっこうお馬鹿さん(笑)でもある実験。

ご明察です。大当たりです。
今回の記事で取り上げたかった、痴漢とマーケティングの融合は正にここにありました。
実は、もうひとつ「女性の自己に関する意識」と「性に対する意識」の変化も記事で取り上げたかったのですが、主旨がぼやけるのでやめました。それが正解だったようです。

>いいなあ。私も「新米警察官」(某神奈川県警勤務)で参加したかったなあ。

すみません。
加害者役の男性は女性が人選したものなので・・って、言ってる意味が違う? (笑)

>「誤認逮捕はマズイ…。もう少し、ホントに痴漢かどうか見極めよう」
>とかなんとかまごついているうちに取り逃がしてしまう、

実際ではキャンペーン中の私服警官はかなり強引にしょっ引いていくようです。
犯罪の成立自体、男性が否定する余地がないので、「誤認逮捕」ということが起きにくいのも原因のようです。だって、「誤認だ」と証明する手段が男性側にないわけですもの。女性の「被害に遭った」という証言さえ取れればいい。

ちなみに、友人が恋人と満員電車で痴漢ごっこをやって、運悪く (?) キャンペーン中の私服警官に見つかり、交番に連れて行かれたことがあったそうです。その時は、女性が「その男性は恋人だ」と主張したため、罪にはなりませんでしたが、警察にこっぴどく2時間くらい怒られたとのこと。その時の警官は有無を言わさずに「しょっ引いた」そうですから。

>脳味噌がとろけるようなダジャレ路線はそろそろ一切やめにして、
>今回の記事のタイルのように
>「痴漢は犯罪です。求刑1年6カ月を言い渡された人もいます」
>と、ちゃんと知らしめるべきだろうな。

まったく同感です。
今回のようなキャンペーンは「事実訴求」が最もインパクトがあります。
クリエータというより、鉄道会社が妙な自主規制をしているのでしょう。

 <ごうちゃんさん> 【触る側のマーケティングがありません】

           「かなりつまらない」99.9.02

その理由ですが、まず自ら「正確なデータとしてはサンプルが少ない」という趣旨を書いてるにも関わらず、それを前提とした記事だからです。
多かれ少なかれ、みんな「こういう結果になるだろう」という実験を、「これはあくまで私の実験の場合では」という、説得力が少々欠ける理由があるにも関わらず行って、それを基にした記事・・・と言えば少しご理解頂けるでしょうか。

(注:あくまでも森さんの行った実験の内容を先に読んで、「こういう実験をしたら・・・」「こういう結果になるだろう」というように、先が読めるってことですが・・・)

実験の内容で、結果があるていど読めてしまうんですよね。
ま、それだけならいいのですが、前提として「サンプルが少ないので・・・」とあったら説得力があまりになさ過ぎる。
「そんなこと分かってるよ!」ということに対して、理由がない(根拠に乏しい)んですよね。

テーマとしても、読み物としても大変大変面白いのですが(痴漢とマーケティング、いや、もう、なんでこんなに痒いところに手が届くの?ってかんじです)、森さんにしては「ツメが甘い」というか、「もっと核心を突けるのに、ちょっとそらした」とでも言いましょうか。
しかも、それを分かっていてやってるから、余計に「面白くない!!」
確信犯は罪が重いですよ(笑)。

メルマガとしての重さもありますし、森さんが「痴漢撲滅キャンペーン」をやってるわけでもないので、あまりぐだぐだと「読者の満足度に対して文量をやたらに多くする」のも非効率的です。目的はキャンペーンではありませんからね。
でも、そこが今回の不満点です。

ちょっと違いますが、スリの場合、大金を持つ人は気をつけますよね。(もちろんそうでない人も気をつけますが、度合いが違うはずです)
だけど、その人にとっては、大金を持たなければならない理由があるわけです。
薄着をする女の子にとって、「痴漢の被害に会うリスク」をしょってまでも薄着をする理由が明白でないんですよ。(リスクそのものが・・・っていう内容でしたけど,)

今回のテーマが「スリ」の場合、まず大金を持って電車に乗る人の必然性が前提になければ、「大金を持って電車に乗ること」自体が非常識なわけですから、「大金をスラれた回数」を統計しても意味がないと思うのです。
ましてや大金をみんなが見えるところに置いといたら、もう、その気がない人でも考えてしまいますよね。
「網棚に置いといた剥き出しの1000万が、目が覚めたらなかった!」なんて言ったら、一応刑事事件ですが、普通、「おいおい!」ってかんじですよね。
女の人が裸同然で電車乗ってきたらどうでしょう。
混雑してる電車で、毎日のようにその人がそのような格好で乗ってきたら、どうでしょうか?

むきだしの1000万、もしくは裸同然、どの程度を言うのでしょうか?
裸同然の格好をしてる人が「いや、これは裸同然ではないよ」と言えば済む問題でしょうか?
そうではありませんよね。「あたしがそう思うんだからそうなんだ!」なんて言う人間は、服装云々以前に一目瞭然「自分勝手」です。
1000万はカバンで隠せばわかりませんが、女の人は、基本的にいくら隠しても、その下には体があるのは誰にだって分かってます。

いや、そんなことはいいんです。(その割にはくどくどと書きましたが・・・)
森さんが、あえてそういうのを無視してるから(女性に気を使ったのでしょうけど)、面白くないんです。
触る側のマーケティングっていうか、目の前に1000万あるっていう時に行動に移す場合の実験がありません。

お忙しいなか、長いメールですいません。
前回、私が意見差し上げたところ、早速のお返事を頂いたのですが、「お忙しいところ申し訳ない」という理由であえて返信をしませんでした。
その節は大変失礼をいたしました。
申し訳ありませんでした。


【お返事】

>女の人が裸同然で電車乗ってきたらどうでしょう。
>混雑してる電車で、毎日のようにその人がそのような格好で乗ってきたら、
>どうでしょうか?

一見、性差のない意見のように見えますが、これが「男性の理屈」です。というのは、古くからこの問題は「男性の論理=社会の論理」でしたから。
記事では、
「これからは、裸同然でも、触ってはいけないものはいけない」
という時代になりつつある、ことを伝えているつもりでした。

妙な例かも知れませんが、セクシーな(色っぽい)服装だと感じる女性のファッションのトップは男性ではテニス・ファッションです。が、女性はダントツに下位。背中の大きく開いたドレスがトップです。また、ミニスカートは男性の言葉では「セクシー」ですが、女性は「かわいい」(もちろん、女性が「決める」時は男性の目になって、ミニを着用することもありますが)。

感覚が違いますから、男性の目から見て「オイオイ、それじゃあ、思わず触ってみたくもなるよ」という意識は通用しないのは当然です。
もちろん、女性も男性の目は知っていますから、「こう見られるかも知れない」というのはあります。でも、
  「だから我慢しよう」=「男性の論理に屈しよう」
が従来の感覚(常識? 我慢?)だとすれば、今は
  「そんな必要はない。触ってはいけないものはいけない」
という主張をするようになった、ということなのです。

正直、実際は女性にも温度差があります。
「されるのが好き」という女性と全然別な時に食事をして、帰るときに終電に近いある沿線で奇妙な光景を見かけました。
20代前半の女性で、下着がチラチラ見えてしまうほどのフレアのマイクロミニにキャミソール、底の高いサンダルという格好なのですが、妙にうろうろしているなと思った途端、発車寸前にわざわざ一番混んでいる車両に走り込み、乗客に背を向けて(ドアに向かって)立ったのです。すぐにドアが閉まって電車が動いたのですが、彼女がびっくりした目でひとこと。
「あ、完全に狙ってます。あの子。あれで無事なら、奇跡でしょう」
言われなくてもわかりました。

>薄着をする女の子にとって、「痴漢の被害に会うリスク」をしょってまでも薄着
>をする理由が明白でないんですよ。

乙女の気持ちを分かって上げないとかわいそうです。
これも男性的な発想です。彼女たちの「今日着るもの」に対する重要度は、さすがの私にも到底理解できないくらい高いものです。その日のファッションがちょっと気に入らないだけで1日暗い気持ちで過ごさなければならないくらいですもの。男性とは比較にならないくらい大事なものです。

ちなみに、リスクという話で言えば、キャミソールのような「危ないファッションの時」は、車両などを変えて防衛する人が大半です。ただ、そのリスクをあえて受けるときはそれなりの理由があります。
デートに遅れそう。どうしてもこの服が着たかったなどです。

そして、それは、道の向こうに好きな人がいて、スグにでもあって話がしたい、車は走っているけど、気をつければ事故には遭わないだろう、と横断したら居眠り運転の車に跳ねられてしまった。確かに悔しいけど、自分の責任かも知れないけど、居眠りをしていた相手は憎みます。それと似たような状況、つまりギャンブル的な要素があるという感じだと分かりやすいでしょうか。

>いや、そんなことはいいんです。(その割にはくどくどと書きましたが・・・)
>森さんが、あえてそういうのを無視してるから(女性に気を使ったのでしょうけ
>ど)、面白くないんです。

無視をしているのではありませんし、女性に気を使っているのでもありません。
捉えようによっては今回の記事は女性に対して挑戦的とも受け取れるくらいです。
(本来の主旨は、どちらにも気を使わずに中立で執筆したものですが)
それが、もはや常識ではなくなりつつあるということを言っています。
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>ま、それだけならいいのですが、前提として「サンプルが少ないので・・・」
>とあったら説得力があまりになさ過ぎる。

>触る側のマーケティングっていうか、目の前に1000万あるっていう時に行動
>に移す場合の実験がありません。

主旨としては大変良く分かります。
また、ごうちゃんさんが悪気があってコメントしたのではないこともわかります。今までのコメント(「安いからモノが売れるのか」)や今回の文章で判断できます。
また、私の記事の書き方に問題があるのなら、ちゃんとした理由があれば受け入れます。
でも1つだけ言わせて下さい。

相手は生身の人間です。数字ではありません。
今回、実験に加わってくれた人たちは、楽しそうにやってはくれましたが、考えようによっては、「自分がどうされるか分からない不安感や不快感」を前提として私のポケットマネーで食事をご馳走したくらいで、協力してくれた女性たちです。

そういった主旨を理解してくれる人たちをどうやれば30人以上集められますか?
お金の問題ではないでしょう。謝礼を1人2〜3万円払ったって、嫌なものはいやです。それに釣られる人たちは、すでにそれだけで「バイアス(偏った)」がかかった心理の持ち主です。
ちなみに、本業ならこういった調査は断ります。できないからです。

ましてや、触る側のマーケティング調査はどうやりますか?
実際に今回は触ったのは女性です。実害はないようにしています。
でも、男性が女性を触る実験は許されますか?
それが犯罪の範疇ではないようにするにはどうしますか? いや、人の心をもてあそぶことがないようにするにはどうしますか?

「それを考えるのがコンサルタント」ではありません。逆にコンサルタントなら、そして、生身の人間を相手にしているのが分かっているコンサルタントなら、受注できない仕事です。

ごうちゃんさんからのコメントがなかったので、読まれたかどうかは分かりませんが、

「みんな」って一体、誰なのさ 99.6.15 掲載

http://www.systrat.co.jp/gimmie/articles/impr990602.html

で私が主張した
  「数字の向こうには血が通った人間がいるのだ」
というのは、こういうことなんです。

ちなみに、サンプル数が少ないのに公表したのは「分かっている」ということと「分かった」ということの違いの差が大きいと判断したことと、必ずしも「分かっている人だけが読者ではない」。実際に実験に参加した人たちを含めてヒアリングした結果、そう判断したからです。

 <伊藤さん> 【男として恐い話です】

        「ややおもしろい」99.9.02

今回のテーマは、キャンペーン広告などによって生活者の意識が変化すれば、その行動や認知の傾向も変化すると行ったところでしょうか。
たしかに、ソニーのなにかカッコイイというイメージで商品を選ぶということは往々にしてあるものです。
しかし、痴漢としてひっぱられたら100%ダメというのは、男として恐い話です。


【お返事】

>今回のテーマは、キャンペーン広告などによって生活者の意識が変化すれば、そ
>の行動や認知の傾向も変化すると行ったところでしょうか。

はい。そして、それが実態となる、ということです。
事実とは何か、というテーマでもありますしねその根本に流れる女性の意識変化(表層ではなく)を捉えることが大事だという隠れたテーマもあります。

>しかし、痴漢としてひっぱられたら100%ダメというのは、男として恐い話で
>す。

それが現実です。
幸か不幸か、私は満員電車に乗ることは出張以外ありませんので、安心である一方、返って、そのノウハウが身に付いていないので、遭遇してしまう可能性が高くなることもあり得ます。

 <Yamaguchiさん> 【自己防衛、自己責任を考慮しないといけない時代】

        「かなりおもしろい」99.9.02

1 痴漢犯罪を意図していたのであれば 実刑であっても やもう得ないと思う。
2 しかし出会い頭の事故のようなものであったとしたら、偶然だとしたら、痴漢犯罪に問われる人間はたまらないですね。これからの時代は身の回りに御用心です。
自己防衛、自己責任を考慮しないといけないですね。


【お返事】

はい。そういう意味で日本もアメリカ型社会になりつつあります。
個人的には「自由の裏に責任あり」という信条なので、歓迎の動きですが。

 <原岡さん> 【李下に冠を正さず】

        「」99.9.01

内容のことでなく恐縮ですが、
『梨下に冠を正さず』は『李下-』と思います。
以上ご確認下さい。



【お返事】

> 『梨下に冠を正さず』は『李下-』と思います。

失礼しました。
今、国語辞典を見たらそのとおりでした。
しかも、梨ではなくスモモ。
すぐにホームページを修正しました。

ありがとうございました。

それぞれの方々へのご意見もお待ちしています。

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