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キリン凋落 - ブランドの意味性の拡散による悲劇【キリン・ラガー】 98.6.6

(【注】この記事は97年2月16日執筆分の再録です)

ビール首位交代

イメージカット1とうとうやってしまった。何がって、キリンがアサヒに市場シェアで抜かれてしまったことだ。

1997年1月の出荷数量で、単月だがアサヒ38.3%の市場シェアに対して、キリンが37.1%。

通常なら、調査の誤差範囲として片づけられる差だが、酒類はご存じのとおり正確な数字である。キリンも申し開きが立たない事実なのだ。

原因については、今後、単行本などで様々なケーススタディが紹介されることだろうから、ここで詳しくは述べない (ビール業界はケーススタディ本の最大のお客様のようで、とにかく、無数の書籍が発行される)。

しかし、1点だけ述べておきたい。
1997年2月15日付けの朝日新聞では、その原因を以下の3点から説明している。

(1) 宅配に適した缶化の遅れによる量販店での失速
(2) ラガーの若年層ユーザーの取り込みの失敗
(3) ラガーに力を入れすぎたための一番絞りのシェア低下

これらは間違いではない。今回の首位交代劇のかなりの部分を、特に量販店対策の失敗に見られる流通対策に見ることができる。
しかし、長期的に言えば、ラガーのブランドイメージの拡散、そして、それが原因となってラガーのシェアが落ち込んだことが大きな原因であることは間違いない。
ラガーさえしっかりしていれば、一番絞りのシェア低下を防ぐことができたはずだし、若年層ユーザーをそれなりに獲得できたハズだからである。

【以下、小見出しと最初の段落のみをご紹介します】

キリンのラガー戦略のミス = ブランドの意味性の崩壊

もともと、キリンのラガー戦略はあまりにもずさんすぎた。

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