広告露出量を測る単位。
GRP は CM が流される時の視聴率を足し上げたもので、これが多いほど、その商品の広告量が多い。広告の本数ではないことに注意。
下の例では、「総 GRP は21.4%」という表現を使うが、単位に「%」ではなく「合計は21.4 GRP」と「GRP」自体を単位として使う場合も多い。
CM本数が100本を超えるような場合は、当然、100 (%) を超える。従って、300GRP (または「GRP は 300%」) という標記になる。この場合は100%を超えるわけだから、300GRPの広告とは「1人が平均3回見たCM」ということになる。
広告 | 視聴率 |
---|---|
1本目の広告 | 5.2% |
2本目の広告 | 4.2% |
3本目の広告 | 1.8% |
4本目の広告 | 10.2% |
合計 | 21.4% |
100% x 6回 = 600GRP
が最低必要量になる。
ただし、現実は数千ものCM が飛び交っているので、生活者に覚えてもらう必要最小限の露出量は理論値である年間600GRPではなく年間3,600GRPだと私は見ている。つまり、1人が平均36回も見なければ現代の消費者は覚えてくれないということだ。一見多いように見えるが、1〜2週間に1回、そのCM を見るだけだから大したことはない。
GRPという単位は日本ではテレビ広告だけに使われるが、アメリカでは新聞、雑誌、ラジオも GRP で計算されるので、比較検討が楽になる。計算を一々し直さなくて済むので、早く日本もそうなって欲しいが、電通がメディアを牛耳っている限りは無理だろう(電通のテレビ広告のシェアはほぼ40%でガリバー状態)。
というのも、雑誌や新聞をGRP換算するととんでもなく低い数値にしかならないので、GRP換算をしてしまうと、誰も雑誌や新聞に広告を出したがらなくなってしまうからである。
ちなみに、雑誌は「年間300ページ」というようにページ単位、新聞は「年間250段」と段数で表記する(新聞1ページは15段)。
【ワンポイント】
ちなみに、全国で3,600GRPのテレビ広告を露出しようとすると、10億円弱の広告費がかかる。
「弱」という表現しかできないのは、テレビ広告は正価があって無きが如しだからだ。
広告をたくさん出している「お得意さんスポンサー企業」は正価の半額近くで買っている場合もあるし、昨今のような不況だとスポンサー企業が少ないので一見さんでも正価を下げざるを得ない。また、季節などが原因で広告価格は上下する。
魚市場のような前近代的な取引だと思うか、オークションのような需要と供給をきちんと反映している資本主義の模範と考えるかは、あなたの考え次第である。
例えば、新車発表の時期になると実売価格が上がることが多い。自動車会社が一斉に押さえてしまうからだ。現在はハウス食品がかなり買いあさっている、というウワサも聞く。